第14話 最強との邂逅
「ミシテルビヤ?」と聞くと
「そう、知らない?」と言うので頷くと
「何でそんな状態で世界を旅しようなんて思ったの?」と呆れられてしまった。
「しょうがないでしょう?私転生者だしさ、これから世界のことはゆっくり知っていこうと思っていたんだから。」と言うと
「ここから100キロ程離れた場所にある標高約三万メートル、低酸素、超極寒、強力なモンスターが跋扈していて世界一危険な山とも言われている、で、私が逃げていた時この山の中腹に行ったことがあるんだけどそこらへんにある村の中心に巨大な氷が安置されていて、気になって聞いてみたら、伝説の獣と戦って勝利したけど、氷に封じてしまわれた伝説の転生者だって言っていて、その時はさほど気にならなかったけど、貴方達の話を聞いて思い出したってわけを」と言うので
「うーん、」と唸る
「どうしたの?」と聞くので
「貴女の話を聞いて三つの問題が出てきた。」と言いながら三本指を立たせる
「三つ?」と言うので
「そ、一つ目は"山を登れるか?"二つ目は"氷像は今でも安置されているのか?"最後に"何かトラブルに巻き込まれる予感"、まぁ、最後のは無視していいとしても二つ目はかなり深刻だと思うんだよね、だって気象災害や疫病でも何でもいいけどその村の住人が暮らせなくなるほどの災害が起きて伝説の転生者を見捨てなければいけないほど困窮したらとる行動は"退避"しか存在しないでしょ?」と言うと
「うん、でもそれは無いかな。」と言うので
「どうして?」と質問すると
「この世界だと転生者は大体が英雄扱いだからね、実際この世界の住人の何倍も強いしね、だからその"英雄様"を見捨てて逃げることは世間を敵に回すことになるからね。」と言うので
「でも、全員が全員善人っていうことにはならないでしょ?」と聞くと
「まぁね、サイコな殺人鬼とかもいたよ、でも、転生者の後始末をすんのは転生者だからね、もし、そんなことが起こっても倒した転生者の評判が上がるだけだしね。」と言うので
「ふーん、」と言っていると
「でも、貴女に関しては問題なさそうね。」と言うので
「どうして?」と聞くと
「そこまで欲が無さそうというか、何かを心から欲しいと思ったことないでしょ?」と言われるので
「はい……」と前世の嫌な記憶を思い出しながら、ふと思いついた
「いや、今回の旅は自分から言い出したんだから"欲"って言えない?」と言うと
「優しい欲だこと。」と哀れみの視線を向けながら軽く一蹴されてしまった。
「まぁ、それでも貴女は異端の転生者、貴女の人生の道の先には一体何が待っているんだろうね?」と言うので
「さぁ、今でさえ予測がつかないんだから、その時にならない限りわからないよ。」と言うと
「そうね、人生はどうなるかわからないものね。」と笑いながら言うので私も笑う
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さてと、ようやく到着したぞ、さぁ、この道をまっすぐ行けばカラムグ通りだ。」と言うので
「ありがとう!貴方の言っていた転生者見つけたら連れてくるからね!」と言うと
「あまり、期待せず待っているぞ!」と言うので手を振って別れた
「さて、行こうか?」と言うと静かにコクリと頷くので、一緒に歩いて行くが、歩いて五分後、
「ッッ!?」と思い切り後ろに後退り剣に手を掛けていた
「ほう、私の気配に気づいたか腑抜けた連中だと思ったが中々骨のある奴も存在するではないか?」と言ってーーー身長は百七十くらいで、髪は肩に少しかかる程度片目は髪で隠れており視認はできない、見える片目は深く底の見えないような藍色だ。ーーー彼女はこちらにいつのまにか抜いたただの鉄の剣を向ける
「へー、お褒め頂いて光栄だけど、別にアンタとは戦いたくはないね。」と言う、私の危機感知が、腰に帯剣している二振りの剣が危険だと言っているが、この人はもっと危険だ
「何を言う?貴様に拒否権などは存在せん。」と言った瞬間体を横に転がした、半ば条件反射だ、そして、先刻まで私がいた場所は底が見えないほど深い切れ込みができていた
「アンタ、何モンだ?」と剣を抜きながら言うと
「フッ、言う必要などない、何故ならお前は今から。」と言った瞬間姿が消えた、が、次の瞬間横から凄まじい衝撃がきた
「死ぬのだからな、ん?もしかして今ので死んだのか?やはり転生者でもない人間は特に手応えがないな。」と言っている、霊冥族のあの人は逃げたか、彼女が近くにいては全力を出せない、と瓦礫の上で考えて蹴り飛ばした本人を視界に収めながら
「鑑定発動。」と小さく言って鑑定をするが
「化け物が……!」と悪態をついてしまう鑑定結果はこうだ
『鑑定ふふふふふふふふふふふふふののののののののううあういかあ』と鑑定が壊れたつまり、ありえないほどの格上、だが、蹴られたことにより、私の中の何かがキレた、
「!?」と相手が衝撃を受けているのがわかる
「勝手に死んだことにしないでくれないかな!」と言いながら剣を振り抜く、相手は少し後ろに吹き飛び
「成る程、これは上物だな。」と笑いながら言うので
「もう、とことんつきやってやるよ。」と言い走り出し相手の剣に自身の剣を叩きつける
「フッ、わかったぞ、貴様あの薬品を飲んだな!」と言って虚空に向かって剣を相手が振った次の瞬間体に衝撃が来て、次は出血していた
「薬品は飲んだか、今のは何だ!」と半ばキレた状態で言う
「フッ、飛ぶ斬撃だ。」と言った瞬間相手が跳躍して
「貴様の強さ今ここで測ってやる!」と言い
「剣技!暗黒流星群!!」と言って剣を振ると銀の斬撃がまるで雪崩のように怒涛の勢いでこちらに向かってくる
「さぁ、これぐらい防いでみろ!」と言うと物音が一切しないので少し訝しんでいる、その隙を見逃したりするもんか!と言う気迫と共に長剣を相手の首に叩き込もうとすると
「成る程、防ぐまでも無かったか。」と言って一瞬でしゃがんでこちらに剣を振ってくるので応戦する、剣と剣の甲高い音が辺り一面に響く
「【極炎魔法】!!」と叫んでバッと片手を相手に突き出す。すると、相手は獰猛に笑って
「来い!」と言って待ち構える、その中心に制御や安全などは一切捨てた必殺の魔法を放つ、そして間髪入れずに
「【金雷魔法】!!」と叫んで金色の雷を発射する、この二つの爆風で城壁が殆ど吹っ飛んだ、だが、今はどうでもいい、この魔法で仕留め切る!!
「ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ。」と魔力を使った強い脱力感と共に肩で大きく息をする
「ふむ、久しぶりだな私が血を流すのは。魔法の制御はどうした?」と服はボロボロだか、体は少しの傷があるだけで済んだる相手に
「制御なんてしたらアンタに勝つなんて、夢のまた夢だろうが。」と言うと
「成る程全てを賭けた一撃というわけか。」と言うので
「まぁ、魔法しか使えないやつだったらな。」と言って剣を再び構え直す
「いいだろう、私の力を少し見せてやるとするか。」と言って刀を抜く
「ッッ!!」あれに、アレに触れたら駄目だと頭が最大級の警鐘を鳴らす、まるで夜の闇を刀身に封印したかのような色の刀は凄まじい気配を漏らしながらこちらの命を狩らんとしている
「何だ、その化け物みたいな刀は?」と聞くと
「この戦いで生き残れたら教えてやろう。」と言うので
「クッ、最悪の条件だな。」と言いながら相手に向かって踏み込んで行く、恐るな!一瞬でも躊躇ったらこっちの命が狩られる!と自分に言い聞かせながら果敢に攻めて行く
「では、行くぞ。」と相手が言った瞬間ブリッヂの容量ですぐに後ろに倒れ込む、その鼻先をスレスレを刀が通って行く、そして、その斬撃を通った方を見てみると瓦礫など全てが真っ黒く染まりボロボロと崩壊していっている
「どうだ、一度喰らうか?」と言ってくるので
「絶対断る。」と言いながらまた相手に向かって踏み出して剣と刀を交差していく、
「ふむ、この刀の斬撃を見てもなお接近戦をしてくるとは、お前、面白いな!」といたって普通の女の子の口調で言ってくるので
「生憎、愚直しか取り柄がないもんでね!」と叫びながら相手に一発蹴りを入れると
「ガシッ!」と掴まれて
「まぁ、取り敢えず喰らってみろ。」と獰猛な笑みを浮かべて刀を残酷にも足に振り落とそうとするが、その直前
『私と変われ!』と言う叫び声が聞こえて、誰だなどと言う考えが浮かぶ前に意識を手渡していた
「ドオオオン。」と言う轟音を立てながら相手の彼女は思い切り後ろに吹き飛ばされていた
「ふむ、少し気配が変わったな?誰だ?」と言うが
「お前と同じだ知らなくていい。」と、私の体で彼は言うと、彼の手に光が集結して一本の光線と化して相手に襲いかかる
「ほぉ、お前も中々面白いな。」と言って光の光線を弾き飛ばす、弾き飛ばされた光線は遥か彼方に消えていった
「お前の正体吐き出せてやる。」と言って彼女が一気に距離を詰めてくるが、光の速度で後ろに下がり遠距離からの攻撃に徹底する
「ふむ、強さに関して言えばお前の方が上だが、つまらんな貴様。」と言って斬撃を放ちながら距離を詰めて私の体の頭を掴んで刀を向けながら
「さっさと引っ込め。」と言うので
「おはよう。」と言って相手の刀に思い切り剣をぶつけるが、
「やはり、お前の方が何倍も面白い。」と獰猛に笑いながら刀を構える
「刀は手放して欲しかったんだけどな。」と言うと
「あの程度の不意打ちで離すとでも思ったか?」と言うので
「これっぽっちも。」と言うと
「では続きを、と言いたいところなのだが、めんどくさいやつらが来たな、貴様名は何という?」と聞くので
「アジアンタム・アージニアだ。」と言うと
「アージニア、この決着は今度だ、それと、この刀は極冥刀、零ノ夜と言う刀で、絶望の再来のような終わりなき『夜』が纏われている、お前も喰らっていたらヤバかっただろうな。ではまたな!」と今度会うと言う宣言を残しながら本日一の笑顔を残しながら走って行く
「ふぅ、内容抜きにしたら普通に可愛い女の子の別れなんだけどな。」と言いながら痛む体を地面に投げ出して目を閉じる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今回は中々上物を発見できたな、奴は神王達を突破できるだろうか?」と独り言を言うが
「愚問だったな、アイツならば軽く突破できるだろうな、再戦の時が待ち遠しいな。」最強の戦士は太陽の下一人笑う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おい、そこの君!」とせっかくいい感じに微睡んでいたのを邪魔されたので
「何ですか?」と聞くと
「この状況になったの、何か知らんか?」と言われるので
「あ、犯人私です。」と言った時のイメージをしてみた
「何!犯人は貴様か!よくもこの街を!」などと言われて裁判にされて
「死刑。」などと宣告されて晒し首にされる、そこまでイメージして
「あの、もし犯人がいたとしてどうするんですか?」と聞くと
「今回は仕方がないが、次からこのようなことにならないために街の人たちに警戒を促して、もしモンスターだったら手配書を配るな。」と言うので
「モンスター(みたいな女性が)いました。そいつが暴れて(それに抵抗するために)砦などが崩れました(私が崩しました)。」と名前も知らない彼女に全ての罪をなすりつける一応モンスターと言ったし大丈夫だろう
「そ、そうか、目が死んでるが大丈夫か?」と言うので
「元々なんで、気にしないでください。」と言うと
「そ、そうか、じゃあモンスターの特徴を教えてくれないか?」と言うので
「そうですね、六枚の黒い翼を生やして真っ黒な布を顔にかけて光と闇のビーム放ってましたね。」とルシファーをイメージして言うと
「な、悪魔が来たのか!?」と言うので
「あ、はい多分。」と言ってからここら辺に住んでいた人はどうなっただろうと思っていると
「だが、幸運だったな、たまたま近くで火事が起きて住民は全員避難していたからな。」と言われて彼女がやってくれたと理解できた。
「じゃあ、これでさようならでいいですか?」と聞くと
「あぁ、いいぞ。」と言うので、その場を立ち去ろうとすると
「あ、見つけた!」と言う声がして振り返ると
「あ!」と言っていた。本来の目的の妖艶狐の人がいたので、完全に忘れていたのをどう説明しようと考えていた。
すいません、少し投稿が遅れました