魔法学院 研究会
学院の寮に戻ったクロノは自分の部屋を確認する。
学院の寮は2人で1部屋ということでクロノが入室した際に既にもう1人の学生が荷物を出しているところだった。
「あ、君がこの部屋のもう1人の人かな?」
優しそうに笑顔を向けて金髪の穏やかな雰囲気を出している生徒が声をかけてきた。
「はい、僕はクロノと言います。よろしくお願いします。」
クロノはその生徒に向かって丁寧にお辞儀をする。
「よろしく、僕はパラだ。長い付き合いになるわけだし仲良くしよう。」
パラと名乗る生徒は握手をしようと手を差し出す。
その手を優しく握り返すクロノ。
いい人がペアということでお互いに安心しているのが見て取れた。
「僕はAクラスだけど君はSクラスの生徒だよね。数少ないSクラスだからすぐにわかったよ。何か困ったことがあったら教えてもらおうかな。」
すぐに冗談だとわかる会話で和ませてくるパラ。
「僕で教えられることがあればいくらでも。」
クロノも優しく冗談を返す。
その日は仲良くお互いの話を聞き合いより仲良くなった2人だった。
それから数日がたち魔法学院で平穏に授業を受け学ぶクロノの姿があった。
学院内の部屋や先生、生徒の顔をだいたい覚え始めた頃に突然の出会いがあった。
「久しぶりだな。」
どこかで見たことのある顔の上級生がクロノに声をかけてくる。
「えっと、確か試験の時にお会いした...ストロさんでしたっけ?」
クロノは自分の記憶を辿りその顔を思い出す。
「まさか本当に覚えられているとは思わなかったよ。あの一瞬しかあっていないのにすごい記憶力だね。」
ストロは覚えられていたことに関して驚く。
「何となく印象が強かったので記憶にたまたま残っていただけです。」
自分の記憶があっていたことにほっと安心するクロノ。
「そうか、やっぱり君に会いに来たのは間違いでは無いようだね。こうして会いに来た理由は君を我が研究会に招待しようと思っていてね。」
わざわざクロノに会いに来た理由を告げるストロ。
クロノには聞き覚えはないがどうやら研究会というものに勧めるために来たようだった。
「私の所属する研究会は魔法薬学研究会だ。その名の通り薬草などをメインに研究している所で今日の魔法薬の発展に貢献している由緒ある研究会だ。興味あるかな?」
自信満々に自分の研究会について紹介するストロ。
「なかなか面白そうな研究会ですね。是非1度見学してみたいです。」
聞いているだけでなかなか楽しそうな研究会と言うことで乗り気なクロノ。
「ちょっとまった。」
そんな2人に待ったをかける声がかかる。




