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白痴と思い、見下すべからず

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

愚かと思い、見下すべからず。

牙を向いたらきっと最悪。

そうなら無いようにしなくてはいけないんですよ。

色素に例えると無色透明。音もなく侵食し、気が付いたら懐に入っている。一体その技で、どれだけの人間を物にしてきたんだい?


彼女は物を知らなかった。時折話題に出る話も、ぽかんと聞いていた。だから見兼ねた周りが頭を抱えてこういうのだ。『この子何にも知らない〜』と。

其れでも彼女は気恥しそうに笑うばかりで、反論をしなかった。ただその言葉に肯定し、『皆様が物を教えて下さるので、少しだけ賢くなってますよ』と返す。

すると教えたがりの周りが細かく説明する。無色透明な彼女に必死に色付けする様に。そうして其れを彼女は傾聴し、嬉々として顔を綻ばせるのだった。

余りにも愚かで、余りにも白痴で、でもだからこそ、知恵を与えたくなる。啓蒙を施したくて仕方が無くなる。


ある時、そんな彼女と話をした。相も変わらず無垢な瞳で此方を見据える。

「此処の方々は本当に博識で、私の知らない事ばかりを知っています。そして其れを分かりやすく教えて下さいます。とても有難い」

白痴故に軽んじて扱われている事にも気が付かず、彼女はただ頬を桜色に染めて喜んでいる。頭が良いことばかりが幸せな事だとは限らない。其れは、とある小説でも描かれた教訓である

ある意味、歪むことなく白痴のままに知恵を授かる彼女は、とても幸せなのかも知れない。だから無粋な言葉を飲み込んだ。

「あぁ、本当に……幸せな夢だなぁ。愚かなままでも、得るものはある。知恵は何時でも甘美だなぁ」


余りにも無垢で、であるが故に容赦なく人を利用出来る人間を知っている。色素に例えると無色透明。音もなく侵食し、気が付いたら懐に入っている。人を利用しても、何の心も痛まない。

私もきっと、そんな人間だ。何も考えずに使えば、ただ醜悪な生き物へと成り下がる。

だから出力を演算し、人を利用はしても、最悪の結末を免れる様に上手く制御している。愚かさ故に、人を利用する事の無いように。ただ愚かで可愛い、白痴である故に、人畜無害な子である様に。

――君は懐に入りやすい性格をしている。特に知恵者は君を見下しながらも愛でるだろう。

……絶対に悪用してはいけないよ。その無垢さを。白痴を。牙を向いてはいけないよ。

分かってますよ。今日も愚かで可愛い良い子でいますよ。

よくあるじゃないですか。

一見すると世間知らず。

でも無自覚に徹底的に計算して、相手を利用出来る。

そんなキャラ。


彼女はその悪性に気が付いてます。

油断していると、平気で人を使い捨て出来る。

自分の手を穢さず、美味しい蜜を吸える。

だから、自らを制御下に置いてるんです。


ただ愚かで可愛いだけの子。

でもその実、悪性に気が付き、人を使い捨て無いように、計算して馬鹿な子を演じてます。

この言動を行うと、相手はきっとこうする。

という先見の目でどうにか保ってます。


その計算高さを見抜かれ無いように、愚かに振る舞うのは、やっぱり頭が良いと思います。


人心掌握って怖いんですよ。

ついつい相手の思うままに動いてしまうから。

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