6月1日
書き直し (H29.07.18)
六月一日。正式にゲームがスタートする日だ。姉妹にゴリ押しされた身ではあるが、昨日は楽しみすぎてあんまり眠れなかった。子供か。
[Invent Onlineへようこそ!]
[まず初期設定を行います]
[キャラクター作成を行います]
[既に作成済のキャラクターが存在しています]
[既に作成済のキャラクターを使用しますか?]
[はい] [いいえ]
[作成済のキャラクターを使用します]
[次にキャラクターの名前を設定して下さい]
[NAME:____________]
[他に同じ名前が存在しないか検索中………]
[存在しませんでした]
[NAME:shine でよろしいですか?]
[はい] [いいえ]
[次に種族を設定します]
[それぞれの種族の特徴は音声にて対応いたします]
[人 獣人 亜人 ランダム]
[獣人と亜人には三種類ずつあることにご注意下さい。]
『なんかここまでSFチックすぎて言葉が出なかったな……。とりあえず、ランダムはどんなのかっていうのと、やり直しはできるかについて教えてくれ!』
ちなみにこのとき俺は宇宙を模した空間にいた。真下に海の比率が大きい地球のような惑星があり、今思うとこれが今回の舞台なんだろうなと想像できる。
[ランダムは選択可能な八種類に加えて、選択不可能な五種類から決定します。]
[ランダムで決定した種族は変更不可能です]
『と、なると俺にとっては特にデメリットは無しか……ランダムでお願いします!』
[ランダムを選択されました]
[本当によろしいですか?]
[はい] [いいえ]
[……………Now Loading…………]
ここで俺は選択不可能な選択肢については何も考えていなかった。エルフにでも当たれば楽しく遊べるだろうなとか、パワーファイターよりかは魔法で戦いたいなとかせいぜいそんなもんだ。
だけど俺はこのとき失念していた。
俺の、
此処一番の時の、
引きの強さを。
[おめでとうございます!]
[NAME:shine はシークレット【神人:知識神】に選ばれました!]
[尚、変更は不可能です]
『お、おう。』
この時の俺は喜びや混乱よりも、ある種の面倒くささを感じていた。
『……とりあえず合流するか。』
[その他の必要事項はログイン後の教会または、メニューのヘルプからご確認下さい]
[これでここで行うことについては終了です]
[他にご質問がなければゲームは自動的にスタートします]
始まる演出だろうか?体の周りに光の渦ができはじめた。
[貴方が善き隣人であることを望みます]
俺が光に飲み込まれる前にそんなことを言われた気がした。そして____________
おれはこの世界に降り立ったのだ。
『もうあの二人はログインしてるんだろう。早く合流しないとな。』