参の章で登場した人物&用語まとめ
参の章で新たに登場した人物&用語のまとめです。読まなくても支障はありません。
ネタバレは考慮していませんので、本編未読の方は注意してください。
【登場人物紹介】
・藤崎響子 (ふじさききょうこ)
峰ヶ崎大学に通う一回生。年齢は19歳。癖のないショートカットの黒髪と勝気な目が特徴。スレンダーな身体をしており、背だけでなく手足も長い。運動神経もよく、高校の頃はバスケットボール部のキャプテンを任されていた。
竹を割ったような性格をしており、行動力や決断力に優れている。化粧でお洒落をして着飾るよりは、スポーツで汗をかいている姿が似合うような活発的な美人。
夕貴や託哉とは高校からの同級生。当時、クラスの委員長を務めていたことからそのまま『委員長』というあだ名で呼ばれることがあるが、本人はあまり好んでいない。
ナベリウスに女性として純粋な憧れを抱いている。また、美影の考えた流行語に感心する程度のセンスを持っている。中学生になる弟がひとりいる。
勘が鋭い。学校生活に溶け込みながらも、どこか周囲と一線を引いているような玖凪託哉のことを案じている。
・内村竜太 (うちむらりゅうた)
峰ヶ崎大学に通う一回生。年齢は19歳。爽やかな短髪と伊達めがねが特徴的な、清潔感に溢れる好青年。ファッションにも気を遣っている。ちなみに視力は両目とも良好。
夕貴とは大学入学時のオリエンテーションで知り合った。それ以来、学部が同じということもあり親交が続いている。
女優『高臥菖蒲』の大ファンであり、その熱狂ぶりは夕貴も舌を巻くほど。本人と出会った際には狂ったように涙を流して喜んでいた。菖蒲が絡むとやや愉快な言動が顔を見せるが、基本的には常識人である。交友関係が広く、細かな気配りもできるため、率先して幹事を任されるようなタイプ。
憧れに過ぎなかった女性が、ふとした偶然から身近にいることを知り、深い戸惑いを覚えている。
・リゼット・アウローラ・ファーレンハイト
法王庁異端審問会特務分室に所属。階級は室長。年齢は18歳。赤みがかった金色 (ストロベリーブロンド)の髪をツインテールに結わえている。瞳の色はエメラルドグリーン。健康的な足が自慢だが、ヒップが大きいことを密かに気にしている。日本のことわざがお気に入り。
一部の親しい者からはリズという愛称で呼ばれる。表向きはローマ法王庁大使館に勤める職員の娘という立場であり、その際にはリゼット・A・シュナイダーという偽名を名乗る。
相対する者のペースを乱すような、本音の掴みづらい言動が多い。また、ソロモン王に酷似した容姿を持つ。
《ソロモンの小さな鍵 (レメゲトン)》の一つである《精霊の書 (テウルギア)》を所有している。
・アルベルト・マールス・ライゼンシュタイン
法王庁異端審問会特務分室に所属。階級は戦隊長。年齢は44歳。灰色の髪と彫りの深い顔立ちが特徴。鍛え抜かれたたくましい身体と険しい眼光が合わさって、巌のような存在感を形成している。喫煙者であり、葉巻を愛飲している。
ミドルネームである『マールス』は、もともと彼のものではなく、戦隊長の役職に就いたと同時に《法王庁》から贈られたもの。ちなみにマールスとは『戦神』の意である。
剣を得物とし、その武芸は夕貴に『神域に達している』と言わしめるほど。ただし、その実力は飽くまで人間という生物の範疇であるため、真っ向から《悪魔》と渡り合えるわけではない。
二十三年前、とある国で起こった事件がきっかけでそれまでの価値観が反転した。この際にバアルやナベリウスと出会い、やむにやまれぬ事情により彼らと共闘したという過去を持つ。
まだ幼いながらも室長となったリズのことを気にかけている。それは親が子を見守る感情に近く、ときには職務を逸脱した行為に出てしまうこともある。
・フォルネウス。
ソロモン72柱が一柱にして、序列第三十位の大悪魔。グシオンに従っている。
血に濡れたように紅い髪と、殺戮に飢えた肉食獣を思わせる飢えた目つきが特徴。非常に整った顔立ちをしているが、つねに好戦的に歪んだ口元のせいで色男という評価を台無しにしている。煙草を愛飲している。
他人の道理には従おうとしない無作法者だが、戦のさいには名乗りを上げるなど、まったく礼儀を知らないわけではない。同族にも嬉々として牙を剥く戦闘狂だが、《悪魔》という種族には彼なりの仲間意識を抱いている。
他に類を見ない絶大な戦闘能力を持つ。特殊な状況下にあったとはいえ、夕貴、ナベリウス、アルベルト、特務分室の隊員たちを同時に敵に回しながらも、数の不利をものともせず圧倒したほど。
バアルから『戦いの目的ではなく行為そのものに意味を見出すおまえは、いつか戦いに裏切られる』と言われている。ベレトとは犬猿の仲。本人曰く、ダンタリオンのことは決して嫌いではなかったらしい。
《能力名:《夜影を歩く者 (ミッドナイト・ウォーカー)》
特定のかたちを持たないはずの影に質量を持たせて自在に使役する力。攻撃に特化した能力だが、影を盾として展開することで多少は防御の用途にも使える。
フォルネウス本来の異能である《フィードバック》は、闇を隷属させる力。これを発動させると、桁外れの破壊力を超広範囲に渡って撒き散らすことが可能。その威力と規模は自然災害に相当する上、異能の発動中はおのれの身体を闇と同化させて一切の物理的攻撃を透過できる。事実上、攻防ともに無敵と言ってもいい力。
・ベレト
ソロモン72柱が一柱にして、序列第十三位の大悪魔。グシオンに従っている。
肩口まで伸びた亜麻色の髪と、ぴんと吊り上がった目が特徴。カモシカのようにしなやかな肢体をしている。その反面、身に秘めた力だけを純粋に比較するなら、ナベリウスやフォルネウスをも上回る。
つねに冷静に物事を捉えて行動するが、頭に血が上りやすい一面も持つ。
本人曰く、ナベリウスのことは昔から気に入っていたらしい。フォルネウスとは犬猿の仲と言っても過言ではないが、彼の戦闘能力だけは信頼している。
《能力名:《蒼穹の弓 (フェイルノート)》
指先から青い光で形成された弓を射る力。例えるなら、レーザービームという形容が近い。《悪魔》のなかでも火力だけで比べるなら最強に位置する異能。
青い光には『収束すればするほど破壊力が加速度的に向上する』という性質がある。つまり、多くの指を使えば使うほど破壊力が上がる。
ベレトは自身の膨大なDマイクロウェーブを制御するために、自らの波動に『矢』という指向性を持たせて限定的に解放している。『指』を使うのは、それがベレトにとってもっとも『矢』をイメージしやすいがゆえである。
余談だが、指一本でナベリウスの氷を相殺し、指二本で《精霊の書 (テウルギア)》と僅かながら拮抗してみせた。ちなみに指十本を使うまでが《ハウリング》であり、ベレト本来の異能である《フィードバック》はべつに存在する。
・アスタロト
ソロモン72柱が一柱にして、序列第二十九位の大悪魔。グシオンに従っている。
・グシオン
ソロモン72柱が一柱にして、序列第十一位の大悪魔。現存する三大勢力の一角を率いている。
・アガレス
ソロモン72柱が一柱にして、序列第二位の大悪魔。
フォルネウス曰く、ちびっ子。
・ベリアル
ソロモン72柱が一柱にして、序列第六十八位の大悪魔。
現在はバチカンの地下深くに自らの意思によって封印されている。ソロモン72柱のなかで唯一、本来の力を失っていない《悪魔》。
【用語】
・峰ヶ崎大学 (みねがさきだいがく)
夕貴、託哉、響子、竜太たちが通う四年制大学のこと。略称は峰大 (みねだい)。萩原邸から徒歩で三十分程度の立地。
・法王庁 (ほうおうちょう)
ローマ教皇庁の裏の顔であり、バチカンに総本山を持つ、世界でも有数の特務組織。その勢力は裏世界でも最大と目されている。傘下には数多くの機関や部署が名を連ねているが、そのなかでも『人が人であるために人の理を外れた者たちに人だけで対抗しよう』と作り上げられた一大部門を《異端審問会》と呼ぶ。
・《ソロモンの小さな鍵 (レメゲトン)》
ソロモン72柱の力を抑制するために産み落とされた五つの法典。書物の名を冠してはいるが、その形状はさまざまである。例として、リゼット・ファーレンハイトが所有する《精霊の書 (テウルギア)》は本ではなく指輪のかたちをしている。
それぞれの書が異なった能力を持つ。四書一法という隠語で呼ばれることもある。
・《悪魔の書 (ゴエティア)》
現在、日本のどこかにあるとされる書物。能力は不明だが、アルベルト曰く『純然たる破壊にのみ特化しており、悪意をもって使用すれば甚大な被害をもたらすこともできる』とのこと。
これを発見、および回収することが法王庁特務分室の目的。また《悪魔》の三大勢力の一角を率いるグシオンは、この書物を手に入れるために来日したと目されている。
その真価は『■■の崩壊』。
・《精霊の書 (テウルギア)》
所有者はリゼット・ファーレンハイト。形状は、精緻な紋様が刻まれた銀の指輪。『悪魔の異能を無力化し、無効化する』という能力を持つ。
その真価は『事象の回帰』。
・《星の書 (パウリナ)》
所在、能力ともに不明。
その真価は『■■の再現』。
・《天空の書 (アルマデル)》
所在、能力ともに不明。
その真価は『対象の■■』。
・《天元の法 (アルス・ノヴァ)》
所在、能力ともに不明。