学院と迷宮 3人での決着
「うっ…ぐはっ!」
黒い風を出そうと手を伸ばした時、カリスに急なダメージが襲いかかる。
「危ない、本当にダメージがないのかと思っていたけど空絶斬の回転と黒い風の防御で身体中を駆け巡っていたのかダメージが影響を及ぼすまで時間がかかっていただけみたいだな。」
ノアオは自分の攻撃によるダメージが確実にカリスを倒せるものだと思っていたようでカリスが食らっている事に安心する。
「ば、馬鹿な…先程の技でこれほどのダメージが出るわけが…そのために黒い風で防いだと言うのに…」
想像以上のダメージが身体中を駆け巡り立っていられなくなり倒れ込むカリス。
「空絶斬なら確かにほとんどかすっただけだからそれほどのダメージはないだろう。だから最後の一撃だけはさっき見せた技である魔閃だよ。ちなみに魔閃って言うのは魔法に対する技で相手の魔法をかき消したり魔法の盾を突き破り相手にダメージを与える技だ。」
一閃と同時に魔閃を放ちカリスへのダメージを確実に与えることが出来たことで自分の戦い方は間違いでは無いとはっきりと実感するノアオだった。
「魔閃…なるほど、かすかに感じるこの力は魔力ですね。剣に魔力をのせることで魔法使いに対抗する技を得たと言うことですか。少し気になる部分はありますが私の考えが正しければ貴方には…」
カリスは身体を駆け巡る魔力を感じ取りノアオの力について何か気がついたような反応を見せる。
「さて、まともに戦えるのはテスタだけだろうけど今のあんたの状態ならこのままトドメをさせるだろう。」
ノアオは話をしながら限界だったのか両膝をつき剣で身体を無理やり支えながら話をする。
アルナとノアオは戦える状態ではないがカリスもダメージを考えたらまともに戦えるようものでは無さそうで唯一動けるテスタはトドメをさすべしカリスへ近づく。
「ここまで追い詰められるとは…今回は負けを認めましょう。しかし次にあった際には必ず貴方達を倒してみせます。それではまた会いましょう。」
このままではどうにもならないと考えたカリスは指を鳴らし黒い風に自らを包み込む。
「逃がすか!」
テスタはこのままトドメを刺すべく剣を投げつけるも既に逃げられたあとのようで剣は壁にぶつかり地面に落ちた。
倒しきれなかったことに悔しそうな顔を見せるテスタ。
すぐに気を取り直しまともに立っていられず倒れ込むアルナとノアオを支える。
「逃がしちゃったけど今回は勝ちってことで…」
限界に近いノアオはテスタに声をかける。
「そうね、何とかなったんだから今回は良しとしますか。」
肩を支えられながら呟くアルナ。
「次こそは3人で倒そう!」
1人元気が残っているテスタは次こそ倒すことを誓うのだった。