魔法学院休日 杖の購入
「スミレさん、ありがとうございます。お陰で自分に合ったいい杖を見つけられました。」
パラは気に入った杖を見つけたようで値段も安価だったので即断即決で買ったようだった。
「いえいえ、こちらこそうちの杖を購入いただきありがとうございます。」
変わらず丁寧なお辞儀をパラに向かってするスミレ。
「メトロさん、よろしくお願いします。」
クロノの方はあの後店内の杖を見て回った物のこれといったものがなかったので特別にオーダーメイドしてもらうことになった。
「君に会う最高のものを作りますね。」
眼鏡をかけ直し自信満々で答えるメトロ。
パラとクロノはスミレとメトロに挨拶をしてお店を後にした。
「たまたまの出来事とは言えあのお店に出逢えたのはラッキーだったよ。これもクロノのお陰だな。」
パラは購入した杖を相当気に入ったようでまじまじと見つめながらクロノに感謝する。
「いえ、お役に立てたなら何よりです。僕もあのお店に逢えたのは良かったですし。」
クロノはお店でお願いした杖がいつ出来上がるのか楽しみだった。
「しかしあの貴族の人は俺たちの先輩だったな。あんな人もいるなんて学院って色々あるんだなって思ったよ。」
スミレを叩いていた人物について話すパラ。
「僕のことを知らないでしょうから何も無いと思いますけど、学院で何かあると面倒ですね。」
先程の貴族が何もしてこないことを願いながら歩みを進めるクロノ。
「それじゃ今日のお目当ての杖も見つけられたしそこそこいい時間になっちゃったからこの後は学院に戻るか?」
今日の目的を達成できたパラは学院に戻ることを提案する。
「一つだけお店に寄ってもいいですか?」
クロノは戻る前に寄りたいお店があると話す。
「そりゃ今日は1日付き合ってもらったんだし構わないよ。どこに行きたいのか知らないけどついて行くよ。」
パラはクロノの提案をあっさり快諾する。
「ありがとうございます。この先に本屋さんがあるんですけど色んな本を取り揃えてて魔法学とかでも専門的な分野とかあって魔法薬学の本がないか見たいんですよね。」
クロノはパラに感謝をして行きたい場所について説明する。
「本屋さんか、普段行かないけど面白そうだな。俺も何か気に入るもの見つかるかもしれないし是非行こう。」
行き先を聞いてノリノリになるパラ。
「そうですね、ほんとに色んな本があるので気になるものが見つかるかもですね。」
クロノはノリノリのパラを見てくすりと笑った。
「それにしても魔法薬学ってことはやっぱり研究会はもう決めたんだな。」
パラはクロノの研究会についてたずねる。
「はい、あの後押しのおかげです。」
静かに肯定し本屋までの歩みを進める2人だった。