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裏ボス始めました~転生したら化け物だったので、異世界人を使って勇者と魔王を育てる育成ゲームを始めます~  作者: まんじ(榊与一)
第5章 裏切り者には罰を

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第1話 遭遇

4体の魔獣が左右から同時に襲い掛かって来る。

俺は手にした剣に闘気を籠め、極限まで集中してそれを迎え撃った。


「四神連斬!」


剣が4つの軌跡を描き、襲い来る魔獣達を同時に切り捨てた。

これは俺の切り札。

本来は瞬間的な集中攻撃をする技だが、斬撃の軌道を散らす事で、複数の敵を一気に切り伏せる事も出来る便利な技技だ。


更に魔獣が襲い掛かって来る。

切っても切っても、際限なくお代わりが姿を現す。

もう長く戦っているが、さっきから全く敵が途切れない。


魔族との戦いは最終局面を迎えていた。

この黒鳥の平原の勝敗がお互いの全てを決めると言っていい。


魔族側は魔王城の喉元深くまで攻め込まれ、後が無い状態だ。

だが人間側もあと一歩まで追い詰めいるとはいえ、その損耗は激しい。

恐らくこれ以上の戦線継続は不可能だろう。

そのため此処で負ければ、魔族領の大半を放棄して撤退するしかなかった。


炎雷の嵐(ダブルサイクロン)


雷を帯びた炎が辺り一帯の魔獣達を消し炭へと変える。

とんでもない破壊力だ。


「サンキュウ、レーネ」


魔法を放った主。

時の魔女レーネに礼を言っておく。

彼女のお陰で一息付けた。

奴との戦いを考慮して抑え気味とはいえ、間断なく魔獣達の相手をするのは流石に疲れる。


「ふふ、私がいてよかったでしょ?」


「ああ」


かつて仲間を失って以来、俺は一人で戦場を突っ走って来た。

只ひたすら強くなるため。

そして強くなって、いつかあいつを――赤毛の魔獣を倒す為に。


だけど、やはり一人では限界があった。

それが戦争なら猶更だ。

俺一人だったら、奴の元にまで辿りつけても、疲弊しすぎて真面な戦いにならなかったはずだ。


だが今のペースならいける。

サポートしてくれる彼女が傍にいてくれる事が、本当に心強く有難い。


――今日ここで、俺は奴を超える。


「それで?魔王の居場所は分かったのか」


彼女には魔王の居場所を、無理のない範囲で調べて来るよう頼んであった。

奴は魔王の側に居るはずだ。

何故ならあの赤毛の魔獣は、魔王の従魔なのだから。


「西よ……魔王は此処から西に居るわ」


彼女は少し考えた後、魔王の居場所を口にする。

その表情は冴えない。


「西か」


「貴方の言っていた赤い魔獣。あれは化け物よ」


「見たのか?」


「うん、遠くからだけど少し」


レーネの表情が暗いのはどうやらそのせいの様だ。

今の俺では勝てない。

ひょっとしたら、そう思っているのかもしれない。


「俺は……あいつを倒さなくちゃならない」


「分かってる。私も、出来うる限りサポートするわ」


あの魔獣の強さは他とは桁違いだった。

それを召喚した魔王の力も、きっと化け物じみているのだろう。


そんな相手に正面から挑むのだ。

俺が生き残れる確率はかなり低くなる。

それでも俺は――


「レーネ……君が無理に付き合う必要は――」


「私を見くびらないで。自分の身は自分で守って見せる。それに言ったでしょ?最後まで付き合うって」


レーネが優しく笑う。

何時からだろう、この笑顔が愛おしくてしょうがなくなったのは。

俺は……彼女を愛している。


「分かった。一緒に行こう!」


俺に出来る事。

それは何が何でも戦って勝つ事だ。

そして帰るんだ。

彼女と一緒に。


俺は西へと駆けた。

レーネはそんな俺の背中ついて来てくれる。


途中魔獣の群れを蹴散らしながら進む俺の目の前に、突如強大な火柱が昇る。

奴だ。

そう本能的に察知した俺は、真っすぐに其方へと向かった。


「四神連斬!」


立ちふさがる魔獣達を蹴散らし、遂に俺は奴の元に辿り着く。


魔王アウラスとその魔獣――


「見つけたぞ!オメガ・グラン!!」


奴こそが魔王の魔獣にして、俺の倒すべき相手だ。

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異世界転生帰りの勇者、自分がいじめられていた事を思い出す~何で次から次へとこんなにトラブルが起こるんだ?取り敢えず二度と手出ししてこない様に制圧していくけども~ 異世界から帰って来た主人公が、ふざけた奴らを力で無双制圧して行く話になります。 ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~ 異世界召喚されEランク判定の外れ認定された主人公は、実は神様からチート能力を貰った超人だった。ハズレ野郎としてボッチで学園生活を送る主人公が、ムカつく奴らを鉄拳制裁して行く物語になります。
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