第9話 荒天のヴィンゴーガ
悲鳴はここら辺…
「っ…!」
魔物だ。それもかなりの大物で大きい。
魔力からして強いやつだろう。
杖が必要になりそう…
私は転生してから杖を使っていない。使わなくても出せる魔法で乗り切って来たから。
今、このレベルで前の杖を作り出せるだろうか。
前までは歩くのと同じように出していたが体が鈍っているのは事実。
でも今この街で暴れられた場合、街の崩壊どころか血の海になる。
「しっかり作用するはず…!」
そう私は手を大きく開いて杖を取り出そうとしてみる。
するとヒュンと水が回っているような長杖が出てきた。
「良かった…」
私は全ての魔法が使えるけれど、威力がかなり弱い。
威力を出すためには杖が必須だ。
だとしてもちゃんとした自分の属性以外はそこまで威力がない。
加えて今回の強さの敵は自分の属性以外はきつい。
私は元々自分の属性が水。そしてサブ属性として他があげられている。
でも戦い方は見ればきっとわかる。
「さぁ…いつでもおいで」
どこかに隠れている奴はきっと不意打ちを仕掛ける気だ。
瞬間私はその床を蹴って横に避けた。
「っ!風属性か…」
その目の前には大きな翼を持った私の4倍はある鬼が現れた。
これは空中戦になるかもしれない
私は飛行魔法で空に浮かび上がる。
「いや大きすぎるでしょ…
しかもこいつ…ヴィンゴーガか」
正直この大きさを一人で戦うのは久しぶりだ。
前世の幼少期に戦った怪鳥とか以来。
すると奴は甲高いひび割れた声で啼く。
「とりあえず一般魔法で攻め込ませて貰うよ!!」
私は杖をその方向に向けて複数の魔法陣を発生させた。
そして凄まじい速さで撃ち抜いていく。
「やっぱりスピード型…!」
それに当たらないように向こうも信じられない速さで避ける。
体大きい割に早いのがウザい!
「可愛いスライムとは大違いだ!ほんと!!」
すると向こうが風をこっちに送ったかと思えば羽を飛ばしてきた。
「っ…!ほんっと危ない…」
油断はできないね
こういう時にアルトがいたらすっごい楽なのに…
そう思いながらその鬼の周りをたくさんの防御魔法のシールドで覆っていく。
これで相手は出られない。
…だが
「くっ…あ」
羽はどうやら防御を貫通してくるらしい。
あの大きな飛ばしてきた羽が私の体をかすった。
かすっただけでも結構なダメージだ。
早く終わらせないと、!
私はそのドーム型になった防御の上に立ち下に一般攻撃魔法の4倍ほどの大きさの魔法陣を出した。
そして私は杖を突きつけ言った。
「ジュストスロラージュ!!」
するとヴィンゴーガに向かって大きな雷が落ち、奴はその瞬間、奇声をあげて砕け散った。




