第9話 ユリーシャ先生の魔法講座-体系編-
題名変わってから1発目の更新です。
今回の内容に合わせて、第2話を少し修正しました。
ちょっと伏線をはっきりしたモノに変えております。
それだけなので、面倒臭ければ遡らなくても大丈夫です。
「ど、どういう事なの?」
ユリーシャの疑問も最もだ。何せ折角助けたのに今から死にますと言われたようなモノだったのだから。
だが、流石にそのぐらいは説明してくれるだろう。俺は黙って返答を待った。
ああ、ちなみに俺達は今、お馬さん(仮)の側に来て座り込んで話をしている。ペンダントに戻ろうかとも思ったが、ユリーシャの魔力が回復してからの方がいいかと思い、まだ槍の状態のままだ。
「元々私は寿命が近くてね。転生をする為にエルフ達の所からこっちへ来ていたんだ。まさかそのタイミングでリカント達に襲われるとは思ってもみなかったがね」
「……すると何か? 本当は俺達の助けは要らなかったのか?」
「そんな事は無いよ。殺されたら転生出来ないしね」
おいおい、じゃあこいつはマジで自分を犠牲にして俺達を逃がそうとしてたってのか。いや、勝手に助けに来た俺達がそれを“犠牲”と呼ぶのは変な気はしたけども。
「あの、転生って事は貴方の記憶や能力はそのままになるんですよね? わたし達よりずっと強そうな貴方をわたし達が世話をするって所がピンと来ないんですけど」
そうだな、それは俺も感じていた疑問だ。多分こいつは、本来なら今の俺達より遥かに強い。ジャガーノルドが“老衰で弱った化け物”って呼んでたし、本人も最初の通信の時に普段ならこの程度は何とでもなるみたいな事も言ってた。
最初はてっきり、たまたま怪我でも負ってて実力が出せないって意味かと思ってたんだが、どうやら寿命が近くて実力が衰えていたからだったようだ。
「確かにそれはその通りなんだけどね。転生すると体は子どもに戻ってしまうから完全に元の強さに戻れる訳じゃないんだ」
「それで、お前が成長するまで世話をして欲しい、と?」
「そういう事。でも世話をして欲しいと言っても、別にこの洞窟で育てて欲しいとか北のエルフの里で育てて欲しいとかいう訳じゃない」
お馬さん(仮)の言葉に、ユリーシャは訳が分からなくなったみたいだ。俺も何のこっちゃとは思ったが、聞いたままの意味だとすると──
「子育て的な世話をするんじゃなくて、違う部分の世話をして欲しいって事か?」
「うん、その通り。私は転生をすると幼少期まで小さくなってしまうんだが、食事をする事で成長を早める事が出来る。特に魔物を食べる事で大きく成長出来るんだ」
「ふ〜ん……じゃあ、まずこの倒したリカント達を食べるのね」
ユリーシャはそういうと約170匹分はあるハズの死体の山を一瞥する。俺も視線に釣られて見てみると、小さめの一軒家ぐらいはありそうな死体の山に圧倒されてしまった。
考えてみれば、死にかけなのに俺達より沢山倒してるんだよなこいつ。そんな奴が食事を目的としていて、俺達に世話をして欲しいという事は、もしかして──
「まあ、まずはな。本当はそこのソルジャーリカントも食べたかったんだが。自分で倒した者を食べなくては自身の成長にはならないから断らせてもらったよ」
「へえ、じゃあわたしもジャガーノルドさんを食べたら強くなれるのかな?」
「………………」
「──いや、実際は2人で倒したようなもんだし、1人で倒さなきゃダメなんじゃないか?」
「そっかあ、それに良く考えたら倒したのはわたしっていうよりむしろオリハルさんが1人で倒したようなものだしね」
「じゃあ俺が食うか……って、今の体じゃ何も食えねえよ」
「………………」
……何かさっきからジャガーノルドが聞き耳を立ててるような気がするんだけど、殺される覚悟はしてた癖に食われる覚悟はしてなかったんだろうか。まあ、今更殺して食う気もないからどっちでもいいんだけど。
……にしても、相手を食って成長とかそれなんてト●コ?
いや、どちらかというとRPGにおける経験値の獲得を具体的にした感じか? アレって同じ奴を何回倒してもいつかは必ずレベルが上がる訳だけど、普通に考えたら何回目かにはもうただの“作業”になってしまうハズ。それを、食べる事で魔物が持つ何らかのエネルギーを摂取していると考えれば、レベルアップした時に生命力や魔力が伸びるという事にも一応の説明が着く……か? だとしたらユリーシャが倒した約130匹の死体をユリーシャが食べたら強くなったりするのかもしれんな。
──って、いかんいかん、話が思いっきりそれた。食事の世話をして欲しいって事は、もしかして──
「──それはともかく、世話ってのが食事の世話なんだとしたら、もしかして俺達に付いて来るつもりなのか?」
「だってキミ達は世界を救うつもりなんだろう? そんな旅なら付いていけばいくらでも食事の機会がありそうじゃないか。だから、是非同行させて欲しい」
何と、俺達に同行してくれるらしい。
勿論、願ったり叶ったりである。全盛期にどれ程の強さだったかも気になるし、ジャガーノルドと同じように前衛に向いてそうだ。問題があるとすれば、転生した後どのぐらいの強さになるかだけど……まあ、それはそれで別にいいや。
「わあ、凄く嬉しいです。でも、エルフ達の事はどうするつもりなんですか? 用心棒をしてたんですよね?」
「いや、用心棒とは言っても、彼等の元では時々魔物を撃退しつつ老後をのんびりと過ごしていただけだからね。実際は私が居なくてもそう問題は無いと思うよ」
「いや、でも転生をする事は伝えてあるんだろう? だったら無事に済んだら挨拶ぐらいはしに行った方がいいだろう」
ん? 何か今の俺の台詞、ちょっとフラグっぽくなかったか? まるで転生が無事に済まないような……そ、そそ、そんな事無い、よな?
「……そう、だね。そうするよ」
「──ねえ、オリハルさん?」
「ん、どした、ユリーシャ?」
「もしかして、オリハルさんがエルフに会いたいだけだったりしないですよね?」
あれ? 何この空気? ふとユリーシャの顔を見ると、言い知れぬ威圧感を感じさせられた。突然どういう事なの?
俺はとりあえず正直に答える事にする。
「……まあ、会ってみたくないなんて言ったら嘘になるな」
「エルフの人達はみんな綺麗ですもんね?」
「あ、やっぱりそうなの? そりゃ期待も膨らむな。美女もイケメンも選り取り見取りかも」
「……え? オリハルさんってそういう……?」
おいコラ今何を想像したんだユリーシャさんよ? 俺は至って健全な性的嗜好の持ち主ですよ? 可愛いは正義だと思うし、口では胸はあまり気にしないとか言いながらも無いよりはあった方がいいと思うし、かと言ってあり過ぎるのもどうかと思う……って俺は一体何を力説しちゃってんだ。
いやね、確かに前世では女の子とは何の縁も無かったから野郎とばかり遊んでましたがね、流石に男に走ろうと思った事はありませんぜ。ほ、ホントだよ!?
アレだぞ、ここで幸先良く1人仲間が増えたから、もしかしたらエルフ達の所でも仲間が増えるかなぁ……なんて思ってただけであって、やっぱり仲間が増えるなら目の保養になる奴がいいなと思っただけなんだからな。ちなみにイケメンタルの持ち主でも可。
しかし俺は敢えてユリーシャにツッコミは入れない。何故なら、その方がユリーシャの変な事考えてる顔が見られて面白いからな。今も少し興奮気味で少し紅潮した顔が可愛い。
「なあ、そういえばすっかり忘れてたけど、お前って名前は何て言うんだ?」
「ああ、そういえば名乗ってなかったかな。私の名前はヴォルト。ヴォルト・K・ゼウロスだ」
「ヴォルトか、よろしく。もう俺の名前は聞いたかもしれないけど、オリハル・コンノだ」
「わたしはユリーシャ・デビローネです。よろしくお願いします、ヴォルトさん。……ん? ヴォルトさんの名前って、どこかで聞いた事があるような……?」
「そうかい? まあ、私は転生をこれまでに7回程しているんだが、転生したのを生きてた事にするとかれこれ4千年は生きてるからね。今回も500年ぐらいは生きたし、どこかの歴史に私の名前が残っていてもおかしくは無いだろう」
「………………」
ヴォルトのあまりの高齢者っぷりに吹いた。いやだって4千年て。中国か。(意味不明)
それと、何かまたジャガーノルドが反応したような様子を見せたが、流石に話に混ざる気は無いんだろうな。しかし何かツッコミたそうなその反応……ひょっとしてヴォルトって超有名人だったりするんだろうか。
……案外ありそうだな。俺はともかく、ユリーシャってどうも自分の国以外の事は全然知らなさそうな感じがするしな。でもまあ、そういう展開は後の楽しみに取っておくとしよう。
「それでヴォルト、今からすぐ転生するのか?」
「そうだな、そうした方がいいだろう。転生するには儀式に5時間、瞑想に20時間掛かるからな」
「えっ? 嘘、長っ! そんなに掛かるんですか?」
「つーかお前は相手の潜在能力を限界を超えて引き出したりでもする気なのか」
「いや、オリハルさんはオリハルさんでいきなり何を言ってるんですか?」
話を転生の話に戻してみたらいきなりとんでもない事を言われた。何と転生するのに25時間も掛かるらしい。
いや、転生するってのはそんなに簡単なモノじゃないのかもしれんけど、何だかなあ……。
「……まあ、いいや。それじゃあユリーシャ、今日はとりあえずここで休んで、俺達はこの洞窟の奥にでも進んでみようか」
「そうね、まさかわたし達だけで先にエルフ達の所に行っちゃう訳にも行かないし」
「ユリーシャとオリハルと言ったか、お前達この奥に用があるのか?」
凄く軽い気持ちで奥に行ってみようと提案しただけだったんだが、ヴォルトから突然剣呑な雰囲気が発せられた。そんな中での質問だったが、俺は努めて冷静に答えた。
「いや、お前の転生が終わるまで暇だからこの洞窟の探険でもしようかと思っただけなんだが」
「何かマズイんですか? この奥にヴォルトさんの大切なモノがあるとか……?」
「ああ、とある島で手に入れた宝玉で、無きゃ困るという程でも無いが、生きてきた時間と同じぐらい長く持っているモノだから思い入れが強くてな」
「そうか、それは無神経な事を言ってしまったな」
「……いや、お前達は私の命の恩人だ。どうせ旅に出る際には持って行くつもりだったし、奥に行くつもりならついでに持って来てくれないかな?」
どうも思い入れの強い品物が洞窟の奥に置いてあるらしい。
そりゃ勝手に見に行って欲しくないよな。でもまあ、許可も貰えた事だし、奥に行って取って来るとしますか。
そんな訳で私、オリハル・コンノとユリーシャ・デビローネの一行は1日休んで翌日の朝、洞窟の最深部を目指して行軍を開始したのです。
あ、ちなみに今はペンダントの姿に戻っています。あれから一旦洞窟の入口付近まで戻り、倒したリカントの死体の中でも状態の良さそうなのをユリーシャのマントの中に50体ぐらいホイホイと収納して、辛うじて生きてた10匹ぐらいのリカントは放置。後の死体は黒コゲだったのでヴォルトの食料として献上しました。
べ、別に嫌そうな顔はされてないぞ? 何せヴォルトはその時まだ瞑想中だったからな。俺達も瞑想の邪魔をしちゃ悪いと思ったので黙って置いて来たし。
そんな事より俺が気になったのは──
「それにしても、ユリーシャって凄い力持ちだったんだな。リカントの死体をあんなにあっさり持ち上げて……」
「やっ、やだな違いますよオリハルさん。あれは魔法を使って軽くしてたんですよ。岩を浮かせて動かした時と同じタイプの魔法で」
「そうなのか? だけど今回は何も唱えて無かったような気がするんだけど」
「えっ? 何言ってるんですか、別に魔法は唱えなくても使えますよ? あ、そういえばオリハルさんはこの世界に来たばかりだから、ひょっとしてこの世界の魔法の事は全然知らないんですか?」
「うん、全然分からん。今までは『魔力操作』の能力を使って強引に魔法を使ってたようなもんだ。今までの魔力の使い方で正しかったのかどうかも分からんし」
そうか、無詠唱でも魔法は使えるのか。まあ、でも多分無詠唱で使えるのは簡単な魔法だけだろうな。そうじゃなかったらジャガーノルドとの戦いの時に無詠唱でフレイムテンペストを使ってたらあっさり勝てたろうしな。
「えっと、もしかしてオリハルさん、今まで魔力だけで魔法を使ってたんですか?」
「すまん、その質問がどういう意味かさえも分からん。魔力を使う以外に魔法を使う方法があるのか?」
魔法って、魔力を使って行う技法だから『魔法』って言うんじゃないのか?
まあいいや、魔物も全然居ないみたいだし、ユリーシャちゃんの魔法講座でも聴きましょうかね。
「ううん、魔法を使うには魔力が要るのは絶対だよ。魔力だけで魔法を使うのは“純粋魔法”って言うんだけど、それは効率が悪過ぎるの」
「効率が悪い? って事は、魔力と同時に何かを利用する事で魔法を効率良く使えるのか」
「うん。大きく3つの方法があってね。1つ目は魔力の増幅器を使う方法。これは名前のままだから説明は要らないよね?」
「ああ、そういえば俺の前世にもそういうルールで魔法を使ってる漫画があったな。杖とかそういうのだろ?」
「杖が1番ポピュラーだけど、これも通信の魔道具みたいに物凄い種類があるよ。わたしの服もそうだしね。でも、やっぱり杖が1番魔力が増えるかな」
服自体が増幅器か。それが戦いにおいては1番都合が良さそうだな。いや、でも破れたりしたら機能が落ちるかもしれないし、一概には言えないか。
でも、ちょっと予想が着いてきたぞ。増幅器で魔力を増やすのが1つ目の方法だとしたら、2つ目は単純に考えて──
「1つ目の方法が魔力を増やすんだから、2つ目は消費する魔力を減らすのか?」
「あ、やっぱり分かる? でも、どうやって減らすかまでは流石に分かんないかな?」
「減らし方か……もしかしてそれが詠唱か?」
「ぶっぶー、ハズレ。詠唱した方が魔法を使いやすいっていうだけで、消費する魔力を減らす効果は無いよ」
あら、違ったか。詠唱した方が魔法を使いやすいって事は、魔法を使う難度を下げる効果があるって事かな?
そうすると、ひょっとして魔力を自在に操作出来る『魔力操作』がある俺は、全ての魔法を無詠唱で使えちゃうのかしら?
まあ、ジャガーノルドと戦った時も適当に付けた名前の魔法を使ったりしたし、俺の気持ちの問題ってだけで本当は何も言わなくても使えたのかもな。でも言った方が気合いも入るしカッコいいから出来れば言いたいな。
勿論、そんな場合じゃなくなれば言わなくたってぶちかますつもりだけどさ。
「詠唱じゃない? だったら何だ?」
「ふふっ、オリハルさんならひょっとしたら当てちゃうかもと思ったんだけど、ノーヒントでは流石に難しかったかな」
「ノーヒント? ヒントで分かるって事は、ユリーシャに会ってから今までの間に答えがあるのか? 今までユリーシャと話した事で魔法に関係がありそうなのは……魔道具? いや、それは多分2つ目とは違うな。魔道具は3つ目の方法か?」
「おお、先に3つ目を当てられちゃった。そう、予め決められた魔法を封じ込めてある道具、つまり魔道具を使うのが3つ目の方法。通信の魔道具なんかがそれに当たるね。魔道具だと使える魔法が決められてるから、詠唱も要らないし魔力もほんの少しで済むよ。代表的なのはわたしのマント、それから増幅器にもなってるわたしの服もそうだね」
マントは収納で、確かユリーシャの服は防御力を増すんだったか。増幅器でありながら防御の魔道具でもあるって、やっぱり凄い高級品なんじゃ……。
そういえば今気付いたけど、ミスリルとクリスタルで出来たペンダントになった俺って、その増幅器と同じ状態なのかな。魔力の集まる量が増えたっていうのは。
でも、ユリーシャが魔法を使っても増幅したような気がしないし、何より変化があればユリーシャがそういうだろう。
にしても消費魔力を減らす方法か……今までの話にヒントがあるみたいだけど、何だ?
「……ギブアップだユリーシャ。2つ目の方法は何なんだ?」
「えへへ……それはね、精霊の力を借りるんだよ」
「おお! 成程、精霊か! そういえば時計の話をした時に時計には時の精霊が宿るみたいな話をしてたな!」
「そう、だからもしかしたらオリハルさんなら気付くかと思ったんだけどね。精霊の力を借りて使うのが“精霊魔法”って言って、精霊が魔法の発動や維持を手伝ってくれるんだよ」
「成程、じゃあユリーシャが使ってた魔法は“精霊魔法”で、俺が使ってたのは“純粋魔法”だった訳か。……で、どうやって精霊の力を借りるんだ?」
やっぱり契約するのかな? それとも、何か斬新な方法だったりするのかな?
「精霊に会って、魔法の実力を見せて精霊に認めてもらえたら力を貸してくれるようになるよ」
「へえ、実力を見せればいいのか。それで、その精霊にはどこに行けば会えるんだ?」
「基本的には精霊魔導師に精霊界に連れてってもらって、そこで魔法を披露して仲良くなるっていうのが多いかな。学校ではそうやってるし。そうじゃなければ……時々気紛れに現れる事もあるらしいから、その時に魔法を使ってみるとか?」
「え、それじゃあ魔物と間違えて魔法を撃ち込んじまいそうだな」
それで精霊を殺しでもしちまったら力を貸してもらうどころの話じゃ無くなっちまうな。
と思ったりしたんだが、ユリーシャは俺のそんな懸念を察したのかこんな話をしてくれた。
「あ、ううん、それは無いよ。精霊は現世では魔力が無いと実体を持てないから、魔法攻撃も物理攻撃も効かないよ」
「そうなのか? そりゃ安心……ん?」
今、俺の中で何かが引っ掛かった。
魔法が効かない? だとすると、もしかしてあの時のあいつらって……?
「どうしました? 質問があればどんどん訊いて下さいね、オリハル君」
「はい、ユリーシャ先生。魔法が効かないという事は、僕が飛ばしたソナーにも反応しないんでしょうか?」
「そうですね……普通の魔法使いは現世では魔力を渡すという干渉しか出来ませんので、オリハル君のソナーでも探知は出来ないと思います。ただ、飛んでるのは魔力そのものなので向こうは気付くと思いますが。唯一精霊魔導師は直接会話したりして干渉出来ますが、今はそちらの話は詳しくお話ししてもしょうがないので省略します」
何か急にユリーシャが先生風に話し始めたので俺も何となく生徒風に話す。そのユリーシャ先生の解答で確信した。
会話は出来なかったけど、あの草原に約1ヶ月の間居た時に時々現れて俺の寂しさを紛らわしてくれた藁人形達は、精霊達だったんだ。木の精か草の精かは分からんけど。
……決めた。この洞窟を出たらまずはあの藁人形達に俺の魔法を見せて、力になってもらおう。
俺がそんな決意を固めた頃、俺達はヴォルトが後生大事にしているらしい宝玉が安置されている場所に辿り着いたのだった。
他の人の作品を読んでいて、その人の活動報告ってほとんど覗きに行かない事に気付いたので、今後は何かあったらここで報告させて頂きます。
現在iPhoneの発売で仕事がかなり忙しく、まともに休憩も取れない状況ですので、落ち着くまでは中々更新出来ないかもしれません。
もし今月中にもう1本上げられたら褒めて下さい(ぉ
何はともあれ、今後とも「転生剣-progress sword-」改め「ひのきの棒から始まる伝説」略して「ひの伝」……と見せかけて「ひのまる」を宜しくお願い致しますm(_ _)m