学院と迷宮 新人の状況
「俺の事知ってるんですね、動けますか?」
落ち着いてその冒険者に声をかけるノアオ。
「はい、特に体に異変は無いみたいです。」
その男性は手のひらを開いたり閉じたりして自分の体の様子を確認したが問題は無いようだった。
「他の2人はまだ目が覚めないみたいだしわかる範囲で何が起きたのか教えて貰っていいですか?」
目が覚めていない2人を見て唯一起きた男性に話を聞こうとするノアオ。
「えっと、2階まではいつもと同じような雰囲気で何も無くって3階に降りて少ししたら普段は見ないような魔獣が現れたので危険だと判断したのですぐに迷宮から出ようと動いたんですけど、この部屋に謎の人物がいて…えーとそれで、すぐに意識がなくなって今起きたって感じですね。」
記憶の覚えている範囲を簡潔に伝える冒険者の男性。
「なるほど、あいつは突然現れて突然去っていったって感じみたいだな。これは場長に話聞かないと分からないことが多い。」
ノアオは聞いた話からカリスがいきなり迷宮に出現したのだと想定した。
「うーん、ここは?」
「う、うん…私は一体?」
倒れていた2人の冒険者も目が覚めたようでテスタとアルナが介抱をする。
「君達はこの階で倒れていたんだけど少し休んだら迷宮から出ようと思う。今は起きたばかりだから無理しなくていいので体を休めて。」
ノアオは目が覚めたばかりの2人に優しく声をかける。
その声を聞いて2人は一旦落ち着いて水を飲み状況を把握するために頭を働かせる。
「あ、貴方はノアオさん!」
「アルナさん、迷宮でお会い出来るなんて!」
少しして状況を理解出来た2人はノアオとアルナを見て興奮した様子を見せる。
「ミアナさんから少しだけ話は聞いているわ。私たちに憧れて3人でパーティを組んだ新人さんだって。私たちもまだまだ新人なんだけど嬉しいものね。」
アルナは冒険者の女性に優しく話かける。
「いえ、アルナさんは冒険者を初めてまだお若いですけどその実力は既に中堅の冒険者レベルだとお聞きしています。私のように魔法使いで女性の冒険者の中では憧れの存在として君臨してますから。」
女性の冒険者の中でかなりの憧れの存在のようでまるで崇めるかのようにアルナに話す女性冒険者。
その話を聞いて照れてしまうアルナ。
「ノアオさんとクロノさんもまだまだお若いのに冒険者の中ではかなりの実力の持ち主という事で、実力に年齢は関係ないを体現している人として新人の中では目指すべき目標とされているんですよね。」
もう1人の男性冒険者はノアオとクロノもかなりの評価を受けていて皆からの目標とされていると伝える。
その言葉にどう言った顔をしていいか悩むノアオとクロノだった。