戦場−2
3分後・・・
「作戦を開始する。準備はできてるか、蒼?」
「もちろん。今度こそ、ついていくよ。」
「それじゃあ、行くぞ!」
サンダーがそう言うと、蒼は刀を4本を飛ばし、先制攻撃を始めた。
その2秒後、サンダーが敵に向かって、突撃するが。
同時に、敵は剣の盾を出現させて、蒼の攻撃を防いでいた。
サンダーは、防いだ瞬間を狙い、雷の力が宿った球を一直線に発射した。
「よし、ここまでは狙い通り!」
剣の盾は、蒼の刀により、ヒビが入り、今にも割れそうだ。
敵は、雷球を剣で受けたが、なかなか受け流せずにいるようだ。
「この程度か・・・」
少しずつ雷球を押し返し始めた。
「蒼!今だ!」
木陰を利用し、敵の後ろに回っていた蒼は、サンダーの合図と共に敵に向かって突っ込む。
そして、敵に向かって一気に下から刀を振り上げた。
「よし、これで大きなダメージを負わせることはできる!」
サンダーは、息を切らしながらも嬉しそうに言った。
5分前・・。
蒼とサンダーは木陰に隠れ、作戦を練っているところだった。
「まず、敵のことを分析してみるか」
冷静になったサンダーが賢そうに話し始めた。
「サンダー以上のスピードと反射神経、そして、オレ以上の剣技と能力の汎用性。どれを取っても勝ち目が無いように思えるけど・・(サンダーがそう言うんだ)。何か、隙があるはず。」
蒼は目を閉じ、敵が見せてきた攻撃の全てを振り返る。
「・・オレたちのどちらか片方に集中させれば、片方の手が空く。そして、その隙を後ろから攻撃を仕掛ける。というのは、どうだ?」
「ひとつ、忘れている。敵は地中から剣を生やして攻撃を防ぐことができる。その剣の盾をなんとかしな いといけない」
「じゃあ・・どうすれば?」
再び蒼は目をつむり腕組みをしながら、再び思考を巡らせる。
そして、蒼が出した答えは。
「壊してしまえば、いいのでは」という安直なものだ。
「なるほどな・・蒼!何本までなら、同時に刀を出せる?」
「頑張って、4本くらいだけど・・・」
蒼はサンダーの思考に追いつけず、話を合わせるしかなかった。
「ギリギリだが、いけるはずだ。さっき見てたが、蒼が飛ばした2本の刀を防いだ盾に少しヒビが、入ってたような気がした。なら、4本もぶつければ、破壊できる!」
「り、理解したよ。つまり、オレが揺動と思わせておきながら、メインに変わる。ということだな」
蒼は、なんとなく自分の頭で整理したことを言ってみた。
「正解!それじゃあ、もう実行に移すが・・準備できてるか?イメージトレーニングをするなら、今のうちだぞ。」
サンダーは準備万端のようで、刀を取り出して、いつでも突撃できる体制に入っている。
「(ふう、よかった。合ってて。・・ていうか、何か立場逆転してないか)も、もちろん!」
蒼は、いつの間にかサンダーの冷静さに、飲み込まれて、立場が入れ替わってしまっていた。
蒼は敵めがけて、下から刀を振り上げた。
敵は蒼のことを見ると、ニッ、と不敵な笑みを浮かべた。
「良い連携だな!だが・・・」
敵は、黒い球体を出現させると、その中からもう一本の剣を取り出した。
そして、瞬時に、蒼の攻撃を受け、押し返してきた。
「えっ!」
サンダーは、その一瞬の出来事を理解できずに呆然としていた。
「作戦としては良いが・・・私が、二刀流であることも考慮すべきだな。目で見たことだけが全てではないのだ。・・・んっ?」
3人が戦闘を繰り広げているうちに、敵か味方かは分からないが、誰か2人の声が近づいてきているのが聞こえた。
「こちらの戦闘に介入されると面倒だな。3分あれば、十分だな。・・・速攻でお前ら二人を片付ける!」
敵は8本の剣を出現させると、自身の周りにまとわりつかせた。そして、まず、サンダーのところ一直線に向かって行った。
サンダーは、とっさに白虎の力を解放させると、敵の上空を瞬時に飛び越えた。敵は、真上に来た瞬間を狙い、まとわりつかせた剣の内の4本が刺そうと準備しているのが、蒼には見えた。
蒼は、再び4本の刀をサンダーの真下に目がけて、飛ばした。蒼と敵が飛ばした刀と剣はぶつかり合い地面に落下した。
敵を飛び越えたサンダーは、着地の瞬間に尻尾を地面に叩きつけた。
すると、地面が敵の方に凍りだした。
敵は、フンッ、と鼻を鳴らすと、氷は、足元に来る直前に高くジャンプして、避けられてしまった。
と蒼は思っていた。
しかし、サンダーはニヤリと笑い、手を握りしめた。
その瞬間、敵の真下の地面から大きな氷塊が生えてきた。
その氷塊は敵まで届き、敵の足を固定した。
「よし!いくぞ、蒼!」
「おう!」
だが、敵は残りの4本の刀の内、2本を回転させた。そして、氷塊は砕かれてしまった。
「こんなもので動きを止めれると、思ったのか」
敵が氷塊を砕くのに使った2本は刃こぼれし、地面に落下し、消滅してしまったみたいだ。残っているのは、2本。
「くそっ!後、少しだったのに!・・・あれっ」
蒼が敵の方を見ると、敵の周りにあった2本の剣が消えていた。蒼もサンダーも辺りを見回すが、どこにも気配を感じ取れない。
「下を見たらどうだ!」
蒼とサンダーが下を見る暇もなく、地面から剣が飛び出してきた。
そして、二人は背中にかなりの傷を負わせられた。
サンダーは、その痛みに耐えかねたのか、その場に倒れてしまったようだ。
「サンダー!くそっ!このままじゃ・・オレも・・・」
蒼もサンダーと同様に意識が遠くなっていった。敵が蒼に近づいてくるのが見える。
(とどめでも刺すのだろうか)と蒼がそう覚悟を決めた。
蒼の前に立った。
「私の名前をは、ネオン、だ!また、いつか、戦うことになるだろう。覚えておくと良い!」
と敵は言い残した。
その次の瞬間には、蒼は敵に首筋を叩かれ、気絶してしまっていた。
「フンッ。1秒オーバーか。」
ネオンは、剣を虚空にしまうと、そう言った。