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第10話 英雄の資格

一歩踏み出すと下の地面の質感が変わったことに気づく、今までが雨に湿った地面だとしたら、ここはアスファルトみたいに硬い質感だ、疑念の視線を目の前の背中に注ぐと

「言いたいことはあると思うが、全部違う、ここは君が一番歩いたことがある道を再現するところだ。」と言われるが

「なんの意味があんのか、この道。」と思ったことを口にしていた

「まぁ道によって、その人がどんな人生を歩んだかわかるんだよ。」と言われるので

「硬い地面はどんなの?」と問うと

「……」と黙るので

「ゴクリ。」喉を鳴らす

「不安定な道、人生ってことだ、硬いと言っても見せかけの硬さ、その奥に人には知られない人生があるってことだな。」と言われて

「そうか。」答えながら少し引っかかったが、納得した

(まぁ嘘だがな、硬い地面は、『過去の罪、贖いきれない程の後悔』、こいつ、どんな罪を前世で犯したんだ?)

「ねぇ、取り敢えず何処行くのか教えてくれない?」

と質問すると

「着くにはお前の心が鍵だ。」何処ぞのRPGか?

「はぁ、もうさ、さっさと着かないかな。」口に出すと景色がガラリと変わる、すると黒竜さんか

「なっ、!?」と叫ぶ、私は

「どうしたの、心が鍵っていうから本心から『さっさと着かないかな』って言ったんだよ。」と言うと

「まったく、本当に人間か?お前、本心から言わないと着かないここを物の数分で突破するとはな。」と、人の身からすると悠久にも感じる時を生きた竜は目の前の人間、転生者に畏怖を示す、そして、この者なら底の見えない目した彼女なら、あれを握っても取り込まれず利用してしまうのでは、と考えていると

『この私を利用するのだ、下手な物を見せた暁には、わかってるな?』と心の臓を直接掴まれる様な声が聞こえて、ばっと彼女の方を振り返る、すると、

「どうしたの?」とこちらの気も知らずに呑気にあちこちを触っている彼女が疑問を呈してきた…違うのか?先程のアレはプレッシャーが私の何倍いや数百倍は軽くあった。しかも、多分本気ではない、もしや、こいつの過去の罪は、もう一つの意識が犯したのか?おそらくだが、決して怒らしてはいけない類の物だ、さてコイツは、きな臭くなってきたぞ、だが、漸く巡ってきた縁だ、みすみす逃すなどは絶対有り得ない、我が主よ、漸く貴方との約束を果たせそうです。そう今は会えない主に心の中で報告して手を前に突き出す

「おーい、黒竜さーん?」どうしたんだ先刻からフリーズしているが?なんか、こいつ見ているとあいつを思い出すないつもヘラヘラして大切な時にはちゃっかり利益を貰っていく……誰だこいつ?記憶の中に出てきたのは鍔広帽子を被った優男の様な人物が頭の中をチラつく、そして

『どうして、こんなことしたーーーーー!!頼むこれ以上罪を重ねるな俺は、お前を殺したくない!』多分名前を言ったのだろうが雑音が入り聞こえなかった、が、映像が切れたと思ったら今度は酷い頭痛が始まった、私は

「何なんだよ、これ!?」と溢していた、そして、映像の濁流が頭を支配する寸前に

『少し止まれ。』と声が聞こえて木に寄りかかると、顔の前に手が来て頭に触れた瞬間に映像の濁流が終わった。

「あんた、誰?あの、映像は?」と私は質問すると

『そうだな、アレは貴様の前世の前世、つまり、私の記憶だ、奴がお前に何かをさせようとしていたのでな少々威嚇してやった際、我が記憶の封印が一部緩んで流れ出したのだろうな。』と言われ

「アンタ何者?アンタ生きてるうちになんか罪を犯したの?そうじゃなきゃあんな優しそうなあの人があんな怒った顔しないもんね、ねぇ、私の前世の前世って何なの、説明しろ!!」と今までに無い怒りに支配されて相手の胸倉を掴み問い詰めると

『お前が知る必要はない。』と一言言うと白い霧と共に消えていった。終始、体と顔は光のベールとでも言うのか、それによって見えなかった。私は

「何だったんだ?」と言い木にまた寄りかかると、

「どうした?」黒竜さんが問いかけてくる、もしかして、

「時間を止めた…?」と驚愕の事実を口から溢すと

「何?一体何があった?」と黒竜さんが聞いてくるので、ありのままを全て伝えると

「私の想像以上に厄介だな、その人物は。」と言うので

「どうして?」と問うと

「先刻の硬い地面の意味は、実は他にもあるんだ『過去の罪、贖いきれない程の後悔』と言うのがあるんだ。」と言われて

「もしかして、あの、優男さんはそれに怒っていたのかな?」と言うと

「何?優男だと?」と反応してきたので

「あ、見た目が優男だったので私はそう呼んでいるんですが何か心当たりが?」と問うと

「いや、今は死んだかつての仲間にその様な男、いやドラゴンがいてな、少し懐かしく思ってしまってな。」と言うので、

「貴方達は誰に、何に仕えているのですか?」と問うと

「今はもう会えない我らが主、世間では散々に言われているが誰よりも情に厚く公平で公正なお方であった、名は教えられんがな、まぁ、多少の問題はあったが。」と言うので、本当にいい人に会えて仕えていたんだろう、でなければ、恐らくその人に与えられた使命を今も守っていないだろう、と、考えていると

「少し話しすぎたな、この木の中が目的地だ。」と言い木の幹の中に入って行く私は恐る恐る入ると驚愕する、中は見た目の何十倍も広い空間が広がり金銀財宝が転がっている、が、

「何だろう、本当はとても価値があるんだろうけど、何だ、この感じ全部ゴミに感じてしまう。」そう、この下から感じる謎の気配と比べると恐らくここにある全てがゴミに等しいと思ってしまった

「そうだ、ここに辿り着いて三流の冒険者が犯すミスは目の前の宝に夢中になり"本物"を見落とす事だ、では本当の宝が何処にあるか、行き方はわかるか?」と言うので、何かと考えてしまうが口から勝手に

「我が名は愚者、目の前の財宝などに興味は無い我が求めるのは真の宝、我が求めに応じよ。」と溢れていた

「正解だ、それは、ここに入った瞬間深層意識に刷り込まれるのだけれど引っ張り出せるのかは本人の技量により変わってくる。」と言うと木全体が振動を始める

「さぁ、何千年も封印されし秘宝よ新たな主の元へと来い!」と黒竜さんが叫ぶ、すると木の中央に植物の塊が出現する本来なら何て事ない植物の塊なのだろうだが、目が離せないまるで美の女神を見つけてしまったかの様に、夢遊病者の様にふらふらと中央へと歩く

「駄目か…」と小さく黒竜は呟いて止めようとするが

「バチンッッ。」と大きな音が立った黒竜は目を見張る、かつて、主にこう言われた

『この剣は魅了の能力を持っている、自らの使い手を魅了して最終的に養分として吸収してしまう、だから大抵の奴らは一瞬で魅了されてしまう。』と言うので

『そんな剣、誰が使うんですか?』と主に問うと

『まぁ、待て、最後まで話は聞け、これは自らを使うに値する主が来ると魅了を最大限に開放する、が、それを何らかの方法で突破して"これ"に手を按ずるのなら、誰も、成し遂げられなかったことを成し遂げる英雄の誕生だ。』主よ、貴方も人が悪い、その言葉から何千年経過していると思っているのですか、もう、誰も成し遂げられないと思っていたのに

「危ない、何だこれ、魅了されてたのか?取り敢えず、あの状態で抜いたらやばかったな。おい、アンタ。」何させようとした、と言おうとすると今まで見たことがないほど顔を破顔させて拍手する

「?」と大量の疑問符を飛び交わせていると

「私の主が言ったことは本当だったな。」と、あの時言われたもう一つの言葉を思い出した

『そして、この剣は異端の転生者が抜く、そんな予感する。』と言うので

『異端とは?』と質問すると

『今の転生者達は百年周期で来るけど、いつか、きっとこれが崩れる、そして、それが起きた時この世界の癌や悪い風習なんかは全部その転生者に崩されるよ。』と言われその時は『御冗談を。』と一笑に付したが、今なら信じられる、何千年誰にも破れなかった魅了をいとも簡単に突破した彼女ならこの世界を変革の風を巻き起こす英雄に

「おめでとう、君は英雄の資格を得た。それを抜いて持って行くといい。」と少し誇らしく、呆然とする

まだ幼い英雄に告げる

なんか、ダンまちのベル君みたいになっちやったけど本当にパクリではないんで、そこんところ本当に了承してください、あと、感想ください

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