騎士学院2 変わらず秘密
「隠れてないでこっちに来てもらって大丈夫ですよ。」
ノアオは修練場の影にいる人間に声を掛ける。
「…気がついていたんだな、君にはずっと騙されていたよ。」
アイスは諦めて3人の前に出てきてノアオに小言を言う。
「すみません、キールさんと同じ優秀生だとバレると色々動きにくくなると思って隠させて貰ってました。でも、アイスさんは何となく俺の実力に気がついていましたよね?」
隠していたことを謝りながら恐らく気が付かれていた事に関して確認するノアオ。
「何となくだが君の実力があんなものではないと思っていたよ。まさか優秀生だとは思っていなかったけど。」
いつもの雰囲気で答えるアイス。
「俺もずっと騙されてたよ。まじで強すぎだよノアオ。」
アイスの反応を見てテスタもいつもの雰囲気になる。
「出来ればこのまま優秀生ってことは隠しておきたいんですけどいいですか?バレるとアイスさん見たいに絡んで来る人いそうですし。」
普段のアイスの感じを思い出しながら色んな人に絡まれると面倒なのでこのまま秘密にして欲しいというノアオ。
「もちろんだ、ただし今後は君も一緒に修練してもらうから。私も勝ちたい人が増えたというのは喜ばしい限りだ。」
秘密にはしてくれるが想定通り修練に付き合えというアイス。
「俺も黙っては置くけどアイスさんにバレたことが1番厄介なんじゃないか?」
からかうように言ってくるテスタも秘密にはしてくれると言う。
「もちろん言わないよ。」
フリッツも変わらず秘密にしてくれるという。
「ありがとうございます。」
3人に笑顔で感謝を述べるノアオはその後自室へ戻って行った。
テスタは少し勉強のために図書室へ行くと行って別れた。
部屋で少しくつろいでいるとクロノから通信が入る。
「兄さん今大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だぞ。どうかしたかクロノ?」
「この前兄さん達が場長から聞いた話について進展がありそうなんだ、今の所可能性ではあるけど。」
「そんなにすぐに進展があるなんてさすがクロノだな。」
「これはたまたまなんだけど、それで場長に話に行くために次の休みは通い場に来て欲しいんだ。こっちもアルナさんに来てもらうんだけど、もしかしたらキールさんに来てもらった方がいいかも。」
「ストラさんとメルバさんの話だもんな。わかったよ、キールさんにも声をかけておくよ。」
「ありがとう兄さん、それじゃ次の休みに。」
「あぁ、分かった。」
通信が切れてどうしようかと考えていたところにテスタが帰ってくる。
「ただいまー。…どうかしたか?」
部屋に帰ってきたテスタを何も言わずにじっと見つめるノアオに声をかけるテスタ。
「テスタ、次の休みちょっと付き合ってくれないかな?」
部屋に帰って早々休みの日に何かを誘うノアオ。
なんだかよく分からないままテスタは承諾した。