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魔法少女☆スノー・プリンセス  作者: タイロン
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1話 そつえんしき!


 「とうとう、おわかれのときがきました。きょうであたしたちは『いちおーしようちえん』をそつえんします。これまで、かけっこをがんばったうんどうかい、ちょっぴりふあんだったけどカレーがおいしかったおとまりかい、プラネタリウムをみたえんそく、おもいでがいっぱいできました。みんな、きょうまでいっぱいあそんでくれてありがとうございました。おとうさん、おかあさん、まいにち、おべんとうつくってくれたりじてんしゃでおくりむかえしてくれて、ありがとうございました。せんせいたち、いろんなことをたくさんおしえてくれて、ありがとうございました。4がつから、あたしたちはりっぱで”そんけー”されるしょうがく1ねんせいになって、ゆめにむかってがんばります。いままで、ほんとうにありがとうございました!さいごに、おわかれのうたを、みんなでうたいます!どうぞ、おききください!」


 緊張したけれど、練習した通りにお別れの言葉を言えました。勉強した言葉もちゃんと言えました。それから、みんなでいっぱい練習した歌を歌いました。実は途中でちょっと間違っちゃったけど、パパもママも、ばあちゃんも、みんな泣いてて気付いてないみたい。・・・あれ、なんかあたしも泣いちゃいそう。

 今日で年少さんのときから3年間過ごした一央市幼稚園の先生たちやお友達ともお別れです。寂しいけど、あたしは小学校ではもっともっとがんばります。


          ○


 卒園式が終わったけれど、パパもママもばあちゃんも、先生とかほかのお友達のお父さんお母さんたちお話しています。でも、おかげでもう少しみんなとお話していられるから嬉しいかも。


 「ねーねーゆきちゃん」


 「なーに?」


 「しょうがっこうってどこ?」


 「えっとね、『いちおーしきたしょうがっこう』!みおちゃんは?」


 「えっと・・・なまえわすれちゃった!おかあさんにきいてくる!」


 「うん!」


 みおちゃんは、あたしの一番の仲良しさんです。みおちゃんはお母さんに小学校の名前を聞いて戻って来ました。『いちおーしみなみしょうがっこう』っていうところに行くそうです。名前が似てるのに、違う学校みたいです。すごく寂しいです。でも、これからもお手紙を交換する約束をしました。だから寂しくないです。


 「ゆきちゃん、こんにちは」


 「あ、としなりくんのおとうさんおかあさん、こんにちは。って、としなりくんも!?はわわっ」


 このお友達は、みしろとしなり君って言います。としなりくんはすごいんです。まだ年長さんなのに、小学生のお兄さんと同じくらいの魔力を持っていて、魔法が得意なかっこいいお友達です。あたしもあんな風に魔法が使えるようになりたいな。としなりくんが手を振ってくれて、ちょっと恥ずかしかったけどあたしも手を振りました。

 あたしのパパとママは、としなり君のお父さんとお仕事で仲良しらしいです。だから多分、としなり君のお父さんもすごい魔法士なんだと思います。なんかこう、すごそうなフインキ(?)がある気がします。


 としなり君も、みおちゃんと同じ小学校に行っちゃうみたいです。残念だけど、だったら今度また会うときまでにとしなり君に負けないくらい魔法が上手になってビックリさせてあげようと思いました。そう言うと、なぜかとしなり君のお父さんが変な顔で笑ってあたしの頭を撫でてくれました。


          ○


 幼稚園から帰るのに、車に乗るのは久し振りです。今日は、お祝いのためにお外でお昼ご飯を食べて帰ります。ゴンゾーは寂しがってるかもしれないけど、今日は特別だから我慢しててね。


 「あたしね、もう1ねんせいになるからいろんなのいっぱいたべられるんだよ」


 「そうねぇ、じゃあユキちゃんが大好きなスパゲッティ食べに行こうか」


 ばあちゃんはなんでも知っているスゴいおばあちゃんです。あたしがどこに行きたいか言う前にお店を当ててしまいます。パパが笑っていました。

 レストランについたら、お店の中で人がいっぱい並んでいました。


 「まぁ卒業式とか色んな学校の被ってるもんな。ユキ、お利口さんで待てるか?」


 「ぜんぜんだいじょうぶだもん。あたしもうしょうがくせいになるんだよ?」


 「ごめんごめん。そっか、じゃあ大丈夫だな。よーし、じゃあ先にメニューだけ決めとこうな」


 パパがそう言ってメニューを持ってきてくれました。でも、まだ食べられないのにお料理の写真だけ見せられるとお腹が空いちゃうから、ちょっとやめてほしいです。パパがニヤニヤしてる。たぶんわざとあたしを困らせて楽しんでいるに違いありません。でも、もうおとなになるからあたしは負けません。


          ○


 スパゲッティが超おいしかったです。しかも、頑張っていつもよりたくさん食べられました。

 あたしたちは、今からおもちゃ屋さんに行きます。


 「ユキはなにが欲しい?」


 「えっとねー、スター・プリンセスのへんしんステッキ!」


 「よーし、じゃあそれを買いに行こーう」


 「やったー!!」


 いつもはお誕生日とひな祭りのときくらいしかおもちゃは買ってもらえないから、今日は本当に特別です。


          ○


 「ゴンゾー、ただいまー!」


 「ばうっ」


 おうちに帰ると、イヌのゴンゾーが猛ダッシュであたしに飛び込んできました。ゴンゾーはあたしよりもずっと前からおうちにいる、おじいちゃんイヌです。


 「見て見てゴンゾー、じゃーん!いいでしょ!」


 「ばう?」


 ゴンゾーに、買ってもらったスター・プリンセスの変身ステッキを見せてあげました。

 ボタンを押すと、光ってアニメと同じ音が鳴るのです。チュキーン、シャワワワワー!!


 「ゴンゾーくらえっ、スターライト・スプラーッシュ!」


 「・・・?・・・!ば、ばうわぁぁぁぁぁ・・・ばうっ」


 「やったー、ゴンゾーをやっつけたぞー!」


 「いやいや厳三は悪者じゃないでしょ・・・?ほらほら、玄関で遊んでないで早く上がっちゃいなさい」


 「はーい」


 ママが苦笑いしていました。確かにゴンゾーは悪者じゃないです。むしろすごく良い子です。ゴンゾーにごめんねを言いました。ゴンゾーはのんびり起き上がって、あたしのほっぺたをぺろぺろしてから、ばあちゃんの方に行っちゃいました。


 「代わりにパパをやっつけたら良いからね~」


 「うん、そうする!」


 「えっ?パパも悪者じゃないんですけd」


 「くらえー」


 「どわーッ!?」


 ママが言う通り、パパに遊んでもらうことにしました。なぜかパパのやられたふりは迫真の演技です。お遊戯会でやった劇の悪い魔法使い役もパパだったらもっと面白かったかもしれないのに、と思いました。

 

 「ユキ、遊ぶのも良いけど、夜ご飯の前にパパと先にお風呂に入っちゃおうか」


 「そうするー!」


          ○


 いっぱい遊んでいたら、もう夜の9時になってしまいました。今日も、もう寝る時間です。もう小学生になるからもう少し起きていられると思うのですが、ママが夜更かしすると肌がガサガサになっちゃうって言っていたので、それは嫌だからママの言う通り早寝は続けようと思いました。・・・あれ?こういうときって普通、大きくなれないよって教えられるものなんじゃないのかな・・・?

 ばあちゃんは、今日もまだお部屋でお裁縫をしています。そういえば、夜更かししてるから、ばあちゃんはしわしわなのかな?

 歯磨きをして、トイレも行って、それからパパとママに挟まれて、あたしはお布団に入りました。ステッキを持って寝ようとしたけれど、硬いから危ないってパパに言われたので、仕方ないから枕の上に置きました。良い夢見られるかな?


 「はぁ~・・・この春でユキも小学生になるんだなぁ・・・早いなぁ、本当に」


 「そうね。この前まであんなに小っちゃかったのに」


 「こうして川の字で寝られるのもいつまでかな」


 「”かわのじ”ってなに?」


 「ママとパパの真ん中でユキが寝ることだよ?小学生になったらお勉強する漢字の『川』、お水が流れてる川の文字と似てるから『川の字』って言うのよ」


 「へー、そうなんだー。大丈夫だよパパ、あたしはこれからもずっと”かわのじ”で寝てあげる!」


 「ゆ、ユキぃぃ・・・お前は本当に最高の娘だよぉぉ・・・」


 なぜかパパが泣きながらほっぺたをスリスリしてきました。そんなに嬉しかったのかな?別にいつも通りのことなのに。


 「パパ、ママ。あのねあのね」


 「うん?」


 「あたしね、1ねんせいになったらね」


 「うん」


 「パパとママみたいな、りっぱな『まほーし』になれるようにさ」


 「うん」


 「いっぱいべんきょうして」


 「うん」

  

 「たくさんうんどうして」


 「うん」


 「いまよりももっとがんばってね、おともだちにね?」


 「うん」


 「”そんけー”されるようになる!」


 「うんうん・・・・・・うん!?お友達に尊敬はちょ~っと変かな~・・・?」

初投稿です(大嘘)


私の他の作品から来て頂いた方はこんにちは、初めましての方は初めまして!ここまで読んで頂きありがとうございました。タイロンと申します。どうぞよろしくお願いします!


ほのぼのしていくよんよん。

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