そこで終わって、ここから始まる
ここは…
気がつくと全く知らない世界にいた。
真っ白い世界が広がっており、まるで夢の中にいるかのようだった。
「ようこそ、異世界へ」
いつの間にか目の前に現れていたとても綺麗な人がそう告げる。
「ここは貴方が元々いた世界とは別の所謂、異世界と呼ばれるものです」
こちらが返事をする前に次の言葉を目の前の美人が告げる。
ここからはその美人(この世界の神らしい)が教えてくれたことだが、私は元の世界で強盗に襲われナイフで刺された箇所が悪くそのまま亡くなったらしい。
死んでしまったことは悲しいけどもう仕方ないことだと割り切ろう。
ただ、なぜ私が異世界に行くことになったのかと言う質問をしたところ神は無言で笑顔を向けるだけだった。
何かしらの思惑があるのかもしれないけれど深くは聞かない方が良さそうなので異世界について確認した。
その世界はよくある魔法が使えるファンタジーの世界らしい。
この世界でなにかしなければいけないということでもなく自由に過ごして欲しいとの事だった。
明らかになにかを隠しながら神は答えてくれた。
「こういう時はよくチートと呼ばれる能力を与えることが多いらしいけれど、私から与えられるのはこれだけです」
そう言うと神は手をこちらにかざし、なにかの力を俺の体に入れた。
「これは一体なんの力なんですか?」
そう問いかける私に神は端的に答えた。
「なんにでもすごく耐えやすくなる力です、言い換えるとすごい忍耐力です」
すごいんだか、すごくないんだかよく分からない力を与えられ異世界への転生する時が訪れた。
「貴方は貴方の思う通りに自由に生きてくださいね」
最後に笑顔を向けながら神はそう告げて私を異世界へ転生させた。
勿論この時の私はこの異世界転生になんの意味があるのかわかるはずもなかった。あの神が隠していた真実でさえも。