学院 通い場で情報共有
数日が過ぎ次の休みに入ると改めて5人は通い場へ集まった。
「皆さんいらっしゃい、今日も場長が待っているので上へどうぞ。」
ミアナは5人の姿を見つけるとテキパキと事務仕事をしながら場長のいる上の階へ案内する。
コンコンとノックをして中から返事がすると5人は入室する。
「1週間ぶりだな、お互いの情報を共有し合うとするか。」
場長が前と同じように席について話を始める。
「今回俺は国に話を通してその貴族について調べてもらった。確かスイッチ家だがなんだかって家系だったがこれについて協力を申し出てくれたのはメタン・レム様だ。今の国を担う宰相が訳あって繋がりがあるらしく調べてくれるとの事で今のところ入ってきている情報だけでもかなり黒い事をやっているらしい。まだ魔族との繋がりに関しては話が出てこないがこのままだと時間の問題だって気はするな。」
カナメは国に協力してもらって得た情報を5人に伝える。
「次は俺たちの方ですけど今のところテスタに変な人が近づいたりって気配はないので問題は無いかと。勇者の力に関してはあれからキールさんや俺が手伝って鍛えていますけど特に変わりなく力が目覚めたなんてこともないです。」
ノアオが騎士学院側の情報を端的に伝える。
テスタとキールもその話に齟齬は内容でうんうんと頷いていた。
「じゃあ、僕の方ですけどそのスイッチ家ですがとある情報では先程場長がお話していたレム家と他にどこかもう1つ繋がりがあるらしいです。これがどこかは分かってませんけど権力的にはレム家も大きな力を持つ家系なので一概にお任せでいいのかは判断できないかと思います。それ以外は不思議なくらい情報が入って来ませんでした。スイッチ家に関して情報規制が敷かれているような感じもします。」
クロノはパラから聞いた話や研究会での話を全員に伝える。
「私も別で魔法学院内でスイッチ家について色々聞いてみましたけど誰も関わり合いたくないのかそれとも本当に知らないのかこれといった情報はなかったです。学院には色んな情報を集めている噂研究会なんて言うのもあってそこにも聞きに行きましたけど全くと言って何もなかったです。」
アルナも学院で仕入れた情報を伝えるが特に何も分からないということだけだった。
その話を聞いてクロノはやっぱりと言う顔をする。
「なるほどな、確かに知らない人からしたら宰相だからと疑いの目を向けないっていうのは無いと思うかもだがあの人が国に不利益な行動をとるとは到底思えないんだよな。それだけこの国に尽くして来ている立派な人だから。」
カナメは実際に会ったことと過去の話からメタン・レムが魔族と繋がるとは信じきれていないようだった。
「それに他に繋がりのある一家があるならそっちの方が怪しそうだしそれについて色々探ってみるさ。」
カナメはクロノの情報の他の繋がりに関して調べてみると言う。