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ゴブリンキングの黎明 その22

バカ息子を見送った後、

私は、町にいた住民を勝手に避難させた城の地下に向かう。

『あんたらの中に戦える者はいるかい?』と聞く。

『俺らはまだ戦える!』と『おう!』と答える者達がわずかにいた。

魔界の住人も年老いる。

兵だった者も引退の時期があるのだ。

それ以外にも武器防具などの生産に目覚めたりする者もいる。

それと、まだ若過ぎる者も・・・

その者達が立ち上がった。

『頼みがある!』と、私

『あんたの頼みなら引き受けよう。おかげで、まだ生きてる・・・これから死ぬかもしれんが、出来ればここにいる者達だけでも助けてもらいたい。』

『任せておきな。』と、しわがれた声を出す私

『い・・いいのか?任せておけで?生き残れるのか??この者達は?』

『ああ、あんたらも生き残ってもらいたい。任せておけ。生き残らせてやるさ・・・そして、たんと私らのとってきた魔獣の皮を受け取ってもらうさ、嫌って程ね。』と、ウィンクして見せた。

戦うと言ってくれたものの中に、革職人のおっさんがいたのだ。

わ~!!

と、歓喜の声で沸き立つ地下で・・・

おっさんとガッチリと手を握る私。

そのままその者達を連れ、王座の間に行く。

ギョッとした顔の衛兵を下がらせ、王に会う。

『この者達を王の守りにつける。今ついているものは前線で戦ってもらう。いいね。』と言うとかなりの怒号と悪態の声が響く

その中で・・・王は

『我等は、この者とその息子と名乗る者達に国の命運をかけた。それはかなり分の悪い賭けでもある・・・だが、今この状態でもまだこの国が落とされていないのは、この者のおかげ・・・皆の者、死地を恐れ逃げ出すならばそうするがよい。だが、この国が残った時・・・その時、その者達はどうするのだ?今目の前にいるこの者の不興を買ったその者達は?・・・賭けたならば最後まで勝負を受けるべきだ。私はここに残る最後までな・・・まぁ、それが最後になるかはわからんが。』とニヤリと笑った。

『分かりました。王をお前らに任せる。』と兵達は言った。

『じゃあ、行くよ。』と今までいた兵や重鎮たちを率いて王座の間から出ていく。

城壁より中がすべて戦場になるのだ。

雪崩れのように襲ってくる敵の排除をせねばならない。どんなに多くても足りる事は無いのだ・・・といっても6国を相手する段階で足りないことだらけなんだが。

すり鉢状の窪みの底にあるこの城は、周りを取り囲まれて魔法を撃たれると弱い。

高低差で、通常に打ち合うより遠距離に届いてしまうからだ。

逆はまた不利なのだ。

だからこそ、強固過ぎるほどの魔法防御がなされていた。

物理的なものにしても強固な防御がなされている・・・

しかし敵は、数にものを言わせすり鉢を滑り降りてきたのだ。

そして、外側の城壁を破り町に襲いかかった。

今残っている城壁の数は2。

明確だ。

それを、息子達から連絡があるまで守ればいい。

それだけの事だ。

王座の間・・・

玉座に座る王・・・かなりの無理をしているのだろう顔は青白く精神統一しながら・・・

『すまなかった。』

『ん?』

『お前たちを犠牲にした・・・』

『?』

そうだ、この世界では当たり前だった。

だが、この者達にも心があり気持ちもある。

見殺しにしたのだ・・・

その者達に守られる・・・いま、この者達に襲われれば私だけでは太刀打ちできまい。

この者達に命を預けることになった?生殺与奪件はこの者達にあるのだ・・・虐げてきた者達に・・・

『安心しなよ、王様。俺たちは約束したんだ。あいつは任せておけって言ったんだ。小さい体で・・・でも、強い瞳で・・・だから俺たちはどうなろうとあいつを信じることにしたんだ。きっとこの国を、今地下に避難してる者達を助けてくれるってな。だから、王様も頑張ってくれよ。俺たちが出来る限り守って見せるからよ。』

目を見張る王。

何がこの者達を戦士に変えた?

約束だけでか?

信じると・・・

『頼む・・・・』そうして、王は再び精神を集中させた。


外に出ると煤けた匂いを運ぶ風があたりに吹いていた・・・

それを一頻り嗅ぎ。

『い~い~風が吹いてるじゃないか!ひと狩り行くかい!!』と、私は歯をむき出しニ~っと笑った。


『城壁が!』悲痛な声

外側の城壁の一部が崩れる音、雪崩を打って攻め込む敵の兵・・・それを喰いとめるべく戦いを始める音が響く。

『さぁ、行くかい。』と、右手に巨大な斧を出す私


もう目はその音の方に

走る。

斧に気を通す・・・気闘法だ。

デカい魔鉱製の斧・・・あちこちにつけられた魔石が、私の魔力に反応してチカチカと明滅する。

疾る。

斧は青広い光を放射状に伸ばす。

魔石は今にも爆発しそうな震動音をまき散らし・・様々な属性の光を現象をたなびかせて・・・斧は振るわれた。

ドグァ~~ドド~~~ン!!!!!!!

爆発的な破壊の音を引き連れて私は敵を討つ、片っ端からだ。

新たな脅威に脅えた敵は、城壁の外へと逃げまどう。

そして城壁の外には使役した魔獣が、ブレス攻撃の準備をする。

狙いはもちろん私だ。

斧を掲げそれに対応する。

ブレスの光弾の束を受けて・・・爆発の連続が大地を揺らす。

しかし私は疾走はしる

止まる事は無い。

その時私は私の中のあるゲージを見ていた。

貯まっていくそれは・・・

あっという間にたまったそのゲージ。

そして・・・

《リミットブレイク》

ブレイク技発動!!

《タイタンスタンプ》

震脚の上位互換技だ。

上方から巨大な圧力が、魔獣達とそれを使役する者達を巻き込み一瞬で押しつぶす。

グッシャ!!!!

その間も、私は敵に斧を振り続ける。

なんだあれは?と敵の将軍を恐怖させた・・・

『まさか、覚醒者か?』

なんでそんなものがここに?

そして、将軍は見る。

獣のように疾駆しながら大斧を軽々と振るいながらもこちらに向かって来る、小さな存在を。

そして・・・

再び。

《リミットブレイク》

ブレイク技発動!!

《獣の狂気》

バーサークの一種。

意識が獣のそれに近くなるが総ステータスの極端な上昇がある。

斧を振るい並みいる敵を吹き飛ばし、突然敵の腕を食いちぎり・・・

『肉だ!肉を食わせな!!』と叫びながら暴れまわる。

滴る血を糸のようにひきながら、その疾風は止まらない。

蒼白い炎を上げる斧の光も、そして呻き響き渡る魔石の悲鳴も・・・








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