ゴブリンキングの鳴動 その11
ハイエナキングは、キャクルフィーンド・ハイエナを引き連れハクと対峙していた。
ハイエナと言うとあの掃除屋のハイエナであるが、このハイエナは二本足で歩くコボルトのような存在である。
なんでも、ビーストモードとヒューマンモードの二つがあって~とか、メアリーがいたら説明されるんだろうなぁ~。
『おまえらはよぉ~!俺等と被ってるから気にいらね~んだよ~!』うちのノール達の一人が叫んでる。他のノール達はまったくの同意のようだ。
ハクより前に出て。
両者がガンの付けあいである。
一歩もひかないし。
両者共に威圧しあい脅しあっている。
ゴブリンキング様の軍と言うことで、手綱を引き気味にしていたハクだが。
後ろの牙狼族を見て突撃命令に変えた。
自分の後ろにいた牙狼族達も牙をむき出しにして今にも襲い掛からんって顔をしていたからだ。
ハクは自らの遠慮に笑った。
『一人も生かすな!殲滅せよ!!突撃!!!ノール達に遅れをとるなよ。』とハク
一斉に遠吠えが辺りに響き渡り。
両者はぶつかった。
キャクルフィーンド・ハイエナは、全体黒色斑は全く目立たない。
背に刃所の棘を持ちノールより大きい。
光る目は黒目がなく。
いつもよだれを撒き散らしている。
防御より攻撃を好むらしく大斧や大剣を好んでもっている。
膂力では大きいキャクルフィーンド・ハイエナが、圧倒していた。
圧されるノール達、だが戦線を崩すことはない。
『根性~!!』とか叫んでいる奴がいたがそういう問題ではないだろうが。
やっと、敵の一人を倒すことの出来たノールがいたが。
『ぎぃやぁぁ~!!』急に叫び声を上げたかと思ったら。
じゅうう~っと、すさまじいい音を立てキャクルフィーンド・ハイエナの血を浴びたらしい場所が焼け焦げる。
酸だ。
相手を追い詰め重症状態にすると、血液が酸となり血に触れた敵を痛めつける。
仲間がしに行くさまを見て笑うキャクルフィーンド・ハイエナ・・・
『なんなんだ?こいつ等本当にこの世界の生き物か?』と牙狼族の一人が言った。
キャクルフィーンド・ハイエナの特殊能力はそれだけではなかった。
敵と組み合っているキャクルフィーンド・ハイエナが突然咆哮をあげた。
すると、咆哮を向けられたノールの頭が吹き飛んだ。
・・・・・咆哮砲・・・・だと・・・・
一斉にあちこちで同様なことが起きた。
戦線をかろうじて維持していたノール達だが、あちこちで乱れを見せ始めた。
『ノール達と入れ替われ!』どっからともなく声が聞こえる。
ぶつかり合う。両者の兵をまるで無視するかのようにゆっくり自分のもとに歩んでくる影にハクは気がついた。
ハイエナキングだ。
キャクルフィーンド・ハイエナよりかなりの巨躯。
灰地に黒のぶち。
だがその大部分は血で汚れ見る影もない。
青龍刀の背に5つの輪がついている不思議な形の刀を右手に持ち背に同じ物を背負っている。
『お前がコボルトキングか。
我は、ハイエナキング。
オークキングに仕えこの地にいる。
ゴブリンキングなどと言う、愚かな者に組するお前など相手にするまでもないと思ったが、お前を食い殺し我が、コボルトキングになる!そのためだけにここに来た。』とハイエナキングは濁った眼でハクを睨みつけそう言った。
『残念だ、私はお前など喰いたくもない。・・・・・が、ゴブリンキング様を侮辱されるのは気に入らぬな。』
体を低く構え居合いの姿勢をとるハク。
体全身から発するかのような気魄すら見えるようだ。
怒りのこもった目でハイエナキングを見るハク。
『万死に値する!!』
動いたのは、ハイエナキングのほうが先だった。
『円月流七連撃!!!』
一度体前に円をかきその後に放たれる、名前通りの高速の連撃。
ハクは迎撃の動きをとった。
『一閃!』居合いの姿勢から放たれる高速の一撃。
攻撃はその七連撃を全て撃墜したはずだった・・・・
だが、ハクは大きく飛びのいた。
次の瞬間ハクのいた場所が切り刻まれた。
ハイエナキングが構えなおす時何かが見えた気がした?
『どうした?逃げては我は倒せぬよ。』その顔はハクをあざ笑っていた。
再びハクに襲い掛かる七連撃。
ハクは回避を続ける。
数撃後、ハクはとまった。
居合いの形だ。
『こりぬか?』ハイエナキングはあざけった声で言った。
自らの前で円をかき・・・・
その後での七連撃。
『一閃!!』ハクは渾身の一撃を放つ。
キーンっと張り詰めたような音がする。
『受けきっただと?』とハイエナキング
ハクの振るった刀が青白く光っていた。
気を武器に纏わせ攻撃力・破壊力を上げる技・・・・気闘法
『糸だ。』ハクが言った。
『ふっ。見破られたか。』と、ハイエナキング。
青龍刀の背につけられた5つの輪それにつけられた目に見えぬ程の細さの鋼糸それがこの攻撃の答え。
7連撃とは真っ赤な嘘
実際は42連撃だったのだ。
見切るハクもハクだが、その鋼糸に気を纏わせ一本一本に七連撃させる、ハイエナキングもハイエナキングだ。
『だが、これならどうだ?』背から今まで振るっていた武器と同じ物をとりだす。
二刀。
『円月流双刀七連撃!!』声と同時にハクに無数の攻撃が向かう。
『一閃!』振り切った後。
まだ襲い掛かる連撃の波に刀の鞘を振るい続け迎撃するハク。
攻撃を受けきった後。
鉄できていたはずの鞘が・・・・くだけた。
『次はどうする?』とハイエナキング
ハクは砕けた鞘を腰に戻し。
右手で刀を水平に保ち後ろに引く。
居合いのときのように姿勢を低く保ち。
左手は相手にむかって抜き手。
『突の形』とハク
ハイエナキングは体の前に二つの円をかく。
『切り刻まれろそして死ね、コボルトキング!』
両者の攻撃は発動していた。
そのとき、ハイエナキングは、自分の胸に飛び込む一陣の白い風を見た。
ハクの攻撃のほうが当たるのが早かった。
高速での接敵、ハイエナキングの胸を貫き気をのせた刀がその破壊力を解放。
ハイエナキングの上半身が爆散した。
青龍刀を持った両手がちりじりに飛んでいった。
残った下半身が倒れ。
刀を鞘に納めようとするが、砕けたことを思い出すハク。
苦笑いを浮かべ。
刀をふるい血を飛ばし。
肩に担ぐ。
さて
戦場は?
牙狼族が気闘法を用いて一撃必殺でキャクルフィーンド・ハイエナを倒し始めたようだ。
ノールや足軽コボルト達が牽制し、その間に気を練る。
まだ、殲滅には時間はかかるだろうがじき落ち着くだろう。
時間はあまりかけれんのだがな、敵側後方のオーク共がいつ前に出てくるかわからん。
あんな大軍が来たら、いくら我等とて数に圧されるは必定。
転進命令をいつ出すか思案しているところに・・・・
『ひぃえ~!!どわぁ~!!』と空から声が・・・
む!私、ハクも自身も何故か恐怖を感じるのでそちらのほうは見れないが・・・・
転進命令を出してないが、私の後に続いて第二ゴブリン城のほうに自軍全体が向かいだした。
『敵はどうした?』とハク
『そんなの怖くて見れません!!!』と、始めて見た泣き顔の牙狼族の部下
私も、こいつと同じように泣いているんだろう。
と、ハクは思った。




