第9話 パーティー
最近更新できてなくてすみません。
これからも不定期更新ですがよろしくお願いします。
ローズとともにギルドへ向かった俺たちは臨時パーティの申請をして早速依頼場所へ向かうことにした。
「結局、依頼内容を聞いていなかったがなんの依頼なんだ?」
「ワイバーン討伐の依頼だ、小さな村に小型のワイバーンが現れて作物を荒らしているから討伐してほしいとのことだ。そういうことは依頼を受ける前に確認するべきではないか?」
「………」
正論だった。あのローズに正論で諭された。
「む。何だその目は。なにか失礼なことを考えているだろう。」
「ソ、ソンナコトナイデスヨー。」
「「…(ジー)」」
「…ごめんなさい、ローズが正論を言ったことにショックを受けていました。って、あれ?どうしてシャルロットが睨むんだい?」
「なんだと!私だって正論くら」
「私のことも構ってよー!」
ローズの言葉を遮るほどご立腹のシャルロットだった。
「ああ、ごめんごめん。別にシャルロットのことをないがしろにしたわけじゃないんだよ。許してほしいな。」
「もうっ!素直に謝られたらこれ以上怒れないじゃない!」
「あの、シャルロットはどうしてそんなに怒っているんだい?」
シャルロットは俺とローズを交互に見つめてから見事なまでのジト目で言った。
「あんたたち、さっきまで喧嘩してたのに仲良すぎないかしら。」
「「…終わったことでギクシャクしても仕方がないしね(からな)」」
「なんでそんな長文がハモるのよ!どんな奇跡よ!」
「えっと、シャルロットは俺とローズがあまりに仲良しだから怒っているの?」
「なっ!それじゃあまるで私がヤキモチ焼いてるみたいじゃない!」
「シャルロットはほんとにハヤトのことが好きなんだな。」
突如爆弾が投下された。
「すっ!そ、そんなわけないじゃない!」
「ほんとーかー?」
「本当よ!」
…そこまできっぱり言われると逆に悲しくなってくるな。
「あ、あれが目的の村じゃないかな?」
自分でも呆れるほど無理がある話題転換だった。しかしこの話題は耐えられない…
「本当ね、早く行きましょ!」
「こういうときだけコンビネーションがいいんだな…」
若干ローズは呆れているが俺たちは依頼のあった村に着いた。
前回の依頼と同様にまずは村長のところへ挨拶へ行った。
こういうときに相手と話すのが得意なのはシャルロットなので彼女に丸投げだ。
ちなみにローズも依頼主と話すのは苦手だそうだ。
「すみません、村長さんのお宅であっていますか?ギルドから依頼を受けた冒険者です。」
「おお、冒険者さん。遠いところはるばるお越しくださってありがとうがざいます。お疲れでしょう、こちらへおかけください。」
そう言って村長は俺たちに机と椅子を出してくれた。前の村とは対応がぜんぜん違うな。村ごとでこんなにも違いが出るものなのだろうか。
「今日は皆さんお疲れでしょうし今日は依頼の説明だけにしましょう。依頼の完了は明日で構いませんよ。」
「ではお言葉に甘えてそうさせていただきます。それで、今回の依頼の内容は?」
「そうですな、少し長くなりますがよろしいですかな?」
「はい、構いません。」
「ふむ、では最初から説明していくとしよう。」
そう言って村長の爺さんはポツリポツリと語りだした。
「その日は晴天でした。村のみんなもいつもと変わらない平和な生活を送っていました。この村では数人の狩人が狩りに出かけるくらいで他の人は滅多に村の外には出ません。しかし将来冒険者を志した少年たちが大人の制止を聞かずに村の外の森に出ていきました。」
それってかなりまずいんじゃ…
「幼い子供が好奇心で村の外に出ることはよくあることなので村の大人はそれほど慌てませんでした。毎回、こっそりと後をつけて危なくなったら回収して村に戻る。ということを繰り返してきましたから。しかしその少年たちは足が早く、森を抜けるのが非常に上手かったのです。小柄な体型もあって、長年森の近くに住んできた我々よりも早く森を動けるほどに。」
つまり、森で子供が遭難しているということか?
「監視していた男が村に帰ってきて見失ったことを我々に告げると、私はすぐに狩人たちを呼んで森の捜索を行いました。いくら早いとはいえ子供ですし、森での狩りで生計を立てる彼らには及ばずに無事に保護して村に帰ってきました。しかしそれが依頼した理由になります。」
「えっと…すみません、それのどこが問題だったのでしょうか。聞く限り無事に帰ってこれて良かったという話に聞こえるのですが。」
たまらずシャルロットが質問すると
「ええ、前置きが長くなりましたが今からご説明します。子どもたちは森を散策しながら様々なものを拾っていきました。キラキラした石や珍しいキノコなどが主でしたがその中に一つだけよくわからないものが混じっていました。それは球を少し引き伸ばしたような形をしていて大きさは人間の赤ん坊ほどでした。」
それって…まさか…
「お察しかもしれませんが、そうです。卵です。そしてその卵を取り返すために現れたのがワイバーン。つまりあれはワイバーンの卵だと言うことです。」
「その卵は元あった場所やワイバーンに返さないのか?」
「元あった場所はわからないらしく、ワイバーンは怒りで卵のことなど気にもとめていないようでした。」
ローズの言うことは最もだが、それができるならわざわざギルドに依頼しないだろう。
「我々の不注意が招いたことで身勝手なのは承知ですが、どうかこの村を救ってください。よろしくおねがいします!」
「はい、もちろんです。こちらこそ丁寧にありがとうございます。シャルロットもローズもいいよね?」
「もともとそのつもりで来てるしね!頑張って村を救おう!」
「依頼なんだしやるに決まってるだろう。」
2人の了承も得られたことだし早速ワイバーン退治の準備をしよう。
それぞれで準備を済ませた後、村の人達がかしてくれた小屋で夜を明かす。
本当に前の村とは大違いだな…
そんな感慨にふけりながら村での1日目が終わる。
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