表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/52

「本物」のパチラ♪

「パ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 戦いが終わった、その日の夕暮れ。

 みんなで工場から新横浜のカラオケ店まで歩いている途中、沙織が楽しそうに何かの歌を歌っていた。

 そして「チラ♪」という部分で、沙織は歩幅を少し広げクルッと後ろを振り返っていた。

 口を驚いたように大きく開き、それをわざとらしく手で隠す。

 ひたすらその部分だけを何度も繰り返して歌っている。

 

 おい…最初から飛ばし過ぎだぞ沙織…

 まだカラオケにすらついてないだろう…

 みんなが呆れて見過ごしくれてるうちに、止めておいた方がいいんじゃないのかなああああああっ!!!


 急に沙織は僕達の前に駆け出し、自分のスカートをかなりギリギリの位置までまくり上げた。

 病んだ笑みを浮かべたモデル体型の沙織のキレイな足がめっちゃ露わになる!!!!


「膝上25cm♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいやあああん♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

  

 みんなは特に何のリアクションもしてなかったが、それを見て血の気が引いた僕は沙織に物凄い勢いで駆け寄ると羽交い締めにした。


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!12111111!!!111やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおpdp:pks@ぱkpsf@skq-@さvうぇr@ぺwv@おえwvんじょえwvjねwvねwヴぇwp」:えwvp」k」


 僕はそう叫ぶと沙織は「うひひひひひぃっxほぱcそhそh;swwwwwwwwwwwwwwwwww」と狂ったように笑った。


「おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww何を慌ててるんだ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「沙織!止めるんだ!!!!2年以上消えていた過去を忘れたんじゃないだろうな?まずいぞ!!!凄くまずいぞ!!!!!」


「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww日本は『膝上25cm』というどこにでもある言葉を言ったら処罰される国なのか?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「駄目だ!!!説明させるな!!!!状況が余計に悪化するだろ!!!!駄目じゃないけど駄目なんだあああああああああああああああああああああっ!!!!!!」


 僕が沙織を何とか止めようとしていると、全く空気を読まずにかなっちがにこにこしながら近づいてきた。


「差身!それは今日のために昨日みんなで練習してたのだ!隊長も一緒にできるぞ!!!」


 おい!!おまえたち!!!!ここまで来て時系列どころか、話しを根本から覆す発言はヤメロ!!!!

 昨日は流れ的にそんなことしてる状態じゃなかっただろ!!!!!!

 何で今日カラオケに行くことが決まっていて、どうして篠宮隊長も一緒にできるの!!!!

 10万字以上続けたストーリーをなんでぶち壊してるの!!!!!!


「みんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww今日のために考えたフォーメーションAをwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

 そう言って沙織は僕を振りほどくと、みんなが一斉に動き始めた。

 沙織をセンターにして、2等辺三角形のような布陣になった。

 沙織が頂点とするならば、左右に「本物」達と篠宮隊長が配置されている感じだ。


 そういや何故か申し合わせたように全員短めのスカート履いてるんだけど、これってどういうことなのかな!!!!


 全員慣れた動きで後ろ向きになり、歩幅を肩幅くらいに広げ腰に手を当てた。


「パ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwパ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 

 

 腰に手を当てたまま腰を左右に振りリズムをつけながら、みんな一緒に歌い出した。

 そして「パチラ♪」の部分で一番右端にいた篠宮隊長が恥ずかしそうにスカートを押さえながらクルリと正面に向き直った。


 ああああ…どこから突っ込んで良いのか分からない…

 とりあえず、あの「本物」の方々とは動きが違う…

 人数も違うし「本物」達のオリジナルになってるんだろうな…

 

「パ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwパ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 次は一番左にいるかなっちが、慌てた様子ワンテンポ遅れてクルリと正面を向いた。

 篠宮隊長は正面を向いたまま腰に手を当て、みんなと同じ動きをしている。

 ああ、順番前を向いていくんだけど、正面を向いた人も同じ動きを続けるのね。


 もう駄目だ…絶対にどこかからなんかくる…

 なんだか嫌な予感しかしてこないよ!!!!!


「パ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwパ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 沙織の左右にいる清城京と天使が、同時にクルリと正面を向いた。

 清城京は妙に慣れた動きで周りに魅せつけるのようにかわいらしく回り、天使は無表情のまま無駄なくただクルリと回った。


「パ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwパ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwパチラ♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 そしてついに沙織が回った。

 さっきから繰り返していたように、クルリと回り正面を向くと驚いたように大きく口を開け、それをわざとらしく手で隠した。


「膝上25cm♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいやあああん♪wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

  

 篠宮隊長と「本物」達は歌いながら沙織に仲よさげに駆け寄りくっつき、沙織が「いやあああん♪」と言うと同時に片足立ちになるようにみんなで片膝を後ろに折り曲げた。


「うまくいった。練習の成果が出た」


 天使が無表情のままポツリと言った。


「これで良かったのか?これで差身は良いと思うのか?」


 篠宮隊長が心配そうに沙織に確認するように聞くと、沙織は病んだ笑みを浮かべた。


「大丈夫wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww今wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身の頭の中は隊長のことでいっぱいになっているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 おい!!沙織!!!お前、また何も知らない人に、わけわからないことを吹き込んだだろう!!!!

 ま…まあ…確かに、みんなかわいかったが、僕は違うことで怯えて頭がいっぱいになってるんですけど!!!!


「差身さん、どうですか、私達、いっぱい練習したんですよ。全部、差身さんに楽しんでもらうために…」


 いつのまにか僕の背後に回りこんでいた清城京は、後ろから僕に抱きつくといやらしい手つきで僕の体を触りながら、あからさまに性欲に塗れた暗黒オーラを漂わせてきた。


「おい!!!金髪リボン!!!!ドサクサに紛れて差身で欲情するな!!!!性欲が爆発し過ぎなのだ!!!!!ツインテールもなにか言うのだ!!!!」


 かなっちが天使に清城京に文句を言うように促すと、天使は静かに首を振った。


「神が好きにしろと言っている。この作品はすべてテスト。どうなろうと構わないと言っている」


 天使がそう言うと、かなっちの顔が恐怖で青ざめていった。


「おまえたち!!!!!神ってなんなのだ!!!!!!狂ってる!!!!!お前達全員おかしいのだ!!!!」


 涙目になったかなっちが大声を上げたが誰も気にしていないようであった。


「そうなのですわ。神が何をしても良いと言ったのですわ!」 


 清城京はそう言うと僕の耳を弱めに噛んで動かなくなった。

 

「やった…ついに一線を越えた…私、ずっとこの世界でいい…」


 清城京は震えた声で僕の耳を噛んだまま呟くと、僕の背中でガタガタと震え始めた。


「おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww金髪リボンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれくらいにしておけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwカラオケに行けなくなってしまうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 沙織がそう言いながら僕の背中から清城京を引き離すと、どこからかロープを出して清城京の両手を後ろで縛り上げた。


「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww不安になることはないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww全ては神が決めたことだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は自由なんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwさっき神に頼んで差身の骨折も治してもらったぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織にそう言われたので、試しに足を動かすと全く痛くなくなっていた。

 あ…あれ?昨日骨折したはずなのに治ったのかな???


「沙織、足が痛くなくなってるよ」


 僕が驚いて沙織に言うと、沙織は病んだ笑みを満足そうに浮かべながら頷いた。


「パーティーはこれからだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww最後だから好きにさせてもらうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ