「本物」の工場爆破へ
「しばらくこの街ともお別れだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうパパとママに学校に行けと言われないニャンパスな毎日が始まるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織が感慨深げにそう言いながら朝日を見上げると、自然に他の「本物」達も寄り添うように集まり沙織と同じ方を目を細め見つめた。
戦いが終わり、さっきよりもゆっくりとした空気が流れる。
仕事を終えた充実感で「本物」達は満たされているようだった。
さっきまでと違いみんな表情が柔らかく、どことなく微笑んでいるように見えた。
「楽しみなのだ…学校も粉々にしたいのだ…先生も他の生徒もみんな死ねばいいのだ…」
かなっちはそう言うと、夢見る少女のようにポワアアアアンとした表情でうっとりとしている。
「やりましたわ!もう毎日学校に行って、ビッチ共にイライラすることもなくなるのですわ!」
はしゃいだ清城京が沙織の手を握りしめる。
沙織は清城京を見つめ、清城京の健闘を称えるかのように頷き手を強く握り返した。
「学校、行かなくて済むなら楽」
天使がいつも通りの無表情でポツリとそうつぶやく。
穏やかな朝日の中で語らう「本物」達。
みんなこれから始まる南の島での生活に胸を躍らせている。
きっと幸せな毎日がやってくると、夢いっぱいになっているのだろう。
みんな…なんかハッピーエンドみたいになってるけど、なんか間違ってるんじゃないかな?
色んな所に動けなくなっている人が転がってるし、工場も結構破壊されてるし、それよりも何よりも下で見てる人達が怯えて身動き1つできなくなってるんだけど…
「聞けwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww60万人のニート諸君アンド学校が嫌いなみんな!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は自由wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww我々は自由だああああああああああああああああああああああああああああああああああっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織はそう叫ぶと、また上空に向かってM16A4を撃ち鳴らした。
メチャクチャに撃ちまくると、銃口を下げ肩で息をし始めた。
そして息を整えると下を向いたまま「うひひひひひひひひひwwwwwwwwww」と押し殺すように笑い始めた。
しばらくそうしていたが、沙織はゆっくりと顔を上げた。
顔を上げた沙織の目には黒い影がかかり凶悪な光を発していた。
「さてwwwwwwwwwそろそろ時限爆弾のスイッチを入れるかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwかなっちwwwwwwwwwwwwww最後の仕事だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこれが終わればバカンスだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
沙織がかなっちを見ると、待ってましたとばかりにかなっちはうんと頷いた。
「わかったのだ!!!学校には2度と行かないのだ!!!!」
かなっちが腰につけているトランシーバーのような物を手に取った。