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裏ボス始めました~転生したら化け物だったので、異世界人を使って勇者と魔王を育てる育成ゲームを始めます~  作者: まんじ(榊与一)
第3章 蠢動してみた

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第4話 召喚

「これで後半分程と言った所だな」


オメガの頭から手を放し、終わりを告げる。


「はんふぉん?」


口の周りをべとべとに汚し。

菓子を口いっぱいに頬張ったオメガが、もさもさと口を動かす。


「ああ、残りはまた今度だ」


俺は彼の中に眠っている力を、何度かに分けて段階的に引き出してきている。

今で丁度半分程だ。


「ええー、まだなの?全部引き出してよぉ」


「お前の体は、まだ全ての力を受け入れられる段階じゃあない。もう暫く我慢しろ」


これはまあ、真っ赤な嘘だ。

別に力を全て引き出しても、オメガの体に問題は無い。

半分残しているのには理由があった。


オメガの力の残りの部分には、どういう訳だか強力な封印が施されている。

本気を出せば破るのはそれほど難しくはないのだが、問題はその中にある物だ。


封印を解けば――眠っている物を引き出せば、高確率でオメガは俺の敵に回るだろう。


そうなると厄介だ。

流石に俺が負ける様な事はないだろうが、それでも手ごわい相手になる事には違いない。


それに子飼いの犬に手を噛まれるのも癪だしな。

封印の解放は、慎重に行う事にする。


「そもそも、今の段階で相当な強さだ。あまり強くなりすぎると、敵がいなさ過ぎて詰まらなくなってしまうぞ?」


「うーん、そっか。それもそうだね」


オメガが屈託なく笑う。

年齢を考えると、完全にアホの子にしか見えない言動だ。

まあ中核となる部分を封印されているのだから、それも仕方ないだろう。


「それより。これからお前に魔法を掛けるが構わないか?」


「魔法?」


「ああ、俺への忠誠の証を魔法で刻ませて貰う。嫌なら無理強いはしないが」


「嫌じゃないよ!かけてかけて!」


これからかけるのは魂を縛る、俺の生み出した新魔法。

魂の隷属(ソウルスレイブ)

これを掛けられた者は、俺に絶対の忠誠を誓う。


別にオメガを意のままに操りたい訳ではない。

これは一種の保険。

奴の封印が万一解けた時用だ。


しかしこの魔法には大きな欠点がある。

それは、相手に強制できないという点だ。


――相手が少しでも拒めば、この魔法は成立しない。


脅しや力による蹂躙では心で拒まれてしまう為、用途を考えるとほぼ欠陥品に近いと言っていいだろう。

だが、純粋に俺を信奉するオメガには有効だった。

本当に御しやすくて助かる。


俺はニヤリと口の端を歪める。

右手の人差し指に魔力を籠め、オメガの額へと押し当てた。


「オメガ、俺に忠誠を誓うか?」


「うん、誓う誓う」


オメガの額に展開している青い魔法陣が、彼の言葉に反応し赤黒く染まる。

彼の嘘偽りない同意により、魔法と魂が繋がる。


――赤黒く変色した魔法陣がオメガの中へと入りこみ、その魂へと刻印を刻む。


これで契約が成立した。


「終わったぞ」


これでこいつは正真正銘、俺の物となった訳だ。

仮に封印が解けて裏切っても、これなら最高のペナルティを与える事が出来る。


「ほんと?じゃあお菓子も食べ終わったし、狩りに言って来るね!」


そういうと、オメガは駆けていく。

自分に何が起きたのかも知らずに呑気な奴だ。


まあいい、俺も帰るとしよう。

そう思い転移しようとしたその時、オメガが突然声を上げる。


「あれ?これ何?」


振り返ると、奴は自分の頭上を指さしている。


そこには――


その指の指す方向には――魔法陣が光り輝いていた。


「よっと!」


オメガが飛び跳ね、魔法陣の中に手を突っ込んだ。

次の瞬間、オメガは魔法陣に吸い込まれ消えてしまった。

どうやら魔法陣は召喚陣だった様だ。


というか――


「どこの世界に突然現れた召喚陣に手を突っ込む馬鹿がいる!!」


自分の事は棚上げし、俺は叫ぶのだった。

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異世界転生帰りの勇者、自分がいじめられていた事を思い出す~何で次から次へとこんなにトラブルが起こるんだ?取り敢えず二度と手出ししてこない様に制圧していくけども~ 異世界から帰って来た主人公が、ふざけた奴らを力で無双制圧して行く話になります。 ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全てバイオレンスで解決~ 異世界召喚されEランク判定の外れ認定された主人公は、実は神様からチート能力を貰った超人だった。ハズレ野郎としてボッチで学園生活を送る主人公が、ムカつく奴らを鉄拳制裁して行く物語になります。
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