学院 貴族の生徒の繋がり
「前にSクラスがあの貴族の先輩に絡まれたって話聞いたけど大丈夫だった?」
パラは先日の事件について話を聞いたみたいでクロノを心配してたずねる。
「特に問題ありませんでした。それよりパラさんってあの人について何か知ってることありますか?」
少しでも情報を集めようとクロノはパラに貴族の生徒について聞いてみる。
「あの人は確かメルボルン・スイッチって人だったと思う。このスイッチ家っていうのが昔の当主は国の為にかなり貢献した人物らしいんだけど今の当主はその過去の栄光に縋って貴族になれているらしいんだ。最近はあまりにも悪い噂ばかり流れてるから貴族としての爵位も剥奪される恐れがあるんじゃないかと言われてるくらいの家だよ。」
パラは自分の知っていることを記憶をたどってクロノに説明する。
「なるほど、親が親なら子も子ってことですね。そんな噂が流れているなら本人たちの耳にも入っているでしょうからそれの対抗策として協力を…?」
爵位が剥奪される程の噂が流れるくらいなので今までかなり色々やらかしているのだろう。
そんな人物であるなら魔族に協力して国に反抗しても自分たちの利益の為に動くだろうとクロノは考える。
「とりあえず、何も無いなら良かったよ。なにかあったら何時でも言ってくれよな。」
パラはクロノに優しく微笑む。
「今回の情報だけでも十分助かりました。ありがとうございます。ついでにスイッチ家の繋がりがある所ってどこか知らないですか?」
情報に感謝しながらパラに他に知っていることはないか聞いてみるクロノ。
「繋がりかー…2つの家が懇意にしてるらしく1つは知らないけど1つは知ってるよ。」
パラは記憶を辿って知っていることをクロノに伝える。
「それってどこですか?」
真剣な目をしてクロノはたずねた。
「レム家。さすがにクロノも知っていると思うけどこの国の宰相を務めているメタン・レムの一家だよ。」
誰もが聞いたことある名前という事で簡潔に伝えるパラ。
「レム家ですか。ありがとうございます。」
この情報を持って次の休みには通い場で情報共有しようと考えるクロノだった。
「それはそれとして次の試験の為に教えて欲しいところがあるんだけどいいかな、クロノ?」
スイッチ家とレム家の話を終わりにし次の試験についての事でクロノにたずねるパラ。
「良いですよ。どこですか?ここは…こうして…これで魔法の流れがこうなるので…こうするのが正解ですね。」
いつも通りパラの質問を優秀生らしく答えてあげるクロノだった。