レジメンタル魔法学院
騎士学園の試験が終わって次の日、宿でしっかり休んで同じようにヒューバートを待つ2人。
「一体どういうことなんだかヒューバートさんが来たら教えてくださいね。」
クロノは今からの事にあまり納得いっていないが渋々ノアオと宿前で待っている。
「ああ、後でな。」
ノアオは今日はあまりすることがないからとしっかりと体を伸ばしてリラックスしている。
「2人ともおまたせ、それでは行こうか。」
ヒューバートが昨日と同じように2人を先導していく。
「そもそも、今日の話ってどういうことなんですか?」
クロノがヒューバートに質問する。
「ちゃんと話をすると、ノアオ君が試験を受ける際の条件でもし受かった時にクロノ君を魔法学院に推薦して欲しいって話があったんだよね。」
昨日とは宿を挟んで反対方向に歩いていたため、新たに都市を案内しながらヒューバートが答える。
「兄さんは何にも教えてくれないですし、そもそも僕はそんなつもりなくって、兄さんが騎士学院に通うあいだ父さんと一緒に魔獣狩りをするつもりだったんですけど。」
相変わらず若干の不満を見せながらクロノが後をついて行く。
「クロノだってヒューバートさんに協力して俺を騎士学園の試験を受けさせたんだから諦めろ。」
意気揚々と都市の見学をしながらクロノを宥めるノアオ。
「実際ノアオ君があれだけ強かったから、クロノ君にはかなり期待しているんだよね。今向かっているレジメンタル魔法学院に僕の友達がいてね、前々から騎士のスカウトする際に魔法使いでも優秀な人がいたら案内して欲しいと言われていたんだよね。さて、ここが魔法学院だよ。」
案内して連れられた先は騎士学園に負けず劣らず大きな建物で若干寂れてるくらいかなという感じではあった。
レジメンタル魔法学院は伝統としてはストライプ騎士学院と同じくらいあるが近年の生徒のレベルの高さは騎士学院がかなり上だと言われている。
それは魔法を放つのに詠唱する時間があれば剣技によって相手を倒す方が有効だと考えられているからである。そもそも魔法を使えるだけの高い魔力を持っているものが数が少なく、それぞれが地方で経験を積み高いレベルで1人でも何とかできる強さの魔法使いとなり、学院生の卒業生はほとんどが前線を別の人間に任せて後衛としての戦いしかできないため、強い魔法使いになるなら学院で学ばせる必要は無いと思われている。
騎士学院の方が育成の評価が高いので魔法学院としては強い魔法使い育成を行い、魔法学院内のレベルの底上げをしたい思惑もあり一般試験とは別にいつでも優秀生の試験を行っている。
今回はヒューバートの知り合いの魔法学院の先生に凄い生徒候補がいると言う話をして試験を受ける事になった。




