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ルベルスカイ!え?私はだれ!?



目を開くとそこは青空だった。


しかも今回はしっかりと目を開くという行為ができる。実体があるのだ。


どうやら俺は地面に横になっているようだ。状況を確認するためにゆっくりと身体を起こす。


身体に違和感を感じながら周りを見渡すと、目の前には大きな湖が広がっていた。


あまりの大きさに言葉を失ってしまうほどに。ゆっくり立ち上がると、湖に近づき大きく伸びをして更に周りを見渡す。


湖の反対側は森のような感じで壮大に木々が生い茂っている。その前には土で作られたであろう歩道が広がっていた。


まさに異世界って感じで、間違いなく日本ではない。


そして俺は、先ほどから感じている違和感、現実逃避してしまいたいことを湖に映る自分の姿をみて実感する。




「なんでぇペンギンなんじゃぁぁぁぁぁ!!」




湖に映る自分の姿、そうどこからどうみてもペンギンなのだ。どういうことだ?なんかのバグなのか…。


その事実はすぐに判明する。腰に巻いてあったポーチの中に電子手帳があり、そこにタグでテトSPと書かれたところをみると




≪サービス①姿を可愛いペンギンにしてあげたのじゃ≫




いやいやいやいや!いらないから!!なんで異世界に来てペンギンで人生を謳歌しないといけないのか。


ありがたいことに地面に字が書けたり、言葉も話せる(自問自答だけど)、作業系もできるから完全にペンギンではないみたいだけど


なんだろ、ここはもしかしたら動物の国なのか?と思っていたところに、遠くから声が聞こえてきたのでそっとそちらの方に行ってみることにした。







残念ながらここは動物の国ではなかった。なぜなら今目の前で騒いでるのはどう見ても人間だからだ。こっそり隠れながら様子を伺っていると


なんとなく状況が分かった。


どうやら荷馬車の馬が言うことを聞かずに、来た道を戻ろうとしてるらしい。男性は困り果てていた。


なので、悩んだがここで会ったのも何かの縁ってことで話しかけた。異世界初の会話だ、緊張するなぁ。




「あのぉ、すみません。」




男性に話しかけると、まるで化け物をみたかのように驚いていた。まぁペンギンが喋ってるんだ、仕方ないよな。




「荷物を落としてますよ」




荷馬車の後ろを指差して教えると、男性は荷馬車の後ろを見た。すると荷馬車の後ろに何かが落ちていた。


男性は荷馬車の後ろに駆け寄ると、どうやら男性の商品の荷物のようだ。




「おぉ、ありがとうございます!一つでも無くしたら困っちゃうんですよ。」




「お礼なら、この子に言ってください。」




俺は目線を、荷馬車の馬に向けた。そう、俺はこの馬がなんて言っているのかわかる。荷物を落としたよってずっと男性に伝えてた。


だから俺はそれを男性に教えてあげた。


「ヒヒーン(伝えてくれてありがとう。」


俺は行く当てがないので男性の荷馬車に乗せてもらい、この世界について教えてもらった。




男性の名前はグラッセ・ノーラン。


今向かっているナフィベルタっていう都市の住人で商人さん。


この大陸「ルベルスカイ」には四つの都市があり、それぞれ人族・獣人族・魔族・小人族が暮らしているとのこと。


ナフィベルタはその中の人族が暮らしている都市とのこと。その他にもいろいろなことを教えてくれた。


お金のこととか経済のこととか、まぁ基本ナフィベルタ情報だけだけど。他国との交流は現在はほぼないらしい。


ちなみに俺のことは濁す感じで答えている。名前を聞かれとっさにペンって名乗った。なんて安直なのだろう。


20分ほど道中を歩いているとナフィベルタが近づいてきた。入口が近づいてくると商店が並んでいたり子どもが遊んでいたり


活気はとてもいいみたい。雰囲気で伝わってくる、いい街なのだろう。


ノーランに着いて街の中に入ろうと門を潜ろうとしたときに門番らしき人に声をかけられた。




「申し訳ありません。ここからは獣人の方は出入りできません。お引き取りをお願いします。」




どうやらここから先は人族と家畜・ペットの生き物しか入ることができないそうだ。ノーランはうっかり忘れていたようだ。


そこはしっかり覚えていてほしかった。歩き損…。


するとノーランが申し訳なさそうに俺に話しかけてきた。




「ペンさん、すみません。あ、そうだ!さっき出会った場所の近くにちょっとした小屋があるんですよ!行く場所がないならそこに住んだらどうですか?」




「ありがたいけど、勝手にそんなことするわけにはいかないんじゃ」




「いや、問題ないと思うぞ?」




俺とノーランの会話に先ほどの門番が割って入ってきた。




「あそこはずいぶん前からだれも住んでなく処分に困ってるって聞いたことがある。もし住むなら私の方から王に報告しておこう。」




俺はその申し出をありがたく受け、王への報告も重ねてお願いした。


ノーランとも別れ、俺は来た道を戻っていった。すると少し古風だがまぁまぁ大きめの木造の建物がそこにはあった。


中に入るとカウンターのようなものがあり、テーブルと椅子も複数置いておけるほどの広さだ、昔ここは喫茶店とかBarとかだったのかもしれない。


その時にポーチの中の電子手帳が光ってテトSPに新しい文字が追加されていた。






≪サービス②住む場所と仕事場を提供するのじゃ≫






読んでいただきありがとうございます。

次話は5月22日を予定していますので、よろしくお願いします。

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