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「本物」の「本物」による「本物」の最終決戦

 カランカランカラン…

 鉄の塊が転がる音。 


 何かが僕達の足元に転がってきた。

 瞬間的に沙織の目に黒い影がかかり凶悪な光を発した。

 沙織の身体能力では考えられない驚異的なスピードで、残像を残し沙織は動いた。

 沙織はその転がってきたレモンくらいのものを掴むと、すぐさま屋上入り口ドアから工場の中に向かって投げ込んだ。

 



 

 ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!





 そのレモンのようなものは階段を転がり落ちていったのであろう。

 階下の方で凄まじい爆発音が響き渡った。

 この間、2~3秒程度!!!!


 なんだ!なんだ!!

 もうなんにもないと思ったのに!!!! 

 間違えない…沙織に何度も部屋に投げ込まれた…

 これは手榴弾だ…

 あれ?でも、どこから飛んできたんだ?

 グレネードランチャーを使って遠くから投げられたなら、もっと上から落ちてくるはずなんだけどなあ?


「おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwてめえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww手榴弾なんか投げやがってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww危ねえじゃねえかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が屋上の誰もいない一角を凶悪な病んだ目つきで睨みつけた。

 僕も他の「本物」達も沙織の視線の先を凝視した。

 すると、誰もいないと思われた場所から、明らかに何かが動き出す音が聞こえ始めた。

 ゆっくりと外壁から人間の手と頭が見え、誰かが屋上によじ登ってきた。


 あれは!男達のリーダーだ!

 なんか(かしら)とか呼ばれてたような気もするけど、神がその辺はごまかしてるからリーダーでいいや。

 ああ…この工場、古いせいか配管とか色々外壁にくっついてるから登ってこれたんだろうな。

 工場内は天使とかなっちが守ってるから、清城京が配置から外れている今、外壁をよじ登ってくるのが一番安全なんだよな。

 しかもあのあたりは、工場の正面入口から見て、対角線上で真逆の位置にあたる。

 清城京がどのへんにいたのか分からないけれど、清城京が所定の位置に配置されていても、もしかすると射程の範囲外で遠距離盗撮(スナイパー)されない位置なのかもしれない。

 多分、車から手榴弾を持ってきて、あのあたりから登れば大丈夫だと思ったんだろうな。

 そんなに頭良くなさそうだし、直感で思いついたのだろう。

 

「全く良い勉強になったよ…酷く高くついたな…」


 外壁を登りきり屋上に辿り着いた男は、自嘲気味に笑いながらそう言った。

 そして、胸から自動小銃を取り出すとこちらに向けて構えた。

 とっさに「本物」達も男に向かって銃を向ける。


「こっちもこれだけの被害を出して、何もできませんでしたじゃ、帰るに帰れねえんだよ。俺が甘かった。舐めたことしたからこんなことになる。もう1ミリも油断しない」


 男は腰を落としこちらに狙いを定めながら、ゆっくりとこちらに近づいてきた。

 すると沙織はM16A4の銃口を下げ、男を嘲り笑うように病んだ笑みを浮かべた。


「おいwwwwwwwwwwwwwwwナンブなんてどこで盗んできたんだ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 


 ニューナンブ。38口径回転式拳銃。

 確か命中精度はめっちゃいいんだよな。

 うん、あれって警察の人達が持ってるやつだよね?

 何でこの人持ってるんだ?

 公務員かな?

 そんなわけないよな。

 絶対にわけわからない闇のルートで手に入れたんだろうね!!!!

 

「うるせええぞ!!!魔女共!!!!!てめえら、全員撃ちぬいたるわ!!!!今、俺がやられても、何度でもお前達が死ぬまで襲い続けてやるよ!!!!」


 駄目だ、この人完全に切れてるよ。

 これはまずいぞ…

 ヤケになった人に銃持たせたら、当たり前のように撃ってくるぞ…


「うひひひぃひぃぃぃっぃぃwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれは無理だなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww何故ならお前は今ここで私達にニャンパスされてしまう運命なのだからwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 余裕に満ちた不敵な病んだ笑みを浮かべながら、沙織はかなっちに目で何かを合図した。


「かなっちwwwwwwwwwwwwwwwwやれwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がかなっちにそう指示すると、かなっちはオート25沙織改造バージョンをポケットに入れ、腰に下げていたトランシーバーのような機械を手に取った。


「分かったのだ!!!!!!!!!!!!!!」


 かなっちはそう叫ぶとトランシーバーのようなもののスイッチを押した。

 

 するとバサッと何かが発射される音がしたかと思うと、男の頭の上から魚とか捕まえる時に使う投網のようなものが広がった状態で降ってきた。


 あれは!最初沙織が清城京を捕獲した時に使った投網!!!!!

 

「うわあああああああああああ????????」


 男はわけも分からず投網に飲み込まれていった!!!

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