騎士学院 身の振り方
「こう見えても私は剣の腕には自信があるのだ。ノアオ君、君がどれくらい強いのかは知らないが全力で勝ちにいかせて貰うぞ。」
アイスは修練場に移動の間意気揚々としてノアオとテスタに話しかけてくる。
「僕もそう簡単に負けるつもりはありませんから。」
ノアオはこの後の戦い方をどうしようか悩みながら答える。
「そんなに不安にならなくても大丈夫だって、まだまだ若いんだし負けたって気にすることないから。」
ノアオのその姿を見たテスタは勝負に負けることに不安になっていると思い元気付ける言葉をかけてくる。
「うむ、友情とは素晴らしきことかな。」
はっはっはっと笑いながら先へ進むアイス。
修練場へ着くと周りには特に人がいなかった。
今の時間は授業中のため誰も居なくても不思議ではなかった。
「おや、君たちは1年生みたいだね。」
修練場の影から声が聞こえて来たと思ったら誰かいたようだった。
「私はここの先生の1人であるヒューバートだよ。せっかく修練場に来たってことは勝負するんだろうから見ていっても構わないかな?」
「ふむ、私は構わないよ。ノアオ君はどうかな?」
「僕も構いません。」
ノアオはよく知った人が現れた事に驚きながらも観戦をしたいと言う事に対してアイスが問題ないと答えたので断る必要ないと思い承諾する。
「自己紹介がありませんでしたね。僕はノアオと言います。こちらは今から戦って貰う相手のアイスさん。もう1人は観戦してもらうテスタさんです。」
ヒューバートに対して初めてあったかのように自己紹介をするノアオにアイスとテスタも一緒に礼をする。
「3人ともこの学院に入ったばかりで色々分からないこともあるだろうからいつでも頼ってくれて構わないからね。」
ヒューバートは3人に優しく声をかけ観戦席へと移動する。
「2人共頑張れ。」
ヒューバートの後を追ってテスタが観戦席に移動する前に2人に声をかける。
「それでは始めようか?この修練場での戦いは実際にダメージを受けるわけではないから勝敗はどちらかが致命傷を負うまでということでいいかな。」
アイスが修練場の機械を手慣れているかのように設定していく。
ノアオは特に返事することなくアイスが機械を触っている様子を眺めていた。
この後の戦い方を決めたようで頭の中でイメージトレーニングをしていた。
「よし、設定できたよ。それでは早速始めようじゃないか。お互い悔いのないように全力でやり合おう。」
準備ができたようで剣を構えノアオの準備が整うのを待つアイス。
「はい、よろしくお願いします。」
ノアオもその様子に合わせ準備万端といった様子で剣を構えた。