社交界デビュー 1 (リアーナ視点)
やっと、主人公目線です
「リアーナ様おはようございます。ご当主様達が食堂でお待ちですよ?」
メイドで幼なじみのソレイユが起こしに来た。いつもより速い気がしたので、たずねることにした。
「ソレイユ?おはよう!今日はやくない?」
「お忘れですか?今日は、社交界デビューの日ですよ」
そういえばそうだった気がする。社交界デビュー嫌だなー。めんどくさそう。ソレイユとの時間もとれないし。そんな気持ちを隠すように、急ごうとする
「そっか、急がないと」
お父様やお母様を待たせているので、急いで着替えて廊下を走る。
「リアーナ様!走らないでください。危ないですよ!」
後ろから声が聞こえたので、後ろを振り向いて答えようとした
「大丈夫!あっ、いった」
盛大に転んでしまった。いったい。またやっちゃった。ソレイユが呆れながらも心配そうに近づいて来た。
「大丈夫ですか?だからいったじゃないですか!今いきますので待っていてください。」
「はーい、ごめんなさーい」
説教されるのがやだから適当に言った。
「絶対悪いと思って無いですよね。ほら、血が出ていますよ。大事な日なのに。『ヒール』ほら良くなりましたよ」
傷口が光ったと思ったらよくなっていた。やっぱりソレイユの魔法はすごい。この前お父様やアルお兄様が自分達より上手くて落ち込んでたなぁ。私も魔法使えたらいいのに。
「ありがと、今度はちゃんと歩くわ!」
落ち込んだ気持ちを隠すようにお礼を言った。
「そうしてください」
呆れながらも優しく微笑んでくれた。二人で並んで食堂に向かった。(ソレイユは私より一歩下がって歩いていた。こういうところは律儀なのよねぇ。)
そんなことを考えてたら、食堂に着いた。
「お父様、お母様おはようございます。あら、アルお兄様も戻っていらしたのね。おかえりなさい。それと、お待たせしてごめんなさい」
「リアーナおはよう。大切な日なのにまた寝坊かい?」
「リアーナちゃんおはよう。まだまだ子供ね」
「愛しのリアーナおはよう!今日の早朝帰ってきたのさ。リアーナの晴れ舞台だしね」
「社交界デビューするんですし、そんな子供ではありません!お兄様帰ってきてくれてありがとうございます」
「リアーナに会えて良かった。最近会えないからね」
お兄様は去年から学園に通っています。この国で貴族は12歳から学園に通うみたいです。お兄様の愛は少しあついです。
「リアーナそろそろ座りなさい。デビューのための準備もあるのだからはやく食べちゃいなさい」
「分かりました」
席について、朝ごはんを食べます。ソレイユが来てからご飯がもっと美味しくなりました。約二年前の私の誕生日の日にソレイユが異世界のことを教えてくれました。お父様とお母様はなんとなく気づいてたみたいです。この世界ではたまに前世の記憶を持った人が生まれるそうです。そういう人たちは珍しい知識を持っているので、狙われやすいため、王城で保護されたりするそうですが、私とソレイユが仲がよくて、ソレイユはお父様よりも強いことから、うちにいることになったのです。良かった。ソレイユの知識のおかげで、ご飯が美味しくなったのです。ソレイユってすごい。と、考えているとご飯も食べ終わり、自分の部屋に戻りました。
「ではリアーナ様お着替えですよ。」
「はーい」
ソレイユに着替えさせてもらい、薄くメイクをしてもらった。ヘアアレンジもしてくれた。「はーふあっぷ」というらしい。異世界の言葉かしら?自分じゃないみたいにきれいになった。すごい。感心していると、ソレイユが話しかけてきた
「リアーナ様出来ましたよ。リアーナ様はもとがよいので、メイクは薄めです。とっても可愛らしいですよ?」
いやいや、メイクの力すごいなぁ。青色のドレスに赤のアクセサリーあおいドレスは光を浴びてきらきらしてる。七歳だから、ドレスはおとなび過ぎないように少しフワッとしている。ソレイユにエスコートされてお父様やお母様が待つ玄関に向かった。
「お待たせしました。」
「あら、とっても似合っているわ」
「あぁ、似合っているぞ」
「天使が神になった」
お兄様がよくわからないことをいっているが、いつものことだから無視する。
「ありがとうございます。お父様や、お母様、アルお兄様も、お似あいですよ」
「ありがと。では行くか、間に合わなくなったら嫌だしな。では、いってくる」
「「「いってきます」」」
『いってらっしゃいませ』
使用人達が声をそろえて挨拶してくれた
「ソレイユ待っててね!」
笑顔でソレイユに手を振った。
「お待ちしております。リアーナ様の好物のプリンをお作りして待っていますね」
「うん」
社交界デビューが終わるのを楽しみになった。