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最強の兄弟  作者: 優木貴宏
学院試験編
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更なる強者

「さて、流石にそのままのダメージを残したままではつまらないね。これを飲みなよ。」

アルスターは傷だらけのノアオに2つの瓶に入った飲み物を渡す。


「これは?なんかよくわかんないけど飲めばいいんすかね?」

そう言って渡された瓶の蓋を開ける。


「緑色の方が体力回復薬で青い方が疲労回復薬だよ。青い方は魔法使いが魔力回復に飲むもので騎士が飲むことは少ないのだけれど、名前の通り疲労も回復できるし君には必要な物だろうからね。」

不敵な笑みを浮かべながらアルスターは説明をしてくれた。


「なるほど…助かるっすね。」

ノアオはどちらの薬も勢いよく順番に飲んでいく。

すぐに効果が現れたようで先程のダメージと試験の疲労が少しながら回復出来た。


「流石にそこまで上質なものでは無いから完璧に回復はできないけれど十分だよね。それでは早速勝負といこうか。」

薬の効果を実感しているノアオを見て木剣を取りアルスターは勝負の準備を行う。


「ここまでの人は初めてなのでワクワクしてるっすね。」

ノアオも新しい木剣を手に取り体の状態を確認しながら準備に入る。


「さて、それではお互い準備はいいですかね?お互いの実力的に木剣と言えどやりすぎると致命傷になりかねないでしょうから、状況に応じて止めに入ることも考えています。いいですね?」

カルナはノアオとアルスターの間に流れる気配を感じ取りしっかり忠告を行った。

そう言わないとこの2人は命の危険もありうる空気をこの場にいる全員が感じていた。

2人は何も答えないがしっかりと構え合い準備は完璧と雰囲気が語っていた。


カルナはあまりの雰囲気に気圧され息を飲むがハッキリと開始の合図を告げた。

「試合…開始!」


合図と共にどちらも前進し間合いを詰めるがお互いの剣が届く1歩手前で止まり、静かにお互いを見合っていた。

リーチ的にはアルスターの方が長いので1歩詰めて届くのはアルスターの剣だけなのだが、ノアオのスピードなら不用意な攻撃を繰り出せば一気に間合いを詰めて来ることを理解しているのであと一歩が踏み出せないでいた。

ノアオも同じように届きはしないが届く距離に全力で詰めてもアルスターの実力では躱すか受けるかされて一方的にダメージを受けることが見えているため間合いを詰めることができていなかった。


お互いに見合う時間が30秒ほど続いた時に不意にノアオが間合いを詰めて攻撃を行う。

「一閃 第1撃 剛進撃! 」

その一撃に対してアルスターは木剣で確実に受けきった後に隙だらけのノアオの左脇腹に打ち込む。

しかし、受け切られた瞬間にノアオは下がりアルスターの一撃は空を斬ることになった。


ノアオはその一撃を目の前で見て、もし食らっていたらそのまま勝負は終わっていたであろうと感覚で頭で理解する。

そして想像以上の強者との戦いに今まで味わったことの無い胸の高鳴りを感じる。


「アルスターさん、あんたと戦える今この瞬間を神様に感謝するぜ。」

「ノアオ君、私としてもここまでの勝負は久々だよ。でも勝つのは私だ。」

お互いに強者同士の戦いに喜びを隠せずにいるのだった。


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