6月1日 その五
ログインすると、さっきの草原である。
このゲームではログアウトしても街などの安全な場所に移動しないようになっているらしい。
『とりあえず、スキルを覚えるか。』
俺はスキルストーンを使い、自分取りたいスキルがあるだろうか確かめた。
このゲームは特定の行動や、スキルLVになると新しいスキルが手に入るが、
その情報はログやステータスでは確認できないようになっている。
だから一つ残しとかないといけない。
『お、良かった。あったか。』
俺が取ろうとしたのが[蹴り]と[料理]だ。
理由は、[殴る]と[蹴り]が20LVになると[体術]になるから。
それと、[料理]は、当分ソロだからな。必須だろ。
『んじゃあ、何するか……[見習い錬金術師]があるからなんか作るか。』
俺は生産作業をするために、丘のちかくにあるセーフティエリアへ向かった。
すり鉢と擂り粉木で薬草をすり潰す。本当だったら、[調合]でぱぱっとポーション作ってやるぜ!
とかおもってたんだが………
『まさか、リズムゲームだったのか……』
しかも、[調合]を使って作るのと、実際に作るのでは出来上がりに結構な差が出来るそうだ…
『まぁ、作りますかね。』
作り方は
①[水]と[薬草]用意する
②リズムゲームもどきをする
③完成
出来たものを[鑑定]してみると…
[ビギナーポーション][HP+23]
これを13回程繰り返すとLVUPした。
BPがまた増えたが、俺はこういうポイントは限界まで貯める派だ。
(そのせいでドラ○エのポイントを無駄にしたことがある。……限界が無いことを祈りたい。)
他にも色々作った所で街に戻る。
今回はプレイヤーが露店を出せる露店街へと向かった。
因みに
NPCの店や家があるのが北東、
学校があるのが北西、
プレイヤーが露店を出せるのが南東、
教会や商会ギルドがあるのが南西
となっているらしい。
しかし………
『人多すぎんだろコレ……。』
ポーションなどを求める戦闘職、
素材を求める生産職、
それに加えてNPCの人々。
全ての要素が混ざり合い、ここは混沌としていた。
『誰に話し掛ければいいんだか………』
俺はため息を尽きながら歩き始めた。
「!ーーーー!」
まずNPCか、プレイヤーかだよなぁ……
「ーーーる?」
プレイヤーならNPCよりZILはもらえるだろうし、
「君!ちゃんとーーてる?」
でもNPCならクエストが出るかもしれんしなぁ………
「ねぇ君!!」
『うぉっ!!』
「やっと反応してくれたよ………」
この時は自分の種族がバレるなんて思っても見なかった。