プロローグ〜突然ですが、落雷です。〜
初めまして。三日坊主です。
初めて作品を投稿します。神話という題材で描きたかった冒険ギャグ活劇……
神様と人間のやりとり、異能バトルなどなど……
ぜひ、お楽しみいただきたいです。
できるだけ毎日更新目指しますので、末長くよろしくお願いします!
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その日、私は雷に打たれた。比喩的な意味ではない。言葉の通り、「雷に打たれた」のである。もしかしたら、本物の雷ではなかったのかもしれない。ただ、眩い光が目を潰したのち、大きな音と電撃が私の体を襲ったことは確かだ。人間の身体が雷よりも弱いことは周知の事実である。実際、焦げ臭いにおいが鼻に届いていた。雷が身体を直撃したのだ。どこかが焦げていたってーーあるいは、全身が黒焦げていたってーー何もおかしくはない。
どっこい、私は生きていた。……無傷で。焦げていたのは、どうやら服やら靴やらの端であった。命には替えがたいが、服をこよなく愛する私にとっては、悲しい出来事だと言わざるをえない。
「ヨォ、無事かい?無事だといいな。無事のはずなんだけどな?おーい。」
茫然とする人間の意識を、無理やりに戻そうとする低い声が、ぼんやりとした私の頭を後ろから揺さぶる。どうやら、先ほどの雷の犯人はこの声の主らしい。重厚な声に軽薄な口調。この手の話し方の人物は間違いなく関わってはいけない部類の人間だ。ーー本能は警鐘を鳴らしていたはずなのに。
思えば、ここで馬鹿正直に振り向いてしまったことが。そして、馬鹿正直に返事をしてしまったことが、私がこの世で一番嫌いなことーー面倒ごとーーに巻き込まれるきっかけだったのだと思う。もし、目の前に時を駆けるデロリアンがあったとしたら、私はこの瞬間に立ち戻り、どうにかしてこの時の私に、こう伝えるだろう。
「絶対に振り向かずに、黙ってその場から立ち去って……お願いだから。」
今日って雷の日みたいですね。
雷の日に雷に打たれる主人公を書けて嬉しいことこの上ないですね。