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「本物」のエンディング、そして今後について

「おいっ!!!!沙織!!!!!もう1回私の年齢について何か言ったらただじゃおかないからな!!!」


 カラオケの受付を済ませてみんなで部屋まで移動している途中、篠宮隊長が沙織に執拗に迫っていた。


 あーあ、ついにこの人も目に黒い影がかかり、凶悪な光を発するようになっちゃったよ…

 もう「本物」の仲間だな…

 僕達が見えない遠くで何があったのかは知らないが、沙織が逃げた先で篠宮隊長が沙織に何かしたんだろうな…


 沙織はめずらしく妙に怯えた様子で篠宮隊長を見ていた。


「ごwwwwwwwwwごめんよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうおばさんって言わないから許してくださいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww秘密は守るwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 バカッ!!!バカッ!!!!沙織!!!お前それ以上しゃべるな!!!!

 あんなに勉強ができるのに、どうしてそういう所は迂闊なんだよ!!!!


 それを聞いた篠宮隊長は業火をまとったような怒りのオーラを一気に立ち上らせる!!!

 

「だからおばさんって言うなって言ってんだろ!!!!私は20歳なんだ!!!!!!!!!!」


 我を忘れて食って掛かろうとしている篠宮隊長に沙織はひたすら謝っていた。

 あー、もう、これ一切触れない方が良いな…

 世の中、我々人類が立ち入ってはいけない世界があるのだよ…

 

 それから少ししてカラオケ屋さんの最上階にあるパーティールムにたどりついた。

 いつも使っている部屋なんだけど、あからさまに豪華になっていて焦った。 

 あれ…おっかしいなあ…

 1フロア全部が部屋になってるし、カラオケ屋さんというよりはどこかの結婚式場のような感じになっている。


 なんだよこれ!!!!

 リアリティーが薄れるどころか、僕達が存在している世界観が崩れまくてるじゃん!!!!

 何でもありかよ!!!!!

 神とか魔法とか言い出したら、ストーリーなんてもうおしまいだよ!!!!

 駄目だろ!!!!都合が悪くなったら特別な力で全てが解決するなんて!!!!!!


 あ…でも…売れてる作品でも結構そういうの多いよな…


「さすが『本物』のパーティールームwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww神が私達にプレゼントしてくれた特別仕様wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww神よwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私はこのままこの世界を浮遊しているだけでも良いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は病んだ笑みを浮かべながら、虚空に向かって手を合わせた。 


 僕達が部屋に入ると、豪華な部屋の中に高くグラスがまるでピラミッドのように積み上げられていた。 


「ああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww憧れのシャンパンタワーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwその辺においてあるドンペリをどんどん上から注いでくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 みんなも嬉しそうにシャンパンタワーの周りを取り囲みわいわい騒ぎ始めた。


「おい!沙織!これって凄く高いんじゃないのか????」


 何が憧れのシャンパンタワーだよ!!!!!

 確かに見た目は派手だし、凄くキレイなんだけど、大丈夫なのか???

 みんなは盛り上がってるけど、僕はこんなの払えない気がするんですけど!!!!!

 

「ああ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの大きさでホストクラブだと100万円はするだろうなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww先に50万円くらい払って残り50万円はツケにするwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそういえば人に金を借りてまでシャンパンタワーをやってどこかに埋められた奴もいたよなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 沙織!!!!お前はもうアニメだけじゃなくニュースも見たら駄目だ!!!!

 最近テレビで流れたニュースを軽く混ぜてるけど、それって心臓にすごい悪いんですけど!!!!

 いろいろ問題あるんじゃないの!?

 あと、そんなに高いものどうやって支払うつもりなの!!!!

 工場で何年アルバイトしたら100万円なんて払えるの!!!!1!


「じゃあ、こんなの払えないよ!!!謝って帰ろう!!!!」


「大丈夫だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww神からの差し入れwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこれも私が神に頼んでおいたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身は心配しなくて良いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwさあどんどんドンペリを一番上から注ぐんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 自信たっぷりに病んだ笑みを浮かべる沙織を見て観念した僕は、何故か近くにあった大きな脚立を立たせドンペリの栓を抜くと、脚立にのぼりシャンパンタワーのてっぺんからじゃんじゃんドンペリを注ぎ始めた。


 あー、知らないぞ!!!!!

 魔法で20歳になったけどさ!!!!

 どこの世界にカラオケ屋さんで巨大なシャンパンタワーやっちゃってる20歳がいるのかなああああああああっ!!!!

 あとなんでドンペリとかいう高そうなお酒を注ぐ必要があるの!?

 サイダーじゃダメなのかな!?

 今からこんな遊び覚えたら、絶対にろくな大人にならないと思うよ!!!!


「差身!!!!!ホストみたいで格好良いのだ!!!!!」


 半ばヤケになってドンペリを上から注いでるとと、かなっちが下から僕に声をかけた。

 

「ホストというよりうたプリ的。差身は線が細いから何をしても格好良い」


 天使が淡々と言うと沙織が急に笑い出した。


「おおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそうだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwついに差身の格好良さも1000%でも2000%でも足りないレボリューションズへと進化wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんなせっかくのシャンパンタワーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwここはコールFで盛り上げようwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がそう言うと、足を大きめに広げ、土俵入りのように腰を落とした。

 そして沙織の動きに合わせてみんなも腰を落とすと、急に上半身を激しく左右に何度も回転させながら、頭の上付近で手を叩くような振付をした。


 速い!!!速いぞ!!!

 なんだこれ!!!!!気持ち悪いんだけど!!!!

 これってヲタ芸!?

 しかもみんなの動きがめっちゃ合ってて、ヤバい!!!ヤバ過ぎるんですけど!!!!!


「おいっ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwおいっ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwww差身のおごりだいっちゃってーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwドンペリおごりだいっちゃってーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が激しいヲタ芸を繰り広げながら意味不明なことを叫び始めた!!!


 おい!!僕はおごらないぞ!!!!!!

 こんなもの払えるわけないだろ!!!!!


「ごちそうさまです差身さん!!!wwwwwwwwwwwwwwww凄い!凄い!差身さん!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwSSM!!!はいっ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwSSM!はいっ!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 他の「本物」達もヲタ芸を繰り返しながら沙織のコールのあとに続けて合わせた!!!

 絶対払わないぞ!!!!!

 僕はお前達におごってなんかいないからな!!!!  

 あとSSMって何っ!!!!

 さしみ(SSM)の略ってこと?!

 それから篠宮隊長!!!!あなたも完全に「本物」になったよ!!!!

 おめでとう!!!!もう2度とまともな人間には戻れないと思うよ!!!!!!


「差身だわっしょいっ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身だわっしょい!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がそう叫んだ時、僕の中で何かが弾けた。

 10万字以上溜め込んだ心の抑圧がついに爆発した!!!!


「お前らあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!もう分かったよ!!!!!!!!もういつまでたっても話が終わんねえよ!!!!!!!グラスを分けるから取り敢えずドンペリ飲んでくれ!!!!!!!!!」


 僕は脚立の上で思い切り叫ぶと、魂が抜けたように肩で息をし始めた。


 僕は間違っているのか…

 いや、絶対間違っていない…

 こいつらが…こいつらが全部おかしいんだ!!!!!!


「ああwwwwwwwwwwwwwwwwwwそうだなwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身ごめんwwwwwwwwwwwwwwwwwwww上からグラスを人数分取ってくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 そうだ…もう終わらせなければいけないんだ…

 だいたいこれどうやって収拾つけるつもりなんだよ…   


 僕はみんなにグラスを渡すと、自分の分のグラスも手に取った。

 みんなが待ち遠しそうに沙織を取り囲んでいた。

 そして沙織が病んだ笑みを浮かべながら高々とグラスを掲げた。


「乾杯wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がそう叫ぶとみんなも沙織の掲げたグラスに自分が持っているグラスに合わせた。


 そして、しばらくみんなでドンペリを飲みまくった。

 べろべろに酔っ払った僕達は自由に遊びまわった。

 それはもう形容しがたい「本物」達の宴!!!! 

 やりたい放題…もう何も思い残すことがないように騒ぎ続けた。

 

 しばらく各自思う存分暴れたあと、自然とみんな休憩しドンペリを飲みながら何を歌うか選曲し始めた。


「あ、Eーgirlsの新譜が入っていますわ」


 新譜のカテゴリーを見ていると思われる清城京が、端末を触りながら嬉しそうにそう言った。

 まあ清城京もそんなに好きではないと思うんだけど、盛り上がってるし何でも楽しく思えるんだろうな。


「本当だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまあ私達には関係ないがなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織はそれを横からのぞき込むと、それをディスるようなやさぐれた表情で病んだ笑みを浮かべた。


「ん?なんだそれは?『C.C.ガールズ』みたいなものか?」


 また「本物」の隊長が聞きなれない言葉を発した。

 すると時間が止まったようにみんなが硬直し、驚愕の表情で篠宮隊長を見た。

 そして一斉にスマホやタブレットを取り出し、物凄い速さで『C.C.ガールズ』を検索し始めた。


「『C.C.ガールズ』…1990年結成の日本のセクシーグループ…」


 天使はスマホを見ながらそうつぶやくと、ゆっくり顔を上げ篠宮隊長を見た。

 普段感情が見て取れない天使がこわばった表情で固まっていた。 

 

 もう誰も篠宮隊長に突っ込むことはなかった。

 ただ気まずい空気だけが流れていた。

 みんなが何もなかったように、そっとドンペリを飲んだり選曲したりし始めた。  


「良かったのだ!しょこたんとでんぱ組の新譜もあるのだ!!!昨日の特訓の成果をみんなで見せるのだ!!!!」


 かなっちが端末を持ったまま喜んで立ち上がりぴょんと跳ねた。

 

「ああ昨日練習したやつか。流行ってるみたいだな。『うしろゆびさされ組』みたいなものなのか?」


 それを聞いた全員の顔に無数の黒い縦線が走る!!!!

 

 なんだそれ…本当に聞いたこともないぞ…

 眼前で何人もの人間が殺されても平気な「本物」達が、恐怖で身動き1つ取れなくなる!!!

 みんなは恐る恐るスマホやタブレット手に取ると、そっと『うしろゆびさされ組』を検索し始めた。 


「『うしろゆびさされ組』…1985年…日本のアイドルユニット…ううん…私のスマホ壊れた…ググれない…」


 天使は何もなかったかのようにバックにスマホをしまい始めた。

 

「おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこのアイドルユニットの片方は秋元康のリアル嫁みたいだぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 沙織が狂った様に笑い出しながら、スマホの検索結果をみんなに見せて回った。


「1985年って…」 


 清城京が何か言おうとしたのだが、表情が固まり言葉を失った。


「何で隊長は30年前のアイドルを知っているのだ?…」


 かなっちはガタガタ震えながら、一点を見つめ小さく呟いた。


 一体この人は本当は何歳なんだ?

 大台突入してると思ってたけど、もう一つ壁をぶち抜いてる気がする…

 僕が恐る恐る篠宮隊長を見ると、特に変わった様子もなく満足そうな顔をしてドンペリを飲んでいた。

 篠宮隊長…ずいぶんドンペリを飲んでいる姿が様になってますね!!!!!!!

 どういうことなんですか?

 僕達の親と同世代なんてことはないですよね!!!!


 ああ、もう本当に触れない方が良いな…そっとしておこう… 


「じゃあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそろそろ歌うかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww最高神れんちょん様の歌などをwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwフォーメーションBでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww734016wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 気まずい空気を打ち破るように沙織がそう言うと、沙織をセンターにしてみんなが沙織の横に真っ直ぐ並んだ。

 沙織は何も見ずに曲番号を打ち込むと、例ののんびりとした曲が流れだした。

 音楽に合わせて全員で左右に揺れながらリズムをとっている。


 ああ、そういや、まだ何も歌ってなかったよな… 

 既に充分狂ったことが続いているので忘れてたよ…

 もう、いいや。これで全部終わりだ…

 なるようになってくれ…

 著作権なんて、もう知ったことかよ!!!!!!!

 おい!!!来てみろよJASRAC!!!!!

「本物」達を止めれるなら止めてみろ!!!

 いや!!!お願いですから止めてくれええええええええっ!!!!!!

 罪を重ねたくなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!!


 とても機嫌が良さそうな沙織が、歌い始めが狂わないように大きく息を吸い込んだ!!!!!


「たーいようがーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしじゅみちょうなゃにょんんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 セーフだ!!!!これはセーフだ!!!!!

 べろべろに酔払った沙織のろれつが回っていなくって何を言ってるのかわからない!!!

 問題ない!!!!!きっと問題ないんだ!!!!


「そおおおおおおおおおっ!!!!!!なのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!!!!!!!」


 他の「本物」達も続けて絶叫気味に合いの手を入れるが、もう完全に酔っ払ったおっさんが叫んでるだけだ!!!!


 おい!!おまえたち!!!!

 好きなのにどうしてそんなことするの!!!

 色々あって頭の中が大変なことになっているのは分かるんだけど、好きなものから嫌われることはしないほうが良いと思うよ!!!!

 どうしてそんなにこじれて育っちゃったの!!!!!


 その時であった!!!

 カラオケのディスプレイに流れていた画像が消え砂嵐に変わった!!!!

 みんなが驚いてみていると、そこにはその辺にいるようなおっさんの姿が映し出された!!!


「本物よ…本物達よ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 ディスプレイの中のおっさんは、マイクを通したような部屋中に響くような声でそう言うと「本物」達が急に喜びだした。


「神だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwおーい元気かwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々を復活させてくれてありがとうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が嬉しそうにディスプレーに手を振った。


「おお!!これが神なのか!!!!!初めて見たのだ!!!!」


 かなっちが驚いた表情でそう言うと篠宮隊長が天使に話しかけた。


「これが私達を作った神なのか?ずいぶん普通のおっさんだな」


 怪訝そうな顔をした篠宮隊長をなだめるように天使は篠宮隊長の腕を軽く引いた。


「そう。これが神。私達を蘇らせた。隊長も崇めて」


 天使はそう言うと神に向かって手を合わせ頭を下げた。


「そうなのですわ…2年以上放置されたのでもう2度と日の目を見ることはないと思っていましたが、神のお陰で復活したのですわ…」 


 清城京は感慨深げに何度も頷いた。


「本物達よ…テストは終了した…wwwwwwwwwwwwwwwwそろそろ終わりにするのだ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwキリがない…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww全部なかったことにするのだ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 神がそう言うと皆がどよめいた。

 全部なかったことにするってどうするの????

 というかこの人、なんか沙織と凄く似てるな。

 沙織と同じで頭の中が大変なことになってるんだろうな…


「もう終わりなのか!!!!!???私達はこれからどうなるのだ?」


 かなっちが目に涙を浮かべながら怯えた様子で神にそう尋ねた。

 すると神は心配するなというように笑顔で大きく頷いた。


「恐れるでない…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww巻き戻るのだ…wwwwwwwwwwwwww全てリセットし今年の夏あたりに1話目からやり直すのだ…wwwwwwwwwwwwwwww何故夏からなのかは分かっているよな?…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 そんなことは当然だろうと言わんばかりに神は言ったんだけど、正直何を言っているのか分からなかった。

 でも、沙織とかなっちだけは、うんうんと頷いていた。


「ああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもちろんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々はニャンパスとともに生まれニャンパスとともに生まれ変わるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が大騒ぎしながらそう言うと神は満足そうに頷いた。 


「そうだ「本物」達よ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwのんのんびより2期…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwのんのんびよりリピートが7月から始まるんだ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお前達は最高神れんちょん様とともに復活するのだ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww2期バンザイ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 おい、神…絶対お前正気じゃないよ…

 何がれんちょん様とともに復活だよ!!!!

 全部計画してたのか!!!!!

 この時期にテストを始めたのも計算のうちだというのか!!!

 ああもう!!!!どこから突っ込んでいいのか分からないよ!!! 


「じゃあ「本物」達よ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww次の世界線で会おう…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 神がそう言うとディスプレイの電源が落ちた。

 そしてすぐに全ての照明が消え真っ黒となった。

 

「次の世界で会う?それは魍魎戦記摩陀羅みたいなものか?」


「おい!!!神!!!!私を1年以内に出すのだ!!!!出番を早めにするのだ!!!!」


「私も最初から登場させて欲しいのですわ!!!!!!」


「次の世界は学校がない世界がいい。あと魍魎戦記摩陀羅は1987年…」 


 みんなが口々に何か言ってるんだけど、頭がぼんやりとしてきた。

 何だか考えることができなくなってきて、自分が自分ではなくなっているような感じがした。

 フワフワしている、とても楽な気分だ。

 死ぬ時もこんな感じなのだろうか…


 その時、沙織が強く僕の手を握ってきた。

 全く見えないんだけど、この感じは間違いなく沙織の手だ。

 ああ…人間の最後まで残る感覚は触感なんだね…


「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は次元を超えても差身を追い続けるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww逃げきれると思うなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私はいつでも差身を殺す準備をしているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私のことを忘れないように24時間怯え続けろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織はいつもの通り、病んだ笑いとともに僕の手を引きそう叫んだ。


 お前はいつでも元気だな…

 間違いなく次の世界線でも僕を殺しにやってくるんだろうね!!!!

 最後の最後まで突っ込みどころが多過ぎるよ!!!!!


 ああ…かなりグルグルしてきた。

 意識がなくなる時というのは死ぬような感じだね。

 でも沙織と一緒なら何も怖くないな。

 この先どうなるか分からないけど、沙織とともに死ぬのも蘇るのも悪くない。

 安心して次に行くことができるよ。

 

 僕達の意識は徐々に薄れ完全に消えてなくなった。

 次の世界へ向かって僕達は羽ばたくのであった。

お読み頂きまして誠にありがとうございます。


この作品はとある「クソラノベコンテスト」用に書いたものの、そのコンテストがあまりにも酷く嫌な気分になり、コンテスト用に1つの結末までは書いたものの途中で書くのをやめてしまいました。

なろうで連載形式で書くのも初めてだったのですが、読んでくれる方がいらっしゃったのでこうして書くのを再開して良かったなと思います。


この話はクラスの隅の方にいる子達が元気に色んな経験をしていく姿を描きたいと思い書き始めました。

沙織はADHDです。そして沙織の父は仕事が忙しくあまり構ってあげられなかったので、沙織は男性に慣れていません。

優しい差身君は沙織にとって彼氏でもあるのですが、父性を感じる存在でもあります。

沙織の成長段階で欠けていた部分を差身君が補う存在であるとも言えるでしょう。 

また沙織は大事に育てられすぎて社会性も同年代の子達と比べ成長が遅れているところがあります。

それでも、沙織になりにではありますが少しずつ世の中に慣れてきて、友達もでき、学校で勉強したり、みんなで遊んだり、今回はアルバイトもしました。


育ちの良い沙織は純粋な心を持った繊細な女の子です。

沙織をただ狂っていると見るのも良いのですが、誰にでも良い所があるのでそこを見てもらえたらと思います。


とはいえ、漫画を流し読むような感じで、笑って読んでもらえたら僕は十分です。

夏に最初の最初1話目から全部書き直しますので、良かったら是非読んで下さい。最初は差身君と沙織しか出てきません。他のキャラはのちのち出てきます。篠宮隊長のようなゲストキャラは時々出てくる感じです。そして、「本物」の仲間は40話目以降に新たに1人出てきます。

今回の工場編のように1つの話を書いたら少し休み、また違う話を続ける形になると思います。


それまで「ステルス アイドル エージェント」というのを書いてますので、こちらも合わせてよろしくお願い致します。幼(略)と同じ世界での話なので、もしかすると「本物」達と合流するかもです。


それではありがとうございました。

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