騎士学院第2学年 学年代表
「2人は見ててどうでした?」
ノアオは影から覗いていたアイスとテスタに話しかける。
「やっぱり気がついていたよね、かなりレベルの高い戦いだったな。ほとんど基本の立ち回りだけで戦い合う強者の戦いって感じがしたね。」
テスタは率直にアルスターとノアオの戦いの感想を述べる。
「私としてはあれが本来の目指すべきレベルなんだなと思って気が遠くなる思いがしたよ。あれがこの学院で一、二を争う強さを持つアルスターさんか…卒業までにあのレベルに達するのか到底想像がつかないな。」
アイスはアルスターの実力を目の当たりにし、あそこまで強くなるとが目標だと考えるがあまりの差に気落ちしてしまう。
「アルスターさんはいずれ十騎士になる人って言われてるから仕方ないかなと。折角なら今度アルスターさんに声をかけていつもの勝負に参加してもらうのも良いかも。それで全員のレベルの底上げになるだろうし。」
アルスターとの今の実力差は仕方がないと言いながら少しでも全員のレベルの底上げのためいつもの模擬戦に呼ぼうか考えるノアオだった。
「勇者の力があれば何とか戦えるかなって感じがするレベルだな。普通にやりあえばあっさりと負けるだろう。」
テスタは勇者の力がないとアルスターは相手にならないだろうと考える。
「私としては全然勝負にならないだろうが強者と戦う経験はいくら積んでもいいものだと思うので是非参加してもらいたいな。」
アイスは勝てないとわかっていてもその実力を肌で感じることで自分の身になることが何かあると考えて戦いたいと思っていた。
「それはそうとあの新入生の相手はどうするんだ?ノアオは相手してあげるつもり?」
テスタも新入生代表の言葉を聞いていたので今の学院でトップクラスの実力を持つノアオはどうするつもりなのかたずねる。
「いやいや、一応優秀生っていうのは隠してるからやるつもりはないよ。テスタだって勇者の力を見せる訳にはいかないから戦う訳にはいかないし、2年代表はキールさんがやってくれるんじゃないかと思うよ。」
ノアオは自分の実力を隠している関係上、表立って強い人代表として出てくる訳にはいかず学年としてキールが代表して戦ってくれると考えていた。
「そうだな、彼なら代表としては相応しいな。どうせなら私も1度戦ってみたいものだが機会は訪れないだろうな。」
アイスはキールを代表とする意見に賛成しながらもそれだけ実力に自信のある人相手なら1度くらいは戦ってみたいと考える。
「実際どれくらいの強さなのか分からないし、もしかしたらキールさんが出るまでもないってなるかもだから今は様子を見るしかないね。」
テスタは新入生代表の実力が分からない以上どうすることもできないため先ずは彼の実力を見てみようと言うことになった。