騎士学院休日 たまたまの出会い
「またいつでもいらしてくださいね。」
ヒストリスは2人を見送るためお店の前まで出てきてくれた。
「また来るわね。」
「今度はクロノも連れてきます。」
アルナとノアオはヒストリスに手を振り甘やを後にする。
「さて、どうしようか?」
アルナが正面にたってこちらを振り向きノアオに声を掛けてくる。
「そうっすね、特には決めてないんですけど…」
「あれっ?ノアオじゃないか?そちらの綺麗なお嬢さんとデートかな?」
何をしようか考えていると横からよく知った声が聞こえてきた。
「アイスさん、今日はテスタといつもの勝負って話じゃなかったんですか?」
街に何故かいるアイスに疑問をとなえるノアオ。
「あぁ、テスタ君が急に用事が出来たとかで何もすることがなくなって街をブラブラしようかと思っていたんだよ。で、そちらの方は?」
アイスはテスタにドタキャンされて何となく街に出てきたようだった。
「こちらはアルナさんです。弟も通っている魔法学院の生徒さんで今年の優秀生の1人としてすごい人なんです。色々あって弟含めた3人でよく絡むことがあったんですけど今日は弟が友達と遊ぶってことでアルナさんと何しようって話してたところです。」
なるべく丁寧にアルナの紹介をするノアオ。
「アルナです、紹介に預かりました通り魔法学院の生徒で普段はノアオ君の弟さんと3人で色々させてもらったりしてます。」
ぺこりとお辞儀をして軽く自己紹介をするアルナ。
「アルナさん、こちらはアイスさんです。騎士学院の生徒で普段はテスタっていう男子生徒とよく3人でつるんでるですけど今日はたまたまみたいですね。」
アルナに向かってアイスの紹介をするノアオ。
「アイスだ、よろしく。君とは仲良くなれそうだ。」
「私もそう思います。」
アイスが手を差し出しアルナはそれに応え握手をする。
「(ねぇ、貴方の実力は知ってる人なの?)」
「(いいえ、一応学院では隠してるのでバレてないです。)」
アルナはノアオの実力が周知されてるのか小声で確認するがノアオは知られていないと答える。
「今握手しただけでも普段からよく剣を振っているって言うのがよく分かります。アイスさんはとても強い人なんですね。」
アルナは素直にアイスを褒める。
「そうでも無いさ、ここにはいないテスタと言う生徒には負けているしそれに…まあ、私なんてまだまだという事だ。」
アイスは今いないテスタとそばにいるノアオをじっと見つめ自分の実力を否定する。
「それはそうとアイスさんも特にすることないのでしたら一緒に街を見て回りませんか?」
アルナは一緒に回ることを提案する。
「いいのか?2人でまわっていたのでは?」
アイスは向こうからの提案に疑問に思う。
「大丈夫です、今から何するかも決めてなかったので是非一緒にまわりましょう。」
アルナは笑顔をアイスをむかえる。
「それではお言葉に甘えて。」
アイスは提案に乗って同行することになった。