平均少年はいつしか最強に
父さん そういうことだったんだね…
魔法界-
それは魔法を使い、誰もがその力を持ち、あるものは日々努力し
あるものは研究を重ね、人々が魔法を駆使して生活している世界である。
そんな世界にとある少年がいた……
攻撃魔法に優れた国、ピュース王国の辺境地、ガネト村に住む少年 シンバ マハト_
齢15歳になった少年はこれから王国の魔法学校へ入学する予定である。
そしてその幼馴染、リン カリウも同じく魔法学校への入学を予定している。
(行ってきます。父さん、母さん)
マハトは父の形見であるペンダントに向け挨拶をすると朝食を済ませ後片付けをする母に挨拶をして元気よく出発した。
(おーい!マハトー!)
後ろからうるさいくらい大きな声で挨拶をしてきたのは幼馴染のリン。
(朝から元気だね。何かいいことでもあったの?)
そういうとリンは
(当たり前だよー!なんてったって今日は入学式だよ?これで魔法も磨けるし私の夢に近づける気がするんだー!)
リンはそういってとても眩しい笑顔を向けてくる。
リンは魔法兵団に入り、王国を救う英雄になりたいみたいだ。
(なれるよ、リンならきっと…。)
僕はそういってまた歩き始めた。
リンは小さい頃から魔力量が多く、自分の固有魔術を複数持つ
辺境地での出身なのに王国内では話題になっていた。
対する僕は魔力量が平均値、固有魔術は発動条件が特殊で一度しか発動することができなかったリスクの高い魔法が一つ
それ以外はただの平凡という冴えない人間だ
魔法学校に入るのも、色々な魔術を会得してそれを日常生活で
活かして母さんを楽させてあげようと考えたからだ。
リンのように国を守る立派な夢とは大違いだ。
するとリンは突然言い出した
(マハトもさ、魔法兵団に入ろうよ!)
突然の誘いに戸惑った僕は
(む、無理だよ!僕はそんな格好いいことはできないそれに、リンみたいに強い魔力も魔術も使えないし…)
(関係ないよ!気持ちと気合があれば大丈夫!それに、マハトとコンビを組めば最強だと思うんだけどなー!)
そんなことを言われ、少し考えてしまう。
考えてみても、自分が魔法兵団で国を守ってるところは想像できない。
そして僕は言った
(僕が魔法学校でいっぱい魔法を覚えて強くなれたら君の隣に行くよ)と。
リンは笑顔で言った
(待ってるからね!早くこっちにきてよ!!)
そして魔法学校についたとき魔法適正、魔力量を測り、それによってクラス分けが行われる
(次、リン カリウ 水晶に手を当てて魔力を流し込んで )
(はい!)
すると教員達は驚いた。
(すごい!この魔力は規格外だ…)
(こんな性質の魔力見たことがない…!)
(これは今年の学生達もうかうかしてられませんな…!)
リンは
(どうマハト!これが今の私の力だよ!)
僕は唖然としていて何も話せなかった…
(次、シンバ マハト)
(はい)
(全て平均クラスだね、ん?)
(どうかしましたか?)
(いや何もない気にしないでくれたまえ)
何かあったのかと不安もあったが何もなく進んだ
(クラス分けどうなるかなー!一緒のクラスになれるかなー!?)
リンは大はしゃぎだが
(絶対ないよ、僕の魔力量じゃ、リンに叶わないって。)
すると名簿が一斉にでた。
クラスは3つ
SクラスとAクラスとBクラスだ
Sクラスは純粋な強さ、魔力量が一番高いメンバーで構成される
リンは当然Sクラスだった…
Aクラスは貴族ならどんな人間でも入ることができる。
一般の生徒からは入ることはできない。
一般の生徒が這い上がるにはSクラスに上がるしかないのだ。
当然僕はBクラス。
(当然だよな…。)
平均なのになぜか少し期待してしまっていたせいで
少し落ち込んだ。