表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/10

権能と代償

閲覧ありがとうございます!

まだまだ序章ですが、現代と神話の世界観の融合を描けるように頑張ります!

コメント、評価よろしくお願いします!

「まさか、ミコにこんな一面があったとはな……」

「情熱的な一面があるのも……素敵だよ、バンビーナ……」

私に一通り「モフモフ」された二体の可愛い生き物が息を切らす。

「……ごめん。つい……」

「いや、いいんだ。こういうのは、魅力的すぎる方が悪いだろ?」

アルゴが、ムカつくドヤ顔を私に向ける。ムカつくが、今回は明らかに私が悪いので、黙っておく。

「アルゴ、お嬢さん。そろそろ、本題に入ってもいいかい?」

レンが穏やかに眠っている様子を見て、少し安心した様子のソアレが私たちに語りかける。

「そうだった。聞きたいことがいっぱいあるの。あなたたちは何?『使い』ってなんなの?あと、でゅえろ?とか、ぷりふぉーぜ?ってなに?……私はアルゴに何をされたわけ?」


先程までは、生き残ることで必死すぎて、抑えていた疑問が次々に浮かんでくる。アルゴは「やってみればわかる」とかなんとか言っていたけど、やっぱりわからないものはわからない。


「ここは、僕が説明しよう。まずは、お嬢さんを危険な目に遭わせたこと、謝らせていただくよ。……まず、僕たちについてだ。……僕たちは、神の権能を預かる聖獣というものだ。」

「……聖獣?」

「といっても、本物の『聖獣』ってわけじゃない。」

「そう。僕たちは……みんな、『元人間』だ。」


にわかには信じがたいソアレの話を、アルゴが大きく頷きながら肯定する。あまりに非現実的な話に目眩がするが、私も巻き込まれていることは確かだ。脳内で話を整理しつつ、先を促す。


「『元人間』ってことは、人間の姿にもなれるの?」

その方が、現代社会にも馴染みやすいはずだし。

「いや、それはできないんだ。僕たちは……神の権能を預かる代わりに人間だった頃の記憶を失う。そして、神の権能を駆使するには人間の『祈り』が必要なんだ。その『祈り』を捧げてくれるのが『使い』だ。『使い』は、聖獣が持つ権能に『適合』している人間のことなんだ。」

 雷に撃たれて、無傷だったことを思い出す。「アレ」が「適合」したということなのだろうか……

ソアレが愛おしそうにレンの寝顔を見つめる。わけのわからない闘いに巻き込んだ元凶の一つではあるが、この二人にはだれも入り込めない信頼関係や情があることが、わかる。……そういう関係は、少し羨ましい。


「人間だった頃の記憶を失うのは……どうして?」

「代償だ。オレたちは、一度神からもらった人生を蔑ろにして、新しい生を望んだ。……まぁ、それなりに理由はあるだろってことで、神の権能を預かることは許されたってわけだ。」

アルゴが、いつもの軽い口調で言うが、私には少し痛々しく感じた。……つまり、アルゴもソアレも……生きることを諦めるようなことがあったということだ。

「そんな顔するなって!記憶がないってことは、今は気楽なもんだぜ?……まぁ、また人間として、新しい生を得るためにはアニマ・デュエロで勝ち残らないといけないから、確かに気楽ではないな?ミコ、その顔したままでいいぜ!」

人がまともに心配してるっていうのに、このモフモフは……

「そう、僕らがまた人間になって新しい生を得るには、今いる12体……僕らを除いて10体の聖獣とアニマ・デュエロを行い、勝利する必要があるんだ。……これで、命を落としたり、権能を使い切れば、次の生は望めない。」

「まって!?じゃあ、ソアレは!?」

「落ち着いて、お嬢さん。僕らは死んでもいないし、権能を使い切ってもいない。……少し、レンの消耗は激しいけど、精神的なものだ。休めば回復するよ。」

ホッと胸を撫で下ろす。誰かの命を、人生に関わることをどうにかしてしまったと思うと気が気でない。そんな責任重大なことは願い下げだ。


「それに、アニマ・デュエロは、何も相手を打ち負かすことだけが目的じゃないよ、お嬢さん。デュエロの後に、互いが同意し、契約すれば、共闘関係にもなれる。」


ニッコリと、ソアレが可愛い子鹿スマイルを向けてくる。その意味が分からないほど、私もバカじゃない。


「もしかしなくても………共闘をお望みですかね……?」



次回も少しだけシリアスめのお話。

お付き合いいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ