ゴブリンキングの鳴動 その15
ここなら大丈夫だろう。
下は毒の沼と枯れきっていながら血を求めてか蠢く木や草花たち。
辺りに埋め尽くされるような巨石の岩場からは紫色の噴気があがる。
『ここなら、誰も来ないだろう。殺りあおう。』と、わし
『何処だろうとかまわん。そこで死ぬはお前だ!』とオークキングという少し痩せた神経質そうな男の顔をした魔神もどき。
同時に魔法を打ち合う。
《黒炎》《黒雷》を打ち込むわし、《アトミックレイ》オークキングが右手のひらをこちらに向け光線を発射。
魔法の盾やダメージ遮断の障壁で打消しあうわしら・・・
次の瞬間、わしの右腕が肩ごと持っていかれた。
わしの防御力を超えた?
魔法の盾の展開量とダメージ遮断の障壁数増やさないといけないか。
急速再生をかけながら。
打ち合う。
《アトミックレイ》は、単発なのかと思って防御を集中させようとしたらそれが来た。
拡散させたのか?連射したのか6発のそれがわしを襲った。
なんとか、5発までは凌いだが、最後の1発は思わず避けてしまった。
遠くに見える山にあたって爆発が起きていた。
おい!山の上のほうがごっそりなくなった気がするけど・・・
わし、あんなの受けてよく右腕だけですんだな。
何か小さい鳥のようなものが大量に空を舞っている。
最初は吹き飛んだ瓦礫かと思ったのだが違うようだ。
でも今はそういうこと気にしてる場合じゃない。
目の前のこいつを何とかしなくちゃ。
離れて魔法で打ち合ってもきりがないとわしは思っている。
接近戦で一気にかたをつける。
ルーン文字ぶっかき丸×6を展開。
再生終了したわしの右手で持つぶっかき丸に
『本気でいけよ!ぶっかき丸。』なんか、ぶっかき丸が答えたきがした。
向こうは右手に持つ巨大な肉切り包丁にルーン文字を纏わせ大きさを6倍にしたそれをわしに振り下ろしてきた。
ゆっくり傾くだけのそれは、緩慢な動きなので簡単に避けれそうだったが・・・実際は周りにあるものを巻き込んだ気流のようなものを纏っている為吸い込まれそうになる。
わしは、ルーン文字ぶっかき丸を横からぶつけるようにして軌道を変えた。
それは、地面を切り裂きその後爆発がおこる。
巻き込まれまいと無数の魔法の盾が消滅する音を聞きながら。
両腕をクロスしながらガード・・・
溶岩のように赤く焼けた岩が物凄い熱量を作り出している。
こわっ!
わしなんとかできるんじゃろか?
こいつ、強すぎない?
もう一度振り上げた肉切り包丁を、わしの頭上から真一文字に振り下ろすオークキング。
今度はさっきとスピードが違う。
わしは、ルーン文字ぶっかき丸×3をぶつけた。
『やれー!!』吹き飛ばせぶっかき丸。
振りおろされる肉切り包丁にぶつかった3本は肉切り包丁に押されながら・・・・衝撃波を同時に出した!
押し返された肉切り包丁に少し驚いた顔をしたオークキング。
次の瞬間には横薙ぎででそれはわしを襲ってきた。
わしはルーン文字ぶっかき丸×3でさっきのように受けさせ。
衝撃波を発動。
受け止めさせる。
残りのルーン文字ぶっかき丸が肉切り包丁に襲い掛かった。
激突したとき、肉切り包丁のルーン文字の光が少し明滅した。
そこに衝撃波×3が襲った。
普通なら腕ごと消し飛んでもおかしくない破壊力と衝撃を後方に腕を持っていかれ上体をそるような格好だけで止めるオークキング。
肉包丁のルーン文字は消えた。
オークキングの目はその態勢でありながらわしの姿を見ていた。
ぶっかき丸を構え向かって来るわしを。
ぶつかり合うわしら。
両者の魔法の盾とダメージ遮断の障壁の多量の破断消滅の音を聞きながら。
衝撃波で、肉切り包丁が砕け。
吹き飛ばされ巨石にめり込むオークキング。
『ぐっ!!』呻くオークキング。
終わりじゃないぞ。
オークキング。
まだだ。
それは向こうも同じらしく目で語っていた。
だが、6本のルーン文字ぶっかき丸がオークキングの命を狩りに襲った。
衝撃波を伴って。
オークキングは自身をめり込ませた大岩と共に衝撃波を受けた。
吹き飛ばされる大岩。
『うおおおおおおおおお!!』
後方に飛ばれてながらも、それは叫んでいた。
何度か、進行方向にある大岩を破壊しながら、地面に落ちるオークキング。
これで、ダメなら。
わしに勝ち目はないか?
下半身をごっそり失い、両肩から先も失って転がっているオークキング。
殺ったか?と用心しながら近づくわし。
目を閉じ息もしてないかに見えたオークキングが、カッと目を開いた。
口からの雷撃のブレスがわしを襲った。
左肩からわき腹まで吹き飛ばされ。
わずかにつながってぶら下がっていた左足も今落ちた。
魔法の盾も障壁も一瞬で吹き飛ばされた。
『ふっ。なめられたものだ。』オークキングは急速再生をかけながら浮遊した。
わしも急速再生をかける。
あはは~
ダメかも。
強いよ、こいつ。
右手の構築を終えた。
オークキングが《アトミックレイ》の連射を撃ってきた。
わしはルーン文字ぶっかき丸×6でそれを相殺する。
霧散する両者。
『なんだと?』オークキング驚愕した。
オークキングの前にいたわしは完全に修復された状態で対峙していたからだ。
急速再生でオークキングはまだ右腕のみだ。
何故こんなに早く回復する?
『貴様は何故そんなに強い!!』オークキングがわし向かって叫んだ。
雷撃のブレスがわしに向けられた。
わしは、ぶっかき丸任せの一撃をブレスに見舞った。
『ぶっかき丸は切れ味は最低だが、破壊力は最高なんだぜ!』
雷撃のブレスを破壊し。
ブレスの勢いに押し込まれ止ったと同時に、ぶっかき丸は衝撃波を打ち込んだ。
体をひしゃげさせ無数の魔法の障壁と自身の魔力の大半を失いながら耐え抜いたその一撃。
『は~。は~。絶えたぞ。いくらお前でももう打つ手はあるまい。ゴブリンキング』
やっぱりね。
お互い魔力は失っている。
ぶっかき丸は今の雷撃で加熱中わしの右腕もジュージューいってるわけで、体の状態的には圧倒的にわしが勝ってるけど・・・・
《アトミックレイ》
わーい、無常だわ。
次の瞬間、何とか構築してた魔法の盾と障壁を消し飛ばしわしの右腕を肩と胸の一部ごと持っていった。
ゴトリと地面に落ちるぶっかき丸。
わしとオークキングはにらみ合い回復を待つ・・・
先に動けたほうが相手の命を薙ぐのだ。
お互いに食い殺す気持ちを隠さない獰猛な笑みを浮かべていた。
が。
『ぐっ!』とオークキングが言ったかと思ったらその背の一部が弾けた・・・・
やっとか・・・
こっちだってかなりやばい状態だったのに・・・・
そう、この地はまだ汚染されている。
そんなに長くいたら影響でないわけないんだ。
わしもお前もな。
背から6枚の黒い羽を出そうとするが弾けゆがんだ状態でもがき悲鳴を上げながら赤い帯の光を発しながらランカル島にあるオークの城に向けて逃げた。
『逃げた。良かった。』
わしも戻るか。
わしは生体鎧である服をぎこちなく動かしぶっかき丸を拾う。
よかった、ばれなくて・・・
張りぼてだもん。
今も中身再生してないし。
さて、わしも汚染されててあちこち服の中では破壊されている。
急速再生なんか間に合ってない。
少しずつ治ってるだけだ。
さて、あいつらどうしたかな~
わしは、魔神モードなのにヘロヘロ飛びながら第二ゴブリン城に向かった。




