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裏ボス始めました~転生したら化け物だったので、異世界人を使って勇者と魔王を育てる育成ゲームを始めます~  作者: まんじ(榊与一)
第4章 戦争させてみた

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第2話 再会 (前)

私は上空高くを飛翔する。

真っ直ぐに彼の元へと向かって。


眼下を見ると、戦場が広がっていた。

遥か昔から続く、魔族と人間との長きに渡る戦争。

それは終わる事の無い醜い歴史だ。


転生してから200年、私はそういった物には一切関わらず生きて来た。

興味がない。

というよりは、そんな事に構っている余裕など無かったというのが正しいか。


私はある研究に可能な限り、全ての時間を捧げて来た。

全ては彼と再会する為に……


別に女神の言葉を疑ったわけではない。

だが万一、いや、億が一にも手違いがあったらと考えると怖くて。

私は一心不乱に研究に打ち込んできたのだ。


まあ結局、私の不安は杞憂に終わり、費やした膨大な時間は無駄に終わってしまった訳だけど……


だが気にする程の事でもない。

それは些細な事だ。


だって――


「今日は、私の人生における最良の日だもの!」


テンションが上がり、思わず一人叫んでしまった。

上空高くを飛んでいる為、誰かに聞かれたりしてはいないとは思うが、正直聞かれたってかまわない。


寧ろ聞いて欲しいぐらいだ。

今の私の幸福な気持ちを。


「いた!」


私の視界は彼を捉えた。

戦場を掛ける一人の青年の姿を。

その凛々しい姿は、以前以上と言っていいだろう。


「うーん!カッコいい!! 」


その姿を見て、高揚から胸が高鳴る。

今すぐにでも彼の側に降り立ちたい気分ではあるが、そこはグッと堪えた。

折角の再開なのだ、どうせなら彼のピンチに颯爽と駆けつけて印象強く登場したい。


それに何より、止まらないこの涙を何とかしないと、みっともなくて顔を合わせられない。

服の袖で目元を拭う。

私は大きく深呼吸し、その時が来るのをじっと待った。


じっと…………じっと…………

じっと………………

……………待つ……


……涙はもうとっくに乾いているんですけど?


いやちょっと彼強すぎない?

彼にはチートが与えられてない筈よね?


女神から彼の知らせを聞いた時、チートは与えていないと言われていた。

だが眼下の彼は、魔獣や魔族を危なげもなく倒していく。

数えてはいないが、恐らくもう既に100体以上の魔獣を斬り捨てているはず。


正に鬼神の如き強さだ。


私は更にもう少しだけ様子をみてみる。

だがやはり状況は変わらなかった。

このままだと、何時までたってもドラマチックな出会いを演出できそうにない。


強くてカッコいいのは良いのだが、余り強すぎるのも考え物だ。


辛抱たまらなくなった私は、上空から魔法を放つ。

もうピンチを救ってラブラブ作戦は諦めよう。


放った魔法は私の得意魔法、その名も炎雷の嵐(ダブルサイクロン)

その名の示す通り、炎と雷の嵐を巻き起こす魔法だ。


チート魔力が乗った炎雷の嵐(ダブルサイクロン)は彼の前方の魔獣達を全て薙ぎ払う。

敵を綺麗さっぱり消し飛ばした所で、私は地上に降り立ち彼へと不敵に微笑んだ。


「貴方、なかなかやるじゃない」


「ずっと俺の様子を伺っていたみたいだが、あんた何者だ?」


どうやら、眺めていたのはバレてしまっていた様だ。


私の存在に気づいてくれていた。

それだけで嬉しくなって、口元がだらしなく崩れそうになってしまう。


イカンイカン。


せっかく傷跡のない綺麗な姿で転生したのだ。

馬鹿面を晒して減点されたくはない。

私は口元を引き結び、クールビューティーを演出する。


「初めまして、私はレーネ。魔法使いよ」



こうして私は200年の時を超えて彼と再会する。

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異世界転生帰りの勇者、自分がいじめられていた事を思い出す~何で次から次へとこんなにトラブルが起こるんだ?取り敢えず二度と手出ししてこない様に制圧していくけども~ 異世界から帰って来た主人公が、ふざけた奴らを力で無双制圧して行く話になります。 ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~ 異世界召喚されEランク判定の外れ認定された主人公は、実は神様からチート能力を貰った超人だった。ハズレ野郎としてボッチで学園生活を送る主人公が、ムカつく奴らを鉄拳制裁して行く物語になります。
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