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最強の兄弟  作者: 優木貴宏
学院試験編
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生まれ変わって

異世界転生でよくある赤ん坊から生まれ直すという経験を実際にすることになるとは思っていなかった。

意識ははっきりしているからご飯やトイレといった行動を自分で行えず羞恥心との戦いになることが多かった。

どうせなら物心ついた位で記憶を思い出すようにしてくれればいいのになんて思いながら自分の今の環境を把握していく。


ここは小さな村のとある家。

異世界転生によくある貴族とか王子とかそんな立場ではなく本当によくある一般の家庭だ。


そこの次男として生まれた自分はクロノと名付けられた。

髪が母親譲りの綺麗な黒、目は父親譲りの吸い込まれそうな黒、つまり元の世界ではよくいる日本人の見た目なのだがこの世界でとても珍しいとのことでクロを使った名前になった。


次男ということは勿論長男がいる。

こちらは父親譲りの青髪、母親譲りの青目で名前をノアオという。


ちなみに父親はトリノ、母親はノルンといい2人に付いているノの文字を子供に分け与えている。


ノアオと自分は3歳差で兄は初めてできた弟を大変よく可愛がってくれている。


異世界転生では兄弟仲が悪いことが多いのでこれは嬉しい誤算だ。


活発だがしっかりとした芯を持ち不器用ながら優しさを持つ兄は弟の目から見て最高と言わざるを得ない。


0歳からブラコンとはなかなかの趣味だと思いながらこの世界のことを理解しようと思考を巡らせる。


この世界はもちろん言葉が違うので何を言っているか理解出来ず聞いているだけで言葉を覚えるのは転生者としては外国語の勉強をするようなものでなかなかの根気がいる。

しかし、神から与えられたものすごい根気強さのおかげか挫折することなく言葉を理解していく。


もうひとつこの世界に来て大事なのことは()()の存在だ。

父親には魔法の才能がないらしいが、幸いにも母親はそこそこの魔法使いらしく赤ん坊の自分を喜ばせるため危なくない魔法を沢山見せてくれた。


この世界の魔法は火、水、地、風の四大元素と呼ばれるものと光、闇の二大魔素と呼ばれる6種類あるようだ。

この中で四大元素のうち1つは魔法の才能があれば使えるようになるらしいが二大魔素はどうやれば使えるようになるのかあまり理解は進んでいないらしい。

とりあえず、魔法の才能を持つ何百人に1人くらいが使えるようになるとのことだ。

更に四大元素の内2つを使えれば優秀な魔法使い、3つ使えればその国でのトップクラスの魔法使い、4つ使えれば歴史に名が載る魔法使いとのことらしい。


ここら辺の話はノルンが寝かしつける時に子守り歌代わりによく話してくれる。

赤ん坊にそんな話しても伝わらないだろうに、ノアオの時にも同じことをしていたのだろうかと思うとなかなか不思議な母親である。


そんな母親だが実は水と地の2属性を扱える優秀な魔法使いである。

元々はこの世界の冒険者で魔法使いとしてそこそこ名を馳せていたらしいが、父と出会って冒険者としてはなりを潜め1人の女性として家庭を守るようになったそうだ。

ちなみに父親も冒険者としてそこそこ名を馳せていたらしい。


とはいえそのくらいのレベルの冒険者はそこそこいるらしく冒険者として活動を終えるときも程々に引き止められたらしいけどそこまで惜しまれるようなレベルではなかったとの事だ。


こっちの話は父親が子守唄代わりに語ってくれた。

似た者夫婦だ。


そんな2人にしっかり愛情を持って育てられているが、やはりこの世界に来た以上魔法を使えるようになりたいと思うのは転生者の性質なのだろう。



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