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出張!この手紙をあの人に!!

テレッテテッテッテー、アイリーンが仲間になった。


某ゲームのBGМが聞こえたような気がしたが気にしない。結論から言うとゴンヌさん最初から姫様を働くことを反対していたわけではなく


ナフィベルタ国王、つまりアイリーンのお父さんが公務で出かけていて今朝方戻られて返事を聞いて今日ここに来たらしい。


カレーを食べたからOKと食い意地をはったわけではなかった。てかゴンヌさんも言葉足らずなんだよな。説明してくれたらこんなことには…


チラッとゴンヌさんは見ると不敵ににっこりと微笑んできた。まさか、言葉足らずの説明も技とだというのか!?なんて恐ろしいメイドだ。


ちなみに住み込みは許可が下りず、ゴンヌさんの送迎付きで通うことに決まった。アイリーンは不満タラタラだったが、なんとか説得した。


こうしてウチの店で働けることになった姫様は鼻歌交じりにテーブルを拭いている。あれ?そもそもウチで働くことをそもそも俺が許可した気がしないんだけどなぁ。


でも上機嫌で掃除をしている姫様をみると俺は何も言えなくなってしまった。こうなった以上早めにお店を開かないとな。と考えていると


ガランコロンカランと扉に付けた鈴が鳴り、物理的にお店の扉が開いた。



「ごめんください、こちらにペンさんはいらっしゃいますかな?」



店に入ってきたのは気品のいい高齢の男性が立っていた。アイリーンのような貴族って感じではないが育ちの良さが伝わってくるようなご老人だ。



「はい、ペンは私ですが…。失礼ですがあなたは?」



「これは失礼いたしました、私の名前はグラッセ・モレット。グラッセ・ノーランの祖父になります。」



ノーランさんの祖父!?そういわれてみたら微妙に面影があるような…。


俺はモレットさんを席に案内し、経緯を教えてもらった。モレットさんはノーランさんと一緒にナフィベルタに住んでいて、グラッセ商会の会長さんなんだとか。


グラッセ商会はナフィベルタでトップに君臨する商会らしく、国王とも面識があるらしい。そのせいかお茶を出したアイリーンをみて驚かれていたが。


余談だがアイリーンはゴンヌさんがいつも着ているメイド服を着て働いている。うん、とても可愛い。


話を戻すと、モレットさんは隣国のソゼ大公国に恩人がいてお礼を言いたいが言葉の壁にぶつかりどうしようもないまま月日が流れていき、


ほぼ諦めていたところノーランさんから俺の話を聞き、手紙を届けて通訳してくれないかとの依頼内容だった。


確かに俺は姿は獣人だからソゼ大公国にも入れるしね、隣国には行ってみたいと思ってたし、それに俺はモレットさんの役に立ちたい!



「わかりました!その依頼お引き受け致します。明日にでもソゼ大公国に向かいたいと思います。」



俺はモレットさんから手紙を預かると、地図を広げてソゼ大公国への道のりや距離を確認した。片道1時間程度で着くらしい。


以前も思ったがナフィベルタとソゼ大公国のちょうど中間くらいにウチはあるんだと実感した。


俺は11時頃出発することを決めて、アイリーンに明日はお休みすることを告げた。


そして次の日の11時。店の前には動きやすい恰好をした姫様といつものメイド服を着たゴンヌさんがいた。



「えーっと、アイリーン?俺言ったよね?明日は休みだって。」



「お店は休みだけど、依頼はあるでしょ?だから私も行ってお手伝いするの!」



そうだった、この姫様は行動力は凄いってことを忘れてしまっていた。背後には私も同行しますってゴンヌさんも諦めの表情で立ってるし。


置いていこうとすれば間違いなく着いてくるだろうし、一緒に行った方が安全だろう。ということでペン、アイリーン、ゴンヌの3人でソゼ大公国に向けて出発した。


初めてのソゼ大公国にドキドキしていたが道のりはほぼ一本道で自然が豊かな感じだった。休憩もはさみながらもう少しでソゼ大公国に到着というところで


足を引きずって歩いている獣人に出会った。



「大丈夫ですか?」



俺が駆け寄るとその子は狼少女の獣人でかっこよさが際立つイメージだった。


どうやらソゼ大公国に帰る際に足をくじいてしまい、なんとかここまで来たが動けなくなってしまったとのこと。


俺はカバンから包帯と痛み止め薬を取り出してその子に処置をしたところ、薬が効いたのかすぐに歩くことができるようになった。


いつから俺は医者になったのだろうか、いや気のせいだ。


目的地は一緒なので俺たちは一緒にソゼ大公国に行くことになり、いろいろ語り合った。まぁ言葉が通じるのが俺だけなので通訳しながらだが。


彼女の名前は黒狼の獣人のネルといい、彼女も気品がよく、姿勢もいい。口数はとても少ないが。どこか騎士団とかに所属しているのかな?


いろいろ話しているとソゼ大公国の入口についたようで門番の人たちがいた。



「じゃあ、俺とネルさんで行ってくるから二人はここで待ってて。」



獣人の国に人族は入れないためここで待機してもらう旨を伝えると、



「大丈夫、二人、来る。」



クールな口数少ないのは相変わらずだが、あれ?ネルさんが門番の人のところに近づいていくと門番の獣人が頭を下げながら



「ネルお嬢様!おかえりなさいませ!!!」



まさかネルさんがソゼ大公国の王女様だと知るのはもう少し後の話である。


いつもありがとうございます。

次回は6月26日を予定していますので

よろしくお願いします。

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