お掃除おもしろい
ふふふーん
はなうた、でちゃうよね?!
今日の課題は、部屋の掃除だってさ。
僕に与えられた部屋は、男臭い兵士の休憩所。
ま、まあ。そんなに知らない場所じゃないしな。
「家事ギルドからの依頼でーす」
そう言って、兵士たちが休んでいるところに入っていった。
あー、何年ぶりだろう……この雰囲気……
胡乱気な視線を感じたが、気にしない気にしない。
「お前、男が家事ギルドだと?」
「あれ?侍従達だって下の子は基礎をここで学ぶんですよ」
「本当か?」
「たぶん……」
「はっ?」
「ま、どうだっていいじゃないですか。それより今から掃除にかかりますが、残しておくべきものは申請してくださーい」
「残して?」
「綺麗に掃除しますからね! 個人的なものはご自分の部屋に持ち帰って下さい。ゴミは捨てますよ。後でギルドの確認が有るんで手抜き出来ないんですよ。僕はちゃんといいましたよ?! ほら確認の魔道具も作動させてますからね!」
何度もギルドからって言って、個人的なものをどかせた。
まあ、みんな捨てられたくない本や道具は持ち帰っていった。
それでもまだいくつかの本や道具が残っていた。その殆どは壊れた防具や欠けたり折れた剣、あと誰のか分からないエロ本。カップやフォークなどの食器。
カオスだなぁ……
えっと、まずは要らないものの処分だな。折れた剣、防具は一纏めにして。
食器は食堂のかな?あとで聞いてこよう。
エロ本は燃やしてしまいましょうって言われたな……
ま、まあ一纏めにしてしておこう。
もろもろ雑用を片付けたら、あとは掃除だな!
上から順に埃や汚れを落としたらいいんだよな。
……よく見たら天井って埃だらけじゃないか。
どーすんだよ、これ!
ま、魔法は使っちゃだめなのか?
手も届かないしなぁ。埃だけ集めるか。
ほぉら、風よ天井の埃を落としてくれ……
うわっ!上からばさばさ落ちてくる!
うえぇ……ぺっぺっ……
これじゃ、駄目だな……
細かく指示をだすか……
んーっと……
小さな気流を四つ、天井にはわす。気流は四隅から徐々に真ん中に……絡み合った気流は中心で塊に。熱は中に凝り焼き尽くす。
ふぅ。
天井は綺麗になったな!
あとは窓を開けて換気しよう。
窓はぎゅっと絞った雑巾と乾いた雑巾。
交互に拭けばほら、汚れは……落ちたな……なんだ?この筋は……
もう一度乾いた雑巾で拭き取れば、ああ落ちたな。たぶん。
うーん……なんだろうイマイチ落ちてない気がする。
いや、次だ!
床を箒ではき、ごみを集める。塵取りですくう……
机や椅子が邪魔だな……ああ、寄せればいいのか。
寄せては掃き、集めては取る……
うん……ゴミはないな。
綺麗にしたはずなのに……
納得がいかない!
なんでだ?
うん。
埃やゴミはない。
でも、納得がいかない!
どこが?
…………
ああ……
小さな汚れが気になるんだ。床の染み、机の傷、壁の手垢……
どれも微かについているだけだけど……
仕方ない。
気になるからもう魔法で仕上げちゃえ!
染みや手垢は熱い水を塊にして、ゴロゴロ転がしちゃおう。
ほぉら、浮き出てきた。それを濡れた雑巾と乾いた雑巾で拭きあげれば!
うん!
綺麗になったよね?!
さぁ!終わったことを報告してこよう。