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裏ボス始めました~転生したら化け物だったので、異世界人を使って勇者と魔王を育てる育成ゲームを始めます~  作者: まんじ(榊与一)
第4章 戦争させてみた

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第13話 取引(後)

「ちょっと待ってくれ?人間側がいきなり仕掛けてきた?戦争は魔族の宣戦布告があったからだぞ」


どうやら師匠も気づいた様だ。

戦争は魔族の王、ラミアルがブルームーン王を殺害して宣戦布告した事で始まっている。


しかも殺されたのはうちの国の王様だけじゃない。

この戦争に参加している他2国の王も、ラミアルの手によって殺されている。

だからこそ、人類対魔族の全面戦争が再開したのだ


「何を戯言を!条約を無視して攻め込んできておいて!」


魔族の一人が師匠の言葉に激高し、声を荒ぶらせる。

その様子から、嘘を押し通そうとしている様には見えなかった。

どうやらこの魔族は、本気でそう思い込んでいる様だ。


「よしなさい」


「しかし……」


魔族の男――最初に話しかけて来た――に制され、激高していた男が黙り込む。

恐らく彼がリーダーなのだろう。


「人間側が急に攻め込んできた。というのが我々の認識なのですがね。だからこそ我々は対応が遅れ、後手後手になってここまで追い込まれている訳ですし」


確かに……魔族側から仕掛けられたものにしては、魔族の対応はかなりお粗末な物だった。

とても戦争の準備をしていたとは思えないレベルの。


最初は人間の事を舐めきっていただけだと思っていたが、彼らの言葉が真実なら、魔族側の後手後手の動きも納得できるという物だ。


「ふむ……魔族は戦いの種族だ。それが戦争準備をして、宣戦布告までしておいてこの体たらく。確かに俺も可笑しいとは思っていた」


師匠はかつての戦争にも参加していた。

その為、魔族の事は嫌という程よく知っている。


「それに力を信奉する魔族の長である魔王が、人間の王を暗殺をしていくなんて話。正直最初聞いた時は、俺も我が耳を疑った」


「暗殺ですって!ふざけないで!あの子がそんなことする訳無いじゃない!」


魔王による暗殺。

その言葉を聞いて、アムレが一歩前に出る。

その眼には本気の殺意が込められていた。


やる気だ。

俺は剣を強く握り込み、相手を睨み返す。


だがそれを師匠と相手のリーダー。

それぞれが俺達の前に手を出して、それを制した。


「だが国王が殺されたのは事実だ。赤毛の小さな魔獣を引き連れた、女魔族によってな」


「赤毛の小さな魔獣……そんな……」


アムレの表情が驚きに変わる。

どうやら、思い当たる節がある様だった。


「その場に居た選りすぐりの者達も皆、手も足も出ずやられている。そいつの実力が魔王レベルなのは間違いない」


「暗殺は、何時の話ですか?」


魔族のリーダーが険しい表情で尋ねてくる。


「開戦の丁度2週間前だった筈」


「開戦の2週間前……ですか。その日は確か……」


魔族のリーダーがちらりと視線をアムレへと流す。

それを受けて、女は苦し気に口を開いた。


「ラミアルが……丸1日休みを取った日よ……」


たった1日の休み。

その際に暗殺と宣戦布告をする事は……普通に考えれば無理だとは思う。

だが相手は魔王だ。

それ位やってのける力があってもおかしくはない。


「……ふむ。まあその話はここまでにして。本題に戻りましょうか」


本題。

それは戦うか、グヴェルの情報提供をするかだ。

俺個人としては、魔族にグヴェルの情報を渡すのは構わないと思っている。

奴はこの世界全ての敵なのだから。


それに――


グヴェルへの恐怖から逃げ出さなかったこの場の4人は、かなりの腕利きに違いない。

特にリーダーとアムレはの2人は、相当な実力者だと感じる。

そんな相手とテオードを欠いた状態で戦うとなると、かなり辛い戦いになる筈だ。

正直戦いを避けられるというのなら、出来れば今は避けたかった。


「いいだろう。ネッド、グヴェルの話を奴らにしてやってくれ」


師匠も俺と同じ判断の様だ。


「団長!こいつらがそんな約束守る分けないわ!話を聞いた後、襲って来るに決まってるわよ!」


アーリンが師匠の判断に異を唱える。

それは俺も一瞬考えた。

だが――


「国の情報ならともかく、化け物の情報だ。くれてやっても痛くも痒くもないだろう。それで話を聞いて襲って来る様なら、その時は相手になるだけの話だ」


団長の言う通り、襲ってきたらその時は諦めて戦えば良いだけの話だった。

それに話している間にテオードが正気に戻る可能性だってある。

時間稼ぎの意味も込めて、情報提供はしておくべきだろう。


「グヴェルは――」


俺は魔族達に、知りうる全てのグヴェルに関する情報を伝える。

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異世界転生帰りの勇者、自分がいじめられていた事を思い出す~何で次から次へとこんなにトラブルが起こるんだ?取り敢えず二度と手出ししてこない様に制圧していくけども~ 異世界から帰って来た主人公が、ふざけた奴らを力で無双制圧して行く話になります。 ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~ 異世界召喚されEランク判定の外れ認定された主人公は、実は神様からチート能力を貰った超人だった。ハズレ野郎としてボッチで学園生活を送る主人公が、ムカつく奴らを鉄拳制裁して行く物語になります。
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