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最強の兄弟  作者: 優木貴宏
学院試験編
12/571

実力差

「一体、何が…」

ランドとナイアはそばでその様子を見ていながら何が起こったのか把握出来ていないようだった。


「私は…?」

吹き飛ばされたキール自身も何が起こったかわかっていないようだったがすぐに体を起き上がらせようとしていた。

しかしダメージが思った以上にあるのか、体が言うことを効かないようで起き上がってくるのに時間をかけていた。


「キールさん、やっぱり強いな。そこら辺のやつなら今ので半日くらいは起き上がって来られない一撃なんですけどね。」

そう言いながら今の一撃を反復するかのように素振りをしながらノアオがキールに声をかける。


やっとの思いで起き上がったキールは一緒に飛ばされていた折れた木剣を手にする。

「まだだ、まだ終わっていない。」

荒い息遣いをしながらノアオに相手に構え直す。


「ちょっ、ちょっと待ってください。そんな折れた木剣とその体ではもう勝負するのは無理です。」

あまりの衝撃に一瞬意識が持っていかれたカルナは焦ったようにキールに声をかける。


「無理は承知です、それでもこのままで負けを素直に認める訳にはいきません!」

かなり無理をしながら自分に言い聞かせるようにキールが吠える。


そんなキールを見てにやりと笑ったノアオは近くの木剣を手に取りキール相手に投げ渡す。

「このままじゃ終われねえっすよね、今度はキールさんの攻撃見せてくれよ。」

そう言ってノアオは真っ直ぐにキールに向き直しいつでも打ち込んで来いと言わんばかりの雰囲気を漂わせた。


痛む体で無理をしながら真剣に右から左から上から下から多種多様な攻撃とフェイントを織り交ぜながら木剣を打ち込んで行くキールだが、そのどれもを余裕を見せながら全て木剣で受けていくノアオ。

その様子を見ている誰もが速さ、力、剣技どれをとってもノアオの方が圧倒的に上だと理解していた。


ノアオはいくつかの攻撃を木剣で受けたあとキールの上からの打ち込みに対して弾き返し、隙だらけの胴に向けて瞬速の一撃を叩き込んだ。

その一撃にまたもや弾き飛ばされたキールは意識こそあれど1人でまともに立てる力は残されていなかった。


「キールさん、試合ありがとうございました。」

ノアオは倒れたキールに手を差し伸べながら声をかける。

キールはその手を取り何とか立ち上がりながら複雑な表情をしていた。

しかし貴族としての矜持かそれとも本人の性格なのか分からないがすぐに笑顔になり

「僕の完敗だ」

とノアオ強さを認める反応を見せた。


「勝負あり、勝者ノアオ!」

ハッキリとカルナが勝者の名を告げた。


「まさか、ここまで圧倒的とは…」

見学席から見ていたフリッツはレベルの差に驚きを隠せない表情を見せていた。


「ふむ、なかなか面白いね。エリッツ君我々も下へ行こうか。」

そう声を掛けアルスターは見学席から立ち去ろうとする。

その後をエリッツは追いかける形となり1人残されたクロノは笑顔で兄の勇姿を眺めていた。

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