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第17日 波

作者: 夜乃 ユメ

 浜辺に行くとみることのできる海の波のように、私の気分にも波というものは存在し、天候によって大きく荒れ狂うのと同じように、時と場合によっては、感情の起伏が激しくなる。何の理由もなく気分が良い日もあれば、特に不快な事があったわけでもないのに、人と関わったりすることがうっとおしかったりする日もある。そんなとき、一時的に私は自己嫌悪に陥ってしまうのだが、少しすると立ち直り「今日という日はこんな風な気分の日なのだから仕方がない」と思うようにしている。もちろん他者に迷惑をかけない範囲で。


 気分の波というものは、もはや自然の海波と同じく起こるべくして起こるものであり、そこに理由はいらないと私は思う。波がなくいつも同じように、無風の湖のような一定の静寂さを保てる人間というのはおそらくいない。しかし、その波というのを自覚して静寂で穏やかな時に人と話すようにコントロールしている人はいるし、そういう人が一般にいう「優しい人」や「人間力が高い人」という部類に入るのではないだろうか。風が吹き波が立つ瞬間を自分の中で定め、それを悟らせないようにしているのは膨大な精神力が必要なのだと思う。私にはできない芸当であり、そういう人を見る度に敬虔とした気持ちになる。


 波が立たないと浜辺に面白みがないように、人にも波はあって全然良いと思うし、私個人としては、人のそういう波がどのようにして人とぶつかり変化していくのかというのがとても興味深いものである。

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