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社会・心理の境界人だった私が、世界の境界人になる  作者: 社会・心理の境界人だった私が、世界の境界人になる
3/3

着陸

始まりは何だったろう。


私の高校生活がとても団欒であるように感じられたことから始まったかもしれない。


その時の私は世界の否定的な面に対する耐性を完全に失っている状態であった。


とても綺麗事を言って、それが王道だと信じ、その王道を歩むこと感じることができた。


難しい環境だったが、世界で多くのものが友達であり、可能性にように見えた。


振り返れば、世界をとても愛せることができた時期だったと私は思う。


その団欒であった時期が私の努力以前に、たった4名の友達の協力の中で作りあげた作品であることをその時の私は本当に理解できなかった。


とにかく中学3年の時から始まった良い流れから一度も離れずに私は高校生活を団欒に終えることができた。


学業的にも精神的にもとても成長した。


しかし、その流れを何としても途切れずに生かしていくことだけが私が団欒である時間を失わない唯一の道だと言うことまではわからなかった。


まるで一つの幸運が一点に集まるような時期で、次々良いことが起き、成長を繰り返してきたことができた時期だった。


世界が自分に向いているように錯覚するほどだったので、私はいつでもその流れを自力で作ることができると思った。


その考えの影響なのか私はその流れを一度切るという過ちを犯した。


それが一生一代のミスだということをわかるまではかなり時間がかかった。




飛行機が激しい雨に耐えられず着陸する。


窓の外の雨を見ながら、最後の客になるまで座ったあと、ゆっくり降りる。


湿度感じられないほど、快適な温度、澄んでいるような空気。


入国審査台まで行く空港の廊下は私が一番好きな空間だった。


しかし、私はもう空港を好きになれない。


昔、空港は私が一番「境界人」であることを知ることができた空間であったが、もうそんなことはどうでもいい。


別にそれが好きになれない理由ではないが。


大体のことに感覚がなくなってしまった私だったが、今日は少なくても楽しみにしていることがある。


まさかこの気持ちを高校に行くことから感じるとは思わなかった。


高校は団欒であったが、私は学校から遠く、通学のバスの配車も長かったので、午前6時に起きるしかった。




自動化された入国審査はすぐに終わった。


予想通りの時間、座性を予約しておいた空港バスがピッタリ到着した。


短い距離、激しい雨を突破しバスに体を乗せる。


空港より空気は冷たいが、少し湿度が感じられた。


頭が痛くなる。


いろんなものが好きになれなかった私だが、雨の日高速バスの中で眺める景色だけは未でも好きなまま。


雨の音を音楽にするのもいいが、どうせ雨の音が聞こえないからイヤフォンをつけた。


外は真っ暗。


真っ暗、バス私を幸せに導いたあの選択をしたあの日のことが思い浮かんだ。

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