学院と迷宮 新人達の捜索
一旦話がまとまったところでキールが話し始める。
「今日のところは解散かな?私も貴族だからカナメさんと一緒にそっちの流れを調べてみるとするよ。」
キールは場長への協力を申し出る。
「それは助かるな、俺の力が及ぶ範囲も微妙な部分ではあるし貴族が手伝ってくれるなら話が進みそうだ。」
カナメはキールに感謝する。
「ではこの後の動きを少し詰めるとしますか、私はこのまま残ってカナメさんとお話するので皆は先に出てもらって大丈夫だよ。」
キールは4人に声をかける。
「わかりました、キールさんよろしくお願いします。」
ノアオが4人を代表してキールに声をかけて場長室から退室する。
下の階へ降りた4人に対して待ってましたと言わんばかりの顔をしたミアナが声をかけてくる。
「お話は終わったかしら?キール君は居ないみたいだけど4人にお願いがあるのだけどこの後時間あるかし?」
ミアナは申し訳なさそうな雰囲気をだしてお願いをしてくる。
「特に予定はないので大丈夫ですけど何かあったんですか?」
アルナが心配そうにミアナに話を聞く。
「実は最近Eランクに上がったパーティが居るんだけど想定している時間よりかなりたってるんだけど帰ってきてる様子がなくて。見てきて欲しいと何人かにお願いしたんだけど冒険者なんだから心配無いって皆が言うから誰も見に行けてなくて。ダンジョン潜るの3回目でいつもならもう1時間は前に帰ってきてる人達なんだけど心配で。」
本当にその冒険者達が心配なようで変わらず不安そうな顔を浮かべるミアナだった。
「なるほど、それは心配になってもおかしくないですね。暗くなると危ないですからすぐにでも潜って確認してきます。普段その方たちはどの階に潜っていることが多いんですか?」
クロノが不安な様子のミアナをなだめつつ冒険者を探すため居そうな場所について確認する。
「普段は3階にいることが多いらしいわ。その人達は男性2人の女性1人の3人パーティなの。実はノアオ君とクロノ君とアルナちゃんのパーティが活躍している姿を見て憧れたらしいの。そんな3人だから尚更放っておけなくてね。」
少し落ち着いて優しい目をして話をするミアナ。
「わかりました。僕たち4人で行って探してきますので!」
テスタが張り切ってミアナに対して応える。
「4人が無理して怪我をするのはダメだから危なそうなら自分たちを第1ににしてね。新人さん達をよろしくお願いします。」
クロノ達の心配をしながら新人3人のことを託すミアナ。
「ちゃんと無事に連れて帰ってきます。」
クロノは胸を張ってミアナに応えた。