魔法学院第2学年 王子の評価
「それでは私の話はこれくらいなのでお暇させて頂こうかな。そういえば言い忘れてたけど君達もよく知っている十騎士の1人が私の管轄の所属になったので言っておくね。もし何か私に伝えたいことがあれば彼に言えば伝わるからよろしく頼むよ。」
アクト王子は話が終わり出ていこうとする前に近くのカーテンの影を見ながら十騎士が自分と繋がりのある所属になったから何かあったら伝えて欲しいと告げる。
「わかりました。それではまたお会いしましょう。」
丁寧にお辞儀をしてアクト王子を見送るクロノとそれに合わせて礼をするアルナ。
アクト王子が出ていった後2人がゆっくり椅子に座るとカナメ自らお茶を用意してくれた。
「いくらアクト王子が話しやすいとは言えど王族はやっぱり緊張するよな、お疲れ様だ。」
カナメは2人を気遣う言葉をかけてくる。
「ありがとうございます。兄さんは結構気が合うみたいなんですけどね、僕はいつ会っても緊張しますね。やっぱり王子ですからね。」
カナメについで貰ったお茶を飲んで一息つきながら緊張していた事を話すクロノ。
「でも、聞いていた通りかなりまともな王子見たいね。私の事情を考慮してくれていたしできる限り気を使わないようにする為に話を端的に伝えて出ていってくれたから周りに気を使えるみたいね。」
アルナは事前にノアオやクロノからアクト王子の事について話を聞いていたが聞いていた通りにできる王子と言う評価をする。
「俺も何回か話をしてるが確かに若くして優秀でとっつきやすいという印象だな。王様からの評価も第1王子がいなければ第2王子も第3王子も国を任せられるだけの人間性を備えているって言ってたくらいだからな。」
自分でついだお茶を勢いよく飲みながら王子の評価を2人に話すカナメ。
「こちらとしてはかなり協力をしてくれているのでそう言った部分でありがたいです。魔族が来たらすぐに伝えて貰わないといけないですしね。僕達で対応出来ているから十騎士の方でも対応出来るかもしれないですけど出来る限り僕達も対応したいですからね。」
クロノとしても国が協力してくれることで魔族への対応を早めにできるという点で王子の動きは助かっていた。
「顔出しは終わったしこの後ノアオも来るんだろうから下でゆっくり待ってる方がいいだろうな。2人ともわざわざありがとうな。」
カナメは上で待つ必要がないということで2人に顔出ししてくれたことに感謝する。
「いえいえ、こちらこそ今の状況を聞けて良かったです。この後兄さんと合流して迷宮の様子見てきますね。」
クロノはアルナと共に席をたち迷宮の様子を見てくる事を告げて部屋から出ていく。