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ゴブリンキングの有閑 その3

いつの間にかもとの大きさに戻っていたわしは大型種の猪に荷台をつけたものに乗り込んだら、湯上りの女性陣5人とそれを護っていたロード種が乗り込もうとしていた。一台では乗り切れなかったので3台に分乗した。

『急げ!!砦に!!いや、城までの道の中間地に!!!』なにやら、チリチリする・・わしの感覚がそう言わせた。


燃える砦・・・メアリーとシロ、ロード種数人を乗せた猪車が砦に向かった。

『救護してくる!!』とメアリー


『支援につきます!』ともう一台も砦に向かった。


砦は彼らにまかそうと思うわし、なぜかもうそこには敵はいないと思う自分がいる。


『急げ!!まだか?』と、わし

落ち着けとビシュヌがポンッと肩を叩く。

時間が長く感じた。

メアリー、シロ。砦のほう頼んだぞ。


木々の間をすり抜けるように走る枝や葉がわしらに当たっている。肌を切る痛みを感じるが気にしてはいられない。

森を抜ける。

道だ!!

だが、何もいない?左右を見てもだ??


敵は道を避けて森の中を走っているのか?


『いた!』

『いたぞ!!』

ホーリィとビシュヌが同時に叫ぶ。


二人が見ている方向にわしも向くが何も見えない。


無数の矢と魔法が突然わしらに降ってくるように向かってきた。

ビシュヌとホーリィが、とっさに魔法の盾を展開したようだが間に合わなかったのか、ロード種の一人の太ももに矢が突き刺さっていた。


ホーリィが治療に向かう。

『傷を!』

慌てて足を差し出し傷口からかををそむけるロード種『ぐッ』っと言う声とともに矢が抜かれ同時に治癒の呪文がかけられる。


『この下郎どもが!』とビシュヌがわしには見えぬ敵に対して広範囲の雷撃呪文を展開した幾条もの稲光が天空より地上を焦がす。

その稲光の中に・・・人影・・・


隠匿の効果が今の一撃で解かれたのか。

かなりの人数がいる。


ロード種数人に護られながら、荷台から降りるわしらをそいつらは見逃さなかった。

数では向こうが上だ。

でもな・・・戦力的にはどうだろうか?


そうこうするうちに、角笛の音と銅鑼を叩くような音にこちらに向かってくる行軍の音が城の方からこちらに向かってくる。



敵はその音に気をとられたのか勢いがそがれた。

一瞬だったが・・・百はいるな。

向かってくる敵に対してわしは迎え撃つように走った。

小さいままだが仕方がない。


わしに続くようにロード種たちが抜刀突撃する。

敵の攻撃は軽いが鋭い。

敵全員が金髪で緑色をメインにする色調の装備をつけている・・・・まさか?エルフか??


まずい、数が違いすぎる。

わしは大丈夫だが。

ロード種たちの負傷率が高い・・・・決して弱い彼女達ではないが・・・戸惑いからか手が遅れる。


何かを察したホーリィが箒を赤いハルバードに変えてこちらに向かってくる。

『ふせて!!!』飛びのく、わし。伏せるロード種。

その頭すれすれに、一秒間に1000発の魔法の槍が敵に飛んでいった。

魔法の盾を展開して耐える者もいるが、槍の濁流に飲み込まれた・・・


敵の後ろからはゴブリンジェネラルを先頭に、かなりの大部隊が向かってくるのが見える。

『遅いよ!!』しかし、あれだけの大軍を動かしてるんだ。遊撃隊のわしらよりも進軍が遅いのはしかたがない。


『敵200』ロード種の誰かが言った。

ふむ、この戦闘中に冷静に敵の戦力を数えていたか。優秀だ!その前に戦え。


あれだけホーリィの魔法を受けながら立ち上がれるとは魔神並か?

装備を犠牲にしたか?

彼らが持っていた銀製に見えたラウンドシールドが形を失い革の止め具になにやらの金具がついているような状態に変わっていた。


ダメージもかなりだったようだ。


後方にいた者と前衛を入れ替えている・・・後方の数十人がゴブリンジェネラルのほうに向かったのが見えた。


足止めだな。


魔法や弓矢で近接戦に参加していなかった部隊を前衛出した敵は攻勢をかけようとしたようだ。


そこに、ビシュヌの広範囲雷撃魔法が完成していた。

激しい地響きと爆音を響かせてさっきより破壊力の大きい魔法が炸裂した。


『ふん、這いつくばるがよいわ』


『まだです!』


帯電状態のまま起き上がる敵・・・そのおのおのが体の回りに、手のひらの上に精霊を呼んでいた。

光・火・風・土・・・・

まだ、あきらめないようだ。


敵は撃退する。

相手に情けはかける必要はない。


わしは、ぶっかき丸をかまえる。


が、その敵に力場の柱が降ってきた。



もう立ち上がれる敵は一人もいなかった。聞こえるのはうめき声と、ごぼっという音。

肉の焼けるにおい、血のにおいか。


やっと来たゴブリンジェネラルの部隊に、自軍の兵の治療を命じて。


敵の確認をする。

笹の葉のような形の耳

色白の肌・・・煤で汚れて茶色くなっているが金髪なのだろう髪・・・

やはり、エルフか。

しかし、エルフがなぜ?


『まだ、息のある者がいます。始末しますか?』とロード種の男が言った。


いや、治療しろと命じる。


どちらにしろ攻めて来た敵を容赦しない。

相手がどこのエルフか調べる必要がある・・・それに、砦の様子によっては生き残ったことも後悔させてやらねば・・・


服を脱がされ裸にされたエルフに、魔法対策の為さるぐつはと手枷をはめる。

裸にするのは、何を持っているかわからないからだ。

もちろん、暗鬼武器を隠している場合もあるので入念に調べさせる。


砦の方からメアリーが来た。

砦は、一人を残して全滅。

周りにいた非戦闘員だったものも含めて40人がやられた。

兵隊達より非戦闘員のほうが傷の数が多かった。

いたぶって殺したのか?

助けをこうただろうに・・・


わしは、即断で敵の取り扱いを決めた生き残っていたエルフは20匹。

オス10匹、メス10匹か・・・・選んで助けたわけではないんだがな。


治療を終えたオスエルフ一匹を逃がす。

戦闘の結果と生き残りがいることを伝えさせるのが目的だ。


もちろん・・・

『いるな?』

『はい、こちらに控えております。』

『わかるな?』

『はい、追います』と、上忍コボルトは、わしの前から消えた。


残ったエルフ19匹を城の地下牢に入れることにする。

久しぶりに、ここに来たが。何やらが封じてあるのか呪いの符が多量に張られて鉄格子の内側に石壁がつけられている場所があるんだが・・・何がはいってるんだか・・・そのうち、誰かに調べさせるか・・・

そこはどうでもいいとして、一番奥のかなり広い牢屋がある人間なら100人ぐらい入れられそうだ・・・


そこに、エルフを入れた。

先客がいるが気にするな・・・たかだか、ハイボアオークとボアオークプリーストと岩山で作業してたボアオークだ仲良くするんだぞお前ら。



次の日、ハイボアオークが一匹死んでいた。

首の骨をおられたらしい。


まぁ、いいか。

牢から死体を運び出し荼毘に付す・・・・モグモグ。


戦闘で死んだエルフをまとめて焼いて埋める。


戦死した兵と被害にあった者たちの為に墓を作らせ。遺族達とともに泣く・・・・エルフ許すまじ・・・山エルフ除く・・・


そうだ、山エルフに相談しよう。

向こうが仕掛けてきた戦争だこっちに非はないが、山エルフなら何か言い解決法があるのではないか?と、思ったり・・・

怒りに任せて、オークキングの時のように皆殺しにして~というわけにもいかんだろうし。


早速出かけるわし。


数日後、何でここにいるのがわかったのか山エルフの住んでる山を垂直崖上りしている最中に、上忍コボルトがわしの横に並んで壁上りしながら報告に来た。


『城の南に行ったとこにあるエルフの王国に戻りました。そこの兵士でしょうか?』

『ん?どうした?はっきりしないな?』

『はい、入って行ったのは入って行ったのですが。魔法による木々のラビリンスが設置されていて王国内の調査が出来ず。』


『しかたないさ、ご苦労だった』わしは上忍コボルトの頭をナデナデした。上忍コボルトは尻尾を振りながら去って行った。


山エルフの家の前について、扉をノック。

いぶかしげに顔を出す山エルフだが、わしを見て笑顔で家に迎えてもらった。

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