ゴブリンキングの外憂 その19
海風は空の上でも気持ちがいいそう感じながら下を見ると脂と鉄臭い船の一団が互いに闘ってるのが見える。
乱戦なのかな?
とばっちりの矢とかが私達の船に向かってきてるんだけどケルベロスや双角牙狼族の迎撃ではじかれている。
時々魔法の光が見えるのでカリンが、がんばってるのかな・・・何故か口元が緩みフフフと笑ってしまうのを禁じえないマツハ。
『マツハさん、無表情で笑うのやめて~、怖いから。』などとホーリィさんに言われた失礼だと思った。
『・・・・・・失礼・・・・』
『いやいや謝らなくてもいいですよ。』
ん?なんだか通じていないが面倒なのでいいと思う。
船に降りると状況を伝えに集まるケルベロスや双角牙狼族とカリン・・・そして、なぜかティーカップオーク達。
状況が把握できたのかどうなのか分からないが、にっこり笑ってホーリィさんが再び飛び立つ。
多分分かってないですね。
何が起きるか大体は予想できるので・・・・
『・・・・・魔力増強・・・・・術式多重展開・・・・・・』私に周りにマナが集まってくる。
争っている船の群れに真上に赤いハルバードに横座りになって高空に静止するホーリィさん。
左手を上に上げ何かを召喚。
争う船の船員達の中で上を向いたまま呆然とするものが現れ始めた。
『おい何をしている戦え!!』そしてその声をかけた男も上を見て唖然とする。
高空に群れる力場の柱・・・
空を埋め尽くしているように見えるんだろうなと感じる。
振り下ろされるホーリィの左腕。
糸が外れたかのように一斉に落下する力場の柱たち。
『回避~!!!』
『逃げろ~!!!』
叫ぶ水夫、戦士団。
そんな場所ないと思う。
あ、ホーリィさん冷静なんだ。
船に直撃は一切なかった。
『脅しにはなりましたかね?』
うんですね。
でも、そんなに力場の柱落としたら・・・・
柱が着水した衝撃で海が荒れ、船同士がぶつかりあい互いにその衝撃で沈んでいった。
『あれ?あれれ???』
柱の下にいた船のほとんどが沈没するのを眺めながらかなり驚いているホーリィさん。
驚いているのは私のほうです、この事態が思いつかないあなたの頭に。
そして、うがたれた海は津波となり港に押し寄せた。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
予想の範囲内。
15メーテぐらいの高さの津波・・・・
ちょっと汗が・・・・
・・・・・・・・バカ・・・・・・・・
心の中で言っておいた。
前方、津波に向かって術式を解放する。
『・・・・・・・・・ん・・・・・・・』
津波が港に殺到する。
平坦な陸地に出来た港町であるこの地はあっという間に飲み込まれる。
被害は甚大だ。
何もしなければ。
何もしなければだ。
津波は何かにぶつかった。
眼に見えない壁?
光のきらめきの連続を引き起こしながら。
津波の衝撃、勢いをそいでいく。
見えぬ壁は、この町を半円で護っていた。
は~っとため息をつく。
落ち着いた海を眺めながら、後ろを向く私。
カリンを見ながら。
『・・・・・・・・・魔法の楯、ダメージ遮断の障壁を多量多重展開しての防波堤・・・・・・・・・・』
うんうんと両のこぶしを胸の前にしながら頷くカリン、心なしか頬が高潮しているように見える
まぁ、相変わらずの無表情なんだが・・・
『・・・・・・・・・ホーリィさんは、いつもやり過ぎ・・・・・・』
ゴメンゴメンと謝りながら船に戻ってきたホーリィさんを見ながらつぶやいてみる。
カリンの頭をなで。
『・・・・・・・留守番・・・・・・頑張った・・・・・えらいえらい・・・・・・』
相変わらずの無表情・・・・でも、尻尾は正直だ。
よしとしよう。
『がんばった~』
『えらい~?』
『なでなでして~』
と、わらわらと何故か集まってきたティーカップオーク達をホーリィさんと二人で撫でてみる・・・・・。
・・・・・・・・かわいい。
だからいい。




